ヘビメタパパの書斎 › 2018年03月

スポンサーリンク

この広告は一定期間(1ヶ月以上)更新のないブログに表示されます。
ブログ記事の情報が古い場合がありますのでご注意下さい。
(ブログオーナーが新しい記事を投稿すると非表示になります。)
  

Posted by at

2018年03月02日

美しく、咲く

「嬢メタル」という言葉が定着(?)して、ずいぶん時間が経ちました。
そして最近、こんなヴィジュアルのバンドがデビューしたわけですが‥



メタルと疎遠な方々がイメージする「ヘビメタ」とはずいぶん印象が異なるのではないでしょうか。
それが吉と出るか凶と出るか‥

LOVEBITES [AWAKENING FROM ABYSS]





このバンドを知ったのはtwitter。
レコード会社のアカウントから次々の呟かれる推し押し推し押しのツイート。
運営による「頑張ってます」「応援してください」という必死かつ悲壮なツイート。

‥正直に言いますとね。なんだかバンドが可哀相だなーと思ってたんですよ。
いかにもレコード会社主導で、操られてる感があったんですよね。

最初の音源のリリース時にも
「マイケル・ヴァイカート (HELLOWEEEN)、ハンズィ・キアッシュ (BLIND GUARDIAN)、ティモ・コティペルト (STRATOVARIUS)、キコ・ルーレイロ (ANGRA)、クリス・インペリテリ、‥といった面々が彼女たちを絶賛!」
と言われても、
「あー、同レーベルの傘下の方々に御協力を仰いだわけですね‥」
としか思わず、これまた彼女たちに気の毒な印象を与えた感があった。

そんな「ゴリ押し」感漂う船出だったのですが‥


素晴らしいのだ。
そういった事前の不安を払拭して余りあるのです。

ピュアなヘヴィメタルのエレメント。
スピード感、スリル、高揚感。
ヘヴィメタルに求めるものが高いレベルで結実しています。
そして国産メタルならではのキャッチーなメロディラインも印象的。

私は歌謡曲然としたジャパメタも大好きなのですが、彼女たちはそういった要素が薄い。
いい意味で直球ヘヴィメタルで勝負している。
見た目やゴリ押し感さえ目につかなければ、女性でも充分に興味をもってくれるサウンドだと思います。

単純かつ語彙の少ない表現で申し訳ないのですが、IRON MAIDENのようなリフとJUDAS PRIESTのようなメタリックな触感に、日本人女性ヴォーカルが乗る、といった印象。
そして時折顔を出す泣きのメロディラインは、日本人が大好きなメロスピ的な要素も。


オリエンタルかつ荘厳なオープニングインストナンバー[THE AWAKENING]に続いて‥
スケールの大きなイントロからザクザクと小気味のいいリフで切り込んでくる[THE HAMMER OF WRATH]
リフの刻み方でANTHRAXを思い出しましたね。

ジャーマンメタル的疾走感が本能を刺激する[SHADOWMAKER]
ヴォーカルのASAMIのストロングな声、終盤に魅せるハイトーンが素晴らしい。

ジャパニーズメタルならではの感性が光る[LIAR]。
直球オンリーではなく、こういった悲哀が見える曲を中盤に配置しているのは実に効果的です。

[THE APOCALYPSE]のスラッシーな疾走感からのサビのキャッチーさは、彼女たちが最も得意として、これからも武器として携えていってくれそうです。

そして個人的に最もお気に入りなのが[EDGE OF THE WORLD]
美しいパワーバラードで始まり、BLIND GUARDIANを思わせるスケールの転調を経て、HELLOWEENXを思わせるクサい疾走感へ。
こういった「静かな前半から激しい後半」って曲、大好きなのです。
X [ROSE OF PAIN]とか。
陰陽座[組曲 黒塚]とか。
たまりませんね。この曲からの[BRAVEHEARTED]のヒロイックはヘヴィメタルへ繋がり、アルバムが終わる流れ、素晴らしいです。


ということで、幅広いヘヴィメタルファンにアピールできる良盤。

これだけ素晴らしいバンド、素晴らしい曲なんだから、最初のゴリ押し要らなかったんじゃないかなー、とも思っちゃいますが、それがあったから今があると思うようにしましょう。

一つだけ文句を言わせて頂くとですね。
EPのときは日本語だった[BRAVEHEARTED]を英語詩に変えたこと。個人的には日本語のほうが好きです。
まぁ、幅広いメタルファンに受け入れてもらうには、日本語詩アレルギーの人も多いので、気持ちは分かるんですがね。

そのついでに言わせて頂くと、日本人が歌う日本語詩が大好きな私としては、次作では日本語の歌詞が増えることに期待したいところです。

ライブは即日ソールドアウト。

そしてさらにはドイツで行われる世界最大のメタルフェスの一つであるWacken Open Airへの出演(!)
‥と、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの彼女たち。
レコード会社の掌の上から、着実に自分たちの足で踏み出している姿が伝わってきます。
これからの歩みに期待しましょう!


LOVEBITES / Shadowmaker [MUSIC VIDEO (90 sec. version)]
















  

Posted by テン at 06:55Comments(0)L