2019年06月28日
木星からの神撃
ときどき、「これはこのバンドにとって大きな分水嶺になるかもしれない」というアルバムに出会います。
そんなとき、その節目を目の当たりにした喜びとトキメキが交錯します。
このアルバムも、そんなポジションになりそうな気配がします。
JUPITER [ Zeus~Legends Never Die~ ]
ヴィジュアル系を齧ったことがある方ならマストのバンドでしょうか。
Versaillesのメンバーを母体として結成されたバンド、このアルバムが3rdアルバムになりますかね。
Versailles時代のイメージは、KAMIJO(元 LAREINEですよ)の声質もあって、典型的な耽美系のヴィジュアル系サウンド。
そしてそこから派生したJUPITER。
最初に聞いたときは「‥なんだかちょっとボンヤリした感じだな」という印象でした。
ヴォーカルのZINの声質の印象でしょうかね。
とはいえ、基本的にはVersailles路線を踏襲。
音楽性もヴィジュアルも、美しく絢爛、華やかに麗しく。
「世界一美しいV系メタル」の冠にふさわしい音楽性でした。
ZINのヴォーカルにも徐々に慣れ、ライブを初めて見たときにはそのパフォーマンスに圧倒され、「このヴォーカルはライブで映えるタイプだ!」と明るい未来を確信したわけですが‥
そのライブの最中にZINが近々バンドを去ることを知りました。
なんてこった‥私にとってZIN & JUPITERを再認識できた夜に‥。
そしてZINのあとを引き継いだのが、元Concerto MoonのKUZE。
Concerto Moon、最近は聞いてなかったのでYOUTUBEでチェックしたのですが、「‥この声がJUPITERか‥大丈夫か‥?」という思いに駆られました。
が。
驚きのクオリティで不安を霧散させてくれました。
もちろんヴィジュアルはそのままに、サウンドは煌びやかな印象を継承しつつ、ややストレートに。
そのストレートに寄せてきたサウンドにKUZEのヴォーカルがフィット。
華やかな装飾をバンドイメージを損なわない程度に削ぎ落としたことで、ベクトルがハッキリした印象です。
Versailles時代からのファンにとっては、耽美な魅力が希薄になったと感じるかもしれませんね。
ただ、この方向性は間違いなくメタルファンにアピールできるのではないでしょうか。
荘厳なオープニングチューン[New World Order]は、最近のGALNERYUSのコンセプトアルバムのオープニングに似た高揚感を抱かせます。
その荘厳なムードから導かれる[Theory of Evolution]。
彼らが最も得意とする躁&飛翔系のスピードチューンですが、KUZEの声が入ってきたとたんに「お!」という心地よい違和感を覚えます。
いわゆる「ヴィジュアル系」のムードではないのだ。
一気に正統派メタルの色合いが濃くなっているのだ。
ANGRAを思わせるシンフォニックなサビでも、その独特の存在感は失われていません。
続く[Beyond the Horizon]は、いい意味でのJ-POP的な触感、歌詞が魅力的。
直線的な疾走感はその歌詞が示す通り、地平線の彼方へ一気に駆け抜けていくような爽快感を見せてくれます。
王道ヘヴィメタルチューンといえる[Straight into the Fire]。
洋楽メタルファンにもアピールできそうな曲ですが、そんな中にも彼ららしいアレンジを散りばめています。
ややダークに、ブルータルヴォイスを主軸に、DragonForceを思わせる疾走感を見せる[Tempest]。
サウンドが‥というより世界観がVersaillesに近いかな。
独唱に導かれて、一気に駆け出すオープニングがゾクゾクする[The Spirit within Me]。
リフの刻み方がDAHLIAの頃のX JAPAN的だなと感じます。
サビでのガッツ溢れるコーラス、ライブでの拳振り上げ必至ですね。
そしてまさかの[Tears of Sun]の再録。
この曲がリリースされたのは2017年。いかに現在のラインナップに自信があるか。
そしてその魅力を誇示しようとしているかが伝わってきます。
ZINバージョン、KUZEバージョン、どちらも魅力的ですが、この好みがそのままこのアルバムの好みに分かれるかもしれません。
クライマックスとなるラストは組曲形式。
はい、私の大好きな組曲ですね。たまりませんね。
[Zeus:I.Legend Never Die]は、このアルバムを象徴する素晴らしさ。
DragonGuardianの「旅立ちの朝」を思わせる昇天感に、胸の昂りが押さえられません。
仰々しいタイトル&ジャケットに負けていない重厚な内容。
「新たな一歩」を踏み出したと言えるのではないでしょうか。
ヴィジュアル系というヴェールの中から滲み出るヘヴィメタルスピリッツ。
このスピリッツが洋楽メタルファンにも響いてくれるといいなぁと思うのです。
Jupiter「Theory of Evolution」MV FULL
Jupiter「Zeus:Ⅰ.Legend Never Die」MV FULL
