2019年06月05日
過渡期の魅力
先日twitterを眺めてて、このアルバムが24年前の5月にリリースされた、と。
ということで、久しぶりに引っ張りだしてきましたよ。
そうかー。もう24年前かー。
RAGE [BLACK IN MIND]

ドイツの重鎮による9thアルバム。1995年リリース。
この頃が「RAGEらしい」という印象を抱いているオールドファンも多いのではないでしょうか。
RAGEといえば、個人的には以下のような時代にザックリ分かれているイメージがあります。
ピーヴィーが苦しげなハイトーンを駆使し、エナジーで駆け抜ける「若き時代」。
自然体になりメロディの充実が一気に花開いた「昇華の時代」。
ドッシリと腰を落ち着け、貫祿を見せはじめた「安定の時代」。
ダークサイドのRAGEが顔を出し、試行錯誤した「暗鬱の時代」。
ヴィクター・スモールスキというパートナーを得て、ヘヴィなサウンドへ舵を切った「鋼鉄の時代」。
さらにはヴィクター脱退後の時代もあるわけですが、これは「原点回帰」の色が強いでしょうか。
このアルバムは、「安定の時代」の象徴と言っていいでしょう。
メロディの充実は、名作[The Missing Link]の流れを継承しつつも、ストロングな音色が印象的。
後の「暗鬱の時代」への遷移を予感させるダークな曲もチラホラ。
そのバランスが実に魅力的だ。
落ち着きのあるサウンド構成に、彼ら独特のメロディセンスを撒き散らしていく。
「昇華の時代」を駆け抜けて、その昇華を我が物とし、そのセンスを新たなベクトルで示してくれる。
オープニングを飾るタイトル曲、[Black In Mind]。
ソリッドかつ強靱なリフに導かれ、RAGEらしいキャッチーなメロディとコーラスが一気に耳を惹きつけます。
続く[The Crawling Chaos]。
センチメンタルにたゆたうようなメロディ、いい意味での不気味な飛翔感。
天を翔るような飛翔感ではない。
薄暗い夜空をゆるやかに美しく切なく舞うかのような飛翔感がたまりません。
ややダークな[Alive But Dead]は、この時代のRAGEのひとつの象徴ですね。
続く超絶名曲[Sent By The Devil]。
不気味に鳴り響く鐘の音、印象的なリフから一気に爆裂疾走。
その疾走感の中に満ちあふれるメランコリックなメロディ。
アグレッションをスピード感に乗せ、悲哀をメロディに乗せて駆け抜けていきます。
ここまでの構成、メリハリ。
このアルバムの充実が、前半だけで充分に感じ取ることができます。
続くポップ(?)な[Shadow Out Of time]もRAGEらしい不可思議なメロディが堪能できます。
[Until i die][Forever]といったスピードチューンは、彼らが最も得意とするところ。
実に安定感があります。
そして[Sent By The Devil]と双璧をなす名曲[Start!]が最終盤で登場。
やはりメランコリックな疾走感が印象的。
さらにはこの曲のサビの美しさ、ポジティブな歌詞は鮮烈です。
何度この歌詞を口ずさみ、勇気づけられたことでしょうか。
私が愛したRAGEの歴史の中で、[Sent By The Devil][Start!]は指折りで大好きな曲だ。
だから、このアルバムはとても印象深い。
ピーヴィーの歌声は、初期と比べて落ち着いてきたとはいえ、まだまだ時折不安定なところを見せる。
が、だからこそこの時期が魅力的だとも言える。
ヴィクター・スモールスキとの時代にはバンドもピーヴィも「完全に別のステージに上がった」感があったが、この時代はまさにそのステージへ登るための重要なステップだった。
もちろん、この後に訪れる「暗鬱の時代」もその大きなステップだった。
それぞれの時代にそれぞれの魅力があり、そのすべてが私にとって「RAGEらしい」と思える。奇跡的なバンドなのだ。
私にとってのRAGEを敢えて挙げるなら、その「化けた!」という感動が印象深い「昇華の時代」でしょうか。
とはいえ、この時代も「あぁ、RAGEはホントにいいバンドになってきたなぁ」という「感慨の時代」でもあるのです。
Rage - Sent By The Devil
Rage - Start!
