ヘビメタパパの書斎 › 2014年08月

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2014年08月25日

新星、輝くか

まさに「新星」かもしれない。
眩さとともに突然表舞台に現れた国産メロディックスピードメタルのニューカマーですね。

GAUNTLET [Birthplace Of Emperor]




福岡県出身の若きホープのデビューアルバム。
発売前からtwitterタイムライン上で話題騒然。(あくまでワタシのタイムライン上ですが)
特にGalneryusMinstreliXが好きな人たちからの「これはヤバい!」といったムードが期待感溢れる中でリリースされた1stアルバム。

素晴らしいです。

メロディックスピードメタル/メロディックパワーメタルに求める要素を徹底的に網羅。
さらに国産ならではのマイナー調泣きメロも満載。
「これぞ国産メロスピの一つの理想型だな」と唸らされますね。

基本的にはGalneryus的なスピード感と飛翔感がベース、というと解りやすいでしょうか。
小野正利加入後に顕著に見られるようになった、スケールの大きな高揚感。
そしてYAMA-B時代に見られた鋭利でザクっとした攻撃性。
双方を有しているように感じます。
そして適度にシンフォニックなアレンジ、時折見られるヴォーカルの耽美的歌唱はMinstreliX的な面もあり。
ということで、双方のファンにとっては非常に美味しいアルバムになっているのではないでしょうか。


なんといってもリリース前に公開されていた、イントロに続く実質オープニーングチューンとなる[Beyond The Wall]のインパクトは、アルバム内でも一際輝いていますね。
ジャパニーズメタルならではの泣きのギターとともに疾走していく展開は、よくある手法、と一言で片づけることができないクオリティ。
この泣きはVersaillesであったり、Rhaphael(懐かしい!!このアルバムでフと思い出したよ)であったりといった、国産ヴィジュアル系シンフォニックメタルの流れでしょうかね。

続く[In My Life]でのガッツ溢れるサビは、スピード一辺倒ではないことを証明してくれます。
[Arising For The Faith]での疾走感とメロディラインはAzraelの名曲[Sunrise in the Dreamland]のような盛り上がり。
MinstreriXの名曲[Erzsebet]を思わせるドラマティックな展開の[Lead Us]が中盤に配置されているところも効果的。
エピローグ的[The Day After]を前に、超絶シャウトと共にラストスパート的な劇的展開を魅せる[Spread Your Wings]も素晴らしい。

ヴォーカルスタイルがジャパメタ的というか、ヴィジュアル系のヴィヴラートというか・・・洋楽至上主義のメタルファンには多少の違和感があるかもしれません。
よく伸びるハイトーン、中音/低音域での説得力も充分でありながら、「このヴォーカルならでは」という個性にやや欠けてる気がしなくもない。
が、ジャパニーズメタルに慣れた人にとっては何の問題もないでしょう。

・・・といった具合に、全編において「国産メロスピ、かくあるべし」といったスタイルを貫き通しています。
ここまでに出てきたバンドたちのファンは押さえておいて間違いない、いや、押さえておくべきバンドだと言えるのではないでしょうか。




が・・・


聞けば聞くほど、ノドの奥に刺さった小骨のような違和感が感じられるようになってきました。
大好きなメロスピ/メロパワであるのは間違いない。
キラキラ感、天空へ羽ばたくような飛翔感、シンフォニックなアレンジ・・全てストライクだ。
ヴォーカルのハイトーンも無理なく素晴らしい。

ここまで大好きな要素が揃っているのに、何かが「ちょっと引っかかる」のだ。
何度も何度も聞いて、この「違和感」がなんだろう、と気になって気になって仕方なかった。

で、ワタシなりに納得できる結論が出ましたよ。あくまでワタシなりなので「は?」と思ってもスルーしてくださいね。

それは「日本語詩」だと思うんだな。

ここまで完璧なジャパニーズメロディックスピードメタルが構築されていて、一つの理想型というところまで昇華してる。
これが日本語詩だったら、さらに曲と歌がシンクロすると思うのです。
発音が云々、などと言うつもりはないのですが、別に全て英語詩に拘る必要はないんじゃないかと。
曲も展開も歌い方も「日本人だからこそ」の素晴らしさに満ちているわけだから。

ワタシは英語至上主義じゃない。
小野正利が加入する前のGalneryusの記事でも「日本語詩、賛成。むしろJ-POPとジャパニーズメタルの融合を目指してほしい」と書いた気がします。
そして、小野正利加入後にまさにその路線へ歩みだし、さらなるメジャー感を生み出したと思っています。
・・逆に洋楽主義のメタルファンからは敬遠されてしまうことになったかもしれませんが。

まさにこの小野正利加入後のGalneryus的スタイルを目指しつつ、独自のスピードメタル路線を貫いてくれれば、さらに素晴らしいものに(というか、ワタシ好みに)なりそうな気がします。


なんだかメタルファンの中には、洋楽メタル>ジャパメタ、といった風潮が感じられます。
実際、そういった比較対象となるバンドもいるかと思います。

が、ジャパニーズメタルはジャパニーズメタルというジャンルとして、もっと言えばヴィジュアル系も含めて、ニッポンならではの素晴らしいジャンルだと思うのだ。
なんだか洋楽メタルの二番煎じ的な位置づけではクヤしいのだ。

だからこそ、GAUNTLETには国産メロスピの最高峰を目指して欲しいと思うし、その期待に応えてくれるだけのポテンシャルを秘めていると思うんだよね。
がんばれ!国産メタル!


