2015年08月06日
母なる大地よ!
ネタバンドだと笑われているかもしれない。
イロモノだと笑われているかもしれない。
それどころか、見向きもされないかもしれない。
それでもその愚直さは、見た人たちの魂を揺さぶる…と思いたい。
Phantom Excaliver [鋼鉄の誓い]

東京都立川市出身、これが1stアルバムですね。
このバンドを知ったのはtwitter上でリツイートされてきたPV、「Mother Earth」だった。
最近はジャパメタ勢の隆盛を肌で感じつつあることもあり、とりあえずクリック。
・・驚いた。
フロントマンである男の、デップリとした体型、レザーベストからむき出しの腹、Yoshikiをオマージュしたであろうあの髪形。
その彼から吐き出される、咆哮型のヴォーカル。
サビで突如現れる、ギターのヨレったハイトーンヴォーカル。(←B級メロスピファンにとっては褒め言葉です)
サウンドは完全にメロディックスピードメタルであり、ヴォーカルはデスメタルとメロスピ的ハイトーンを融和。
歌詞は感謝と感激を歌いあげる。
B級だ。B級だけど、ずっと愛してやまないB級メロスピの新しい解釈がここにはあった。
一発で惚れた。
昨年の年末の記事でも「今年一番聞いた曲」に挙げたけど、それはネタじゃない。
ホントに繰り返し繰り返し聞いた。
そしてLOUDPARK14の終焉後、けやき広場でCDを配布する、あの独特な体型&髪形の彼。
ラウパの時期って結構寒いんだよ。
それでも頑なにあのファッションでCDを配る。
そしてCDを受け取って「応援してます!」と話したあとの「ありがとうございます!」という本当に嬉しそうな彼の表情。
また惚れた。
けど、人に自信をもって勧められるか…というと、見た目も含めてちょっと躊躇する感じだった。
ヒッソリとYouTubeで楽しんでいたのですが…
まさかのメジャーデビューですよ!!
「メロディックスピードデスメタルバンド」を名乗り、ジャパニーズメタル界に殴り込みですよ!!
「すべてのものに“ありがとう”のメッセージを込めた、感動のメロディック・スピード・デス・メタル!! 」らしいですよ!!
いろんな思い入れが交錯するところですが、冷静にアルバムを聞いてみるとですね…
基本的には「Mother Earth」のイメージ通りの路線をアルバム全体で貫いています。
最初に触れた通り、どうしてもイロモノ的扱いが全面に出てしまいますが、リフや展開はけっこうテクニカル。
徹底的&意図的に「ヘヴィメタル的世界観&鋼鉄感」を押し出してるあたりは、SEX MACHINEGUNSあたりを彷彿させます。
そして語りを入れたりしつつドラマ性を築いていく手法はDragonGuardian的。
そしてその「なりきり度」は、忍者になりきろうとしているLIGHTNINGのようでもあります。
ドラマティック&ガッツに満ちた、戦いの狼煙をあげるかのようなイントロダクション「聖歌ZEUS」に続いて、MVにもなった「鋼鉄の誓い」へ。
正統派ヨーロピアンヘヴィメタルのような突進力、ヒロイックな歌詞世界。
デスヴォイスとハイトーンヴォーカルの両輪。
「MOTHER EARTH」と並んで彼らのアンセムとなっていくことでしょう。
「ヘヴィメタルを死語とは言わせねぇ!!」という叫びから導かれる「METAL HEART」。
スラッシーな刻みと疾走感、その力強さはネタ的パワーメタル一辺倒じゃないことを証明してくれます。
壮大なイントロがXの名作の序曲「PROLOGUE(WORLD ANTHEM)」を思わせる「Remember X」。
曲名からしてニヤリとしてしまうわけですが、そのXへのオマージュでしょうか。それとも彼らの前身である「PHANTOM X」への思いでしょうか。
高揚感に満ちたサビ、「リメンバー!!」「エーーックス!!!」の掛け合いはライブで盛り上がること必至。
間奏のインストパートでは、YOSHIKIを思い出すドラミングとANGRAのような美しいギターソロが印象的。
そうそう、どうしても見た目のインパクトやツインヴォーカルの存在感が際立つわけですが、アルバム内におけるインストパートの求心力は素晴らしいものがあります。
穏やか&美しいインストチューン「LIFE~俺達の旅は終わらない~」からの名曲「MOTHER EARTH」へなだれこむ様式美はアルバムに二度目のクライマックス感をもたらしてくれます。
鉄板でありながらやはりゾクゾクしますね。
「MOTHER EARTH」については最初に書いた通りですね。もう「母なる大地よヴァァァァァァー!!!」からフルスロットル。名曲です。
さらにラストに配置された「聖剣伝説 Episode Ⅰ」も素晴らしい!
「BLUE BLOOD」での「ROSE OF PAIN」のような、ドラマと終焉の心地よさを演出してくれます。
最初に聞いたときは「捨て曲なしかよ!」とコーフンしましたが、何度か聴き進めていくと、やはり曲のレベルにバラつきはあるなと感じます。
ですが、瞬間風速的破壊力とそのフックのあるメロディが、彼らの個性と相乗効果を生み出したキラーチューンの存在感は称賛に値するもの。
その破壊力ある曲が一曲だけでなくアルバム全体に置かれているのが好感度をグッと向上させています。
ヴィジュアル的にダメ…というのは、洋楽メタルファンが国産メタル(特にヴィジュアル系