ということで、久しぶりに引っ張りだしてきましたよ。
そうかー。もう24年前かー。
RAGE [BLACK IN MIND]

ドイツの重鎮による9thアルバム。1995年リリース。
この頃が「RAGEらしい」という印象を抱いているオールドファンも多いのではないでしょうか。
RAGEといえば、個人的には以下のような時代にザックリ分かれているイメージがあります。
ピーヴィーが苦しげなハイトーンを駆使し、エナジーで駆け抜ける「若き時代」。
自然体になりメロディの充実が一気に花開いた「昇華の時代」。
ドッシリと腰を落ち着け、貫祿を見せはじめた「安定の時代」。
ダークサイドのRAGEが顔を出し、試行錯誤した「暗鬱の時代」。
ヴィクター・スモールスキというパートナーを得て、ヘヴィなサウンドへ舵を切った「鋼鉄の時代」。
さらにはヴィクター脱退後の時代もあるわけですが、これは「原点回帰」の色が強いでしょうか。
このアルバムは、「安定の時代」の象徴と言っていいでしょう。
メロディの充実は、名作[The Missing Link]の流れを継承しつつも、ストロングな音色が印象的。
後の「暗鬱の時代」への遷移を予感させるダークな曲もチラホラ。
そのバランスが実に魅力的だ。
落ち着きのあるサウンド構成に、彼ら独特のメロディセンスを撒き散らしていく。
「昇華の時代」を駆け抜けて、その昇華を我が物とし、そのセンスを新たなベクトルで示してくれる。
オープニングを飾るタイトル曲、[Black In Mind]。
ソリッドかつ強靱なリフに導かれ、RAGEらしいキャッチーなメロディとコーラスが一気に耳を惹きつけます。
続く[The Crawling Chaos]。
センチメンタルにたゆたうようなメロディ、いい意味での不気味な飛翔感。
天を翔るような飛翔感ではない。
薄暗い夜空をゆるやかに美しく切なく舞うかのような飛翔感がたまりません。
ややダークな[Alive But Dead]は、この時代のRAGEのひとつの象徴ですね。
続く超絶名曲[Sent By The Devil]。
不気味に鳴り響く鐘の音、印象的なリフから一気に爆裂疾走。
その疾走感の中に満ちあふれるメランコリックなメロディ。
アグレッションをスピード感に乗せ、悲哀をメロディに乗せて駆け抜けていきます。
ここまでの構成、メリハリ。
このアルバムの充実が、前半だけで充分に感じ取ることができます。
続くポップ(?)な[Shadow Out Of time]もRAGEらしい不可思議なメロディが堪能できます。
[Until i die][Forever]といったスピードチューンは、彼らが最も得意とするところ。
実に安定感があります。
そして[Sent By The Devil]と双璧をなす名曲[Start!]が最終盤で登場。
やはりメランコリックな疾走感が印象的。
さらにはこの曲のサビの美しさ、ポジティブな歌詞は鮮烈です。
何度この歌詞を口ずさみ、勇気づけられたことでしょうか。
私が愛したRAGEの歴史の中で、[Sent By The Devil][Start!]は指折りで大好きな曲だ。
だから、このアルバムはとても印象深い。
ピーヴィーの歌声は、初期と比べて落ち着いてきたとはいえ、まだまだ時折不安定なところを見せる。
が、だからこそこの時期が魅力的だとも言える。
ヴィクター・スモールスキとの時代にはバンドもピーヴィも「完全に別のステージに上がった」感があったが、この時代はまさにそのステージへ登るための重要なステップだった。
もちろん、この後に訪れる「暗鬱の時代」もその大きなステップだった。
それぞれの時代にそれぞれの魅力があり、そのすべてが私にとって「RAGEらしい」と思える。奇跡的なバンドなのだ。
私にとってのRAGEを敢えて挙げるなら、その「化けた!」という感動が印象深い「昇華の時代」でしょうか。
とはいえ、この時代も「あぁ、RAGEはホントにいいバンドになってきたなぁ」という「感慨の時代」でもあるのです。
Rage - Sent By The Devil
Rage - Start!
Posted by テン at 07:40│Comments(0)
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