GAUNTLET - Beyond The Wall
悶絶必至!



  

Posted by テン at 07:33Comments(0)国産

2014年08月12日

若武者、見参のとき

この時期、どうしてもLOUDPARK14出演バンドの話が多くなりがちなんですがね。
まだまだアルバム枚数も少なく、若いバンドでありながら「来たか!」感の満ち満ちた参戦です。

GLAMOUR OF THE KILL / SAVAGES




ブリティッシュメタルの地、イングランド出身。
2013年発売、このアルバムが2ndアルバムという若武者ですよ。

このアルバムと同時期に、以前取り上げたBLACK VEIL BRIDESのアルバムもリリースされており、この2枚を順繰りで聞いていましたね。
系統としても近いものがあると思います。

ストレート、キャッチー、エモーショナル。

BULLET FOR MY VALENTINE、もっと拡げるならば AVENGED SEVENFOLDあたりにも通じるものがありますね。
が、よりキャッチーな色合いが強くなっています。
[SLAVE TO THE GRIND]の頃のSKID ROWが好きな方にもフィットするのではないでしょうかね。

ワタシのブログを時々訪れて頂いている方は既に御存じかと思いますが、この「キャッチー」というキーワード、重要です。
ヘヴィだろうが、スラッシーだろうが、パンキッシュだろうが、基本「キャッチー」であれば、ワタシのアンテナにビンビン響いてきます。

ヘヴィなサウンドにキャッチーなコーラスが乗り、さらに「オーオーオーオオー!」といったシンガロングパートがある。
このテのパターン、大好きです。
上述のBLACK VEIL BRIDESも同様ですね。


オープニングを飾る[BREAK]
ややタテノリでヘヴィなこの曲は、最初聞いたときは「ん?」と思いましたね。
「あー、こういうバンドですか」と。

が、その印象は2曲目で待ち受ける[SECOND CHANCE]で一掃されます。

一気に加速し、ときにスピードを落とし、また加速する。
目まぐるしく左右に揺さぶれるような、ジェットコースター的なスピード感とスリル。
メロディックかつキャッチーなギターリフ。
ワタシが大好物のシンガロング&ハーモニー。
この曲が「いや、GLAMOUR OF THE KILL ってこういうバンドなのか!」という印象を鮮烈に脳裏に焼き付けます。


ややモダンな印象、ヘヴィなスクリーム、そして得意のシンガロングでサビを迎える[A FREAK LIKE ME]はどこかSKID ROW的。
美しいメロディラインとハーモニーで幕を開ける[HEARTBREAKER]
[RESCUE ME]でのリズムの刻み方、やや影のあるメロウなメロディとスピード感はA7X的。ギターソロのスピード感がたまりません。
ラストを飾る[WELCOME TO HELL]はそのタイトル通りメタリックに走り抜けていきつつ、サビでは一気にスピードダウン。メロウかつセンチメンタルな憧憬を描きます。

[SECOND CHANCE]のインパクトが強すぎる感がありますが、他の曲も粒揃い。

BLACK VEIL BRIDESのアルバムで感じた「ふぅ・・」という満腹感&満足感と異なる、爽快な余韻に浸ることができます。

先日、新宿のメタルバーGODZでこの曲をかけてもらった。
そのときに若いスタッフさんが、このテのジャンルについて語ってくれた。

BULLET FOR MY VALENTINEとかGLAMOUR OF THE KILLがメロコア。
AVENGED SEVENFOLDがメタルコア。

・・って言ってたかな。忘れたけど、なんか違うモノらしい。

「最近のシーンは細分化してますからねぇ」と言っていたが、ワタシにとっては全て「キャッチーなヘヴィメタル」という一括り。
TRIVIUMのときやAVENGED SEVENFOLODのときに感じたような「これは若い人とワタシのようなオッサンの架け橋になってくれるような存在だな」と感じます。
そして、おそらく彼らの源流も辿れば他のベテランバンドと同じ水源に辿り着くのではないかと。

彼らがステージに立つラウドパーク二日目に登場する中には、KREATORDEATH ANGELといった「オッサンスラッシャー驚喜乱舞!」な面々が陣取る。
そういったオッサンメタラー(ワタシも含めて、ね)も、このバンドの若いエナジーに熱狂するだろう。
そして彼ら世代の若者たちもベテランスラッシャーのサークルピットで暴れることだろう。

だからラウドパークは楽しく、メタルは万国共通&世代なんか関係ない素晴らしい音楽だと思うのだ。

[SECOND CHANCE]で、大きなサークルピットからの「♪オオオオオーオオオー!」の大合唱が目に浮かびます。
楽しみですね!



  

Posted by テン at 07:16Comments(0)G