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2020年03月17日

ドイツの魂

なんだかんだで「重鎮」と呼べるゾーンに入ってきましたね。
なんだかんだでずっと大好きなバンドの新作です。

RAGE [Wings Of Rage]

ドイツの魂


ドイツ出身。
2020年リリース、これが‥何枚目でしょうか。Wikiによると23枚目くらいですが、ポジショニングが微妙なアルバムもあるので‥
まぁ、そのくらいリリースしているということで‥。

私とRAGEの出会いは、1988年~1989年の[Perfect Man][Secrets In A Weird World]あたりに遡ります。
30年‥ですね。

「ジャーマンメタル」という言葉で彼らを思い出す方もいるのではないでしょうか。
サウンド的に「ジャーマンメタル」という言葉が当てはまるかどうかは別にして、一つの象徴として存在し続けてきました。

ヴィクター・スモールスキを迎えて、双頭体制でストロングかつヘヴィかつモダンな路線で新境地を見いだし、新たなファンも獲得した彼らでしたが、2015年に脱退。
再びピーヴィの志す‥というか、原点回帰路線で再スタートを切って3枚目。

前作と前々作はその意識が強かったような気がしますが、今回は落ち着いて過去を俯瞰し集約してきた感があります。
その中でもリズムやリフ、メロディに新鮮さも感じます。

ソリッドにキレるリフ。
一筋縄ではいかないクセのあるメロディでありながらも流麗。
スラッシーなリズムがあるかと思えば、ポップ&キャッチーなメロディも織りまぜる。
RAGEが好きな人であれば、今作も安心の出来栄え。

ピーヴィのヴォーカルは、いつもの「RAGE印」を強く印象づけるパフォーマンス。
まぁ、上手いか下手かという問題ではなく、この声がRAGEなのです。
とはいえ、初期の無理やりハイトーンよりは随分貫祿が出てきたと思うのです。


ややドゥーミーなオープニング、ザクザクとしたリフで幕を開ける[True]
一曲目にしては地味かな‥というファーストインプレッションも束の間、サビではRAGEらしい疾走感とハーモニーを奏でます。
そして華麗なギターソロが鮮烈な印象を残します。

ライブでの手拍子、そしてサビでの「♪オーオーオー~」目に浮かびそうな[Let Them Rest in Peace]
なんだか存在感が名曲[Higher Than The Sky]的。
アルバムの2曲目というところも同じだからでしょうか。

Aメロのメランコリックなムードがたまらない[Chasing the Twilight Zone]
RAGEらしい重量感ある疾走を見せる[Tomorrow]
さらに畳みかけるように続くタイトルトラック[Wings Of Rage]では[Sent by the Devil]を彷彿させるスピード&リズム。
いい意味での怪しさとポジティブ感が入り交じる、RAGEらしいカオス感。


珍しく中盤に[Shadow Over Deadland]というインストナンバーを挟み‥

スピード感に溢れた前半から一転、[A Nameless Grave]ではヘヴィな曲調に。
[XIII][Ghosts]の時代を想起しますが、この不気味というか妖艶かつ重厚でクラシカルな世界もRAGEの魅力だと思うのです。

後半には[Higher Than The Sky]のリレコーディング‥いや、リメイクというべきか‥の[Htts 2.0]
ちょっと直線的になった印象でしょうか。
個人的にはこの曲は作品の中ではなくボーナストラック扱いでよかったかなぁ‥という感はあります。
もともと私は[Higher Than The Sky]については‥おっと、この曲の話だけで長くなってしまうのでやめておきましょう。

:
:

ということで、今回もRAGEファンにとっては安心のクオリティ。
パワーメタルもスラッシーな曲もスロゥな曲も全て「RAGE印」「これでもか!これでもか!」と刻印された、一聴しただけで彼らと分かる作品です。

ヴィクター時代のファンからすると「退化」に映るかもしれない。
オールドファンの私であっても「あぁ、あの頃のあの曲を思い出す」という場面は多い。

とはいえ、毎回新しさを織りまぜつつも揺るぎないRAGE節をこのクオリティで継続しているのはさすがとしか言いようがない。

いよいよ「円熟」の域に入ったことを思わせる作品となりました。



RAGE "True" (Official Video)











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Posted by テン at 07:38│Comments(0)R
 
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