2015年12月11日
若武者の咆哮
LOUDPARK15ではオープニングアクトを飾ってくれた彼ら。
朝の10時すぎだというのに巨大なウォールオブデスを作り出し、「オープニングアクトをクライマックスにするぜ!」というMCがハッタリではないレベルの盛り上がりを見せました。
その好印象もあって、今さらですが聞く機会が増えてます。
GYZE / FASCINATING VIOLENCE

北海道は札幌で結成された若きトリオによる、メロディックデスメタルバンドですね。
このアルバムが1st、リリースは2013年。
このバンド名の読み方、私は最初「・・ガイズ?」とかって感じでしたが、正解は「ギゼ」であります。
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日本のメタルバンドってのは、どれだけグローバルなフィールドを目指そうが、英語詩を連ねようが、拭いきれない「ニッポンらしさ」が漂う。
それが海外至上主義のメタラーに受け入れられない理由であると思う。
逆に言うと、それこそがジャパニーズメタルの魅力であり武器だと思う。
その「ニッポンらしさ」をどう評価するか、受け入れられるかでこのアルバムの評価は分かれるのではないかと思います。
冒頭に「メロディックデスメタル」とカテゴライズしましたが、とにかくそのメロディのワビサビがズバ抜けています。
それは「泣き」と呼んだり「クサい」と形容したりするわけですが、そういった要素が満載だ。
が、海外(特に欧州)の「泣き」「クサさ」とは一線を画す、いや、二線も三線も画すのだ。
どこが、ということでなはく、「日本人ならではのメロディ」が全編を覆い尽くしています。
そしてそのメロディの印象もあって、純粋なメロディックデスメタルというよりは、メロディックスピードメタルにデスヴォイスが乗っているような、とも表現できるかもしれません。
そういう意味では、デスヴォイスとはいて、幅広い間口に受け入れられそうな気がします。
・・上述した通り、いかにもニッポン然としたメロディラインが大丈夫なら、ですがね。
キャッチーでドラマティックなリフから疾走感溢れる泣きメロへ雪崩込んでいく[DESIRE]。
オープニングにふさわしい曲であり、GYZEの「ひとまずの名刺がわり」として抜群のインパクトです。
ソロパートの緊張感と高揚感も素晴らしい!
一枚目の一曲目に、そのバンドの象徴となっていくであろう曲を叩き込んできたという意味では、GALNERYUSの[STRUGGLE FOR THE FREEDOM FLAG]を思い出しました。
タイトルトラックである[FASCINATING VIOLENCE]ではクラシカルなオーケストレーションから一気に加速、ピアノの美しさとデスヴォイスのコントラストがドラマを演出します。
ピアノの音階とリズムがSKYLARKを思い出しますね。やはりクサい!
LOUDPARK15で巨大なWall of Deathとサークルピットを作り出した[FINAL REVENGE]。
オープニングのリフで大きな空洞ができて‥咆哮とともに疾走するシーンを思い出します。
中盤のガッツ溢れるコーラスも好印象。
[TRIGGER OF THE ANGER]では、メロディックデスメタルバンドらしい(?)、ブルータルな面を見せてくれます。
それでもサビからのメロディはやはり日本的。
[DAYS OF THE FUNERAL]は完全にメロディックパワーメタルですね。
こういう曲、大好きですよ。
そしてこういう曲が書けちゃうところに、「あー、同じ音楽の土壌を通過してきたんだなー」という共感を感じます。
[MIDNIGHT DARKNESS]もキャッチーな泣きメロ満載!