そんなとき、その節目を目の当たりにした喜びとトキメキが交錯します。
このアルバムも、そんなポジションになりそうな気配がします。
JUPITER [ Zeus~Legends Never Die~ ]
ヴィジュアル系を齧ったことがある方ならマストのバンドでしょうか。
Versaillesのメンバーを母体として結成されたバンド、このアルバムが3rdアルバムになりますかね。
Versailles時代のイメージは、KAMIJO(元 LAREINEですよ)の声質もあって、典型的な耽美系のヴィジュアル系サウンド。
そしてそこから派生したJUPITER。
最初に聞いたときは「‥なんだかちょっとボンヤリした感じだな」という印象でした。
ヴォーカルのZINの声質の印象でしょうかね。
とはいえ、基本的にはVersailles路線を踏襲。
音楽性もヴィジュアルも、美しく絢爛、華やかに麗しく。
「世界一美しいV系メタル」の冠にふさわしい音楽性でした。
ZINのヴォーカルにも徐々に慣れ、ライブを初めて見たときにはそのパフォーマンスに圧倒され、「このヴォーカルはライブで映えるタイプだ!」と明るい未来を確信したわけですが‥
そのライブの最中にZINが近々バンドを去ることを知りました。
なんてこった‥私にとってZIN & JUPITERを再認識できた夜に‥。
そしてZINのあとを引き継いだのが、元Concerto MoonのKUZE。
Concerto Moon、最近は聞いてなかったのでYOUTUBEでチェックしたのですが、「‥この声がJUPITERか‥大丈夫か‥?」という思いに駆られました。
が。
驚きのクオリティで不安を霧散させてくれました。
もちろんヴィジュアルはそのままに、サウンドは煌びやかな印象を継承しつつ、ややストレートに。
そのストレートに寄せてきたサウンドにKUZEのヴォーカルがフィット。
華やかな装飾をバンドイメージを損なわない程度に削ぎ落としたことで、ベクトルがハッキリした印象です。
Versailles時代からのファンにとっては、耽美な魅力が希薄になったと感じるかもしれませんね。
ただ、この方向性は間違いなくメタルファンにアピールできるのではないでしょうか。
荘厳なオープニングチューン[New World Order]は、最近のGALNERYUSのコンセプトアルバムのオープニングに似た高揚感を抱かせます。
その荘厳なムードから導かれる[Theory of Evolution]。
彼らが最も得意とする躁&飛翔系のスピードチューンですが、KUZEの声が入ってきたとたんに「お!」という心地よい違和感を覚えます。
いわゆる「ヴィジュアル系」のムードではないのだ。
一気に正統派メタルの色合いが濃くなっているのだ。
ANGRAを思わせるシンフォニックなサビでも、その独特の存在感は失われていません。
続く[Beyond the Horizon]は、いい意味でのJ-POP的な触感、歌詞が魅力的。
直線的な疾走感はその歌詞が示す通り、地平線の彼方へ一気に駆け抜けていくような爽快感を見せてくれます。
王道ヘヴィメタルチューンといえる[Straight into the Fire]。
洋楽メタルファンにもアピールできそうな曲ですが、そんな中にも彼ららしいアレンジを散りばめています。
ややダークに、ブルータルヴォイスを主軸に、DragonForceを思わせる疾走感を見せる[Tempest]。
サウンドが‥というより世界観がVersaillesに近いかな。
独唱に導かれて、一気に駆け出すオープニングがゾクゾクする[The Spirit within Me]。
リフの刻み方がDAHLIAの頃のX JAPAN的だなと感じます。
サビでのガッツ溢れるコーラス、ライブでの拳振り上げ必至ですね。
そしてまさかの[Tears of Sun]の再録。
この曲がリリースされたのは2017年。いかに現在のラインナップに自信があるか。
そしてその魅力を誇示しようとしているかが伝わってきます。
ZINバージョン、KUZEバージョン、どちらも魅力的ですが、この好みがそのままこのアルバムの好みに分かれるかもしれません。
クライマックスとなるラストは組曲形式。
はい、私の大好きな組曲ですね。たまりませんね。
[Zeus:I.Legend Never Die]は、このアルバムを象徴する素晴らしさ。
DragonGuardianの「旅立ちの朝」を思わせる昇天感に、胸の昂りが押さえられません。
仰々しいタイトル&ジャケットに負けていない重厚な内容。
「新たな一歩」を踏み出したと言えるのではないでしょうか。
ヴィジュアル系というヴェールの中から滲み出るヘヴィメタルスピリッツ。
このスピリッツが洋楽メタルファンにも響いてくれるといいなぁと思うのです。
Jupiter「Theory of Evolution」MV FULL
Jupiter「Zeus:Ⅰ.Legend Never Die」MV FULL
Posted by テン at 07:30│Comments(0)
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