といった具合に、メロディックデスメタルでありながら、キャッチーな要素が満載。
普段、海外のメロディックデスメタルを聞いている人よりも、メロディックパワーメタルを聞いてる人(ワタシです)、ジャパメタが好きな人(ワタシです)がメインターゲットじゃないかと思うほどです。
見た目がちょっとヴィジュアル系っぽい風味が漂うところも、本格メロデス愛好家にとっては鼻につくかもしれませんん。
それでも、そういったフィルターを取っ払って見れば、デビュー作でここまで高いレベルの作品をリリースしてくれたのは驚きです。
小野さん加入後のGALNERYUSの記事でも何度か書いたかもしれませんが、ワタシはジャパメタは無理して海外勢の音を目指さなくても、日本独自の文化と嗜好の中で充分に勝負できると思っています。
そして、むしろそれこそが日本のバンドの最大の武器であり、得意なフィールドだと思います。
そのバランスを保ちつつ、スケールアップしていってくれれば更に魅力は増していくことでしょう。
楽しみな若武者が現れました。
GYZE - DESIRE [OFFICIAL MUSIC VIDEO]
朝の10時すぎだというのに巨大なウォールオブデスを作り出し、「オープニングアクトをクライマックスにするぜ!」というMCがハッタリではないレベルの盛り上がりを見せました。
その好印象もあって、今さらですが聞く機会が増えてます。
GYZE / FASCINATING VIOLENCE

北海道は札幌で結成された若きトリオによる、メロディックデスメタルバンドですね。
このアルバムが1st、リリースは2013年。
このバンド名の読み方、私は最初「・・ガイズ?」とかって感じでしたが、正解は「ギゼ」であります。
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日本のメタルバンドってのは、どれだけグローバルなフィールドを目指そうが、英語詩を連ねようが、拭いきれない「ニッポンらしさ」が漂う。
それが海外至上主義のメタラーに受け入れられない理由であると思う。
逆に言うと、それこそがジャパニーズメタルの魅力であり武器だと思う。
その「ニッポンらしさ」をどう評価するか、受け入れられるかでこのアルバムの評価は分かれるのではないかと思います。
冒頭に「メロディックデスメタル」とカテゴライズしましたが、とにかくそのメロディのワビサビがズバ抜けています。
それは「泣き」と呼んだり「クサい」と形容したりするわけですが、そういった要素が満載だ。
が、海外(特に欧州)の「泣き」「クサさ」とは一線を画す、いや、二線も三線も画すのだ。
どこが、ということでなはく、「日本人ならではのメロディ」が全編を覆い尽くしています。
そしてそのメロディの印象もあって、純粋なメロディックデスメタルというよりは、メロディックスピードメタルにデスヴォイスが乗っているような、とも表現できるかもしれません。
そういう意味では、デスヴォイスとはいて、幅広い間口に受け入れられそうな気がします。
・・上述した通り、いかにもニッポン然としたメロディラインが大丈夫なら、ですがね。
キャッチーでドラマティックなリフから疾走感溢れる泣きメロへ雪崩込んでいく[DESIRE]。
オープニングにふさわしい曲であり、GYZEの「ひとまずの名刺がわり」として抜群のインパクトです。
ソロパートの緊張感と高揚感も素晴らしい!
一枚目の一曲目に、そのバンドの象徴となっていくであろう曲を叩き込んできたという意味では、GALNERYUSの[STRUGGLE FOR THE FREEDOM FLAG]を思い出しました。
タイトルトラックである[FASCINATING VIOLENCE]ではクラシカルなオーケストレーションから一気に加速、ピアノの美しさとデスヴォイスのコントラストがドラマを演出します。
ピアノの音階とリズムがSKYLARKを思い出しますね。やはりクサい!
LOUDPARK15で巨大なWall of Deathとサークルピットを作り出した[FINAL REVENGE]。
オープニングのリフで大きな空洞ができて‥咆哮とともに疾走するシーンを思い出します。
中盤のガッツ溢れるコーラスも好印象。
[TRIGGER OF THE ANGER]では、メロディックデスメタルバンドらしい(?)、ブルータルな面を見せてくれます。
それでもサビからのメロディはやはり日本的。
[DAYS OF THE FUNERAL]は完全にメロディックパワーメタルですね。
こういう曲、大好きですよ。
そしてこういう曲が書けちゃうところに、「あー、同じ音楽の土壌を通過してきたんだなー」という共感を感じます。
[MIDNIGHT DARKNESS]もキャッチーな泣きメロ満載!
といった具合に、メロディックデスメタルでありながら、キャッチーな要素が満載。
普段、海外のメロディックデスメタルを聞いている人よりも、メロディックパワーメタルを聞いてる人(ワタシです)、ジャパメタが好きな人(ワタシです)がメインターゲットじゃないかと思うほどです。
見た目がちょっとヴィジュアル系っぽい風味が漂うところも、本格メロデス愛好家にとっては鼻につくかもしれませんん。
それでも、そういったフィルターを取っ払って見れば、デビュー作でここまで高いレベルの作品をリリースしてくれたのは驚きです。
小野さん加入後のGALNERYUSの記事でも何度か書いたかもしれませんが、ワタシはジャパメタは無理して海外勢の音を目指さなくても、日本独自の文化と嗜好の中で充分に勝負できると思っています。
そして、むしろそれこそが日本のバンドの最大の武器であり、得意なフィールドだと思います。
そのバランスを保ちつつ、スケールアップしていってくれれば更に魅力は増していくことでしょう。
楽しみな若武者が現れました。
GYZE - DESIRE [OFFICIAL MUSIC VIDEO]
Posted by テン at 07:16│Comments(0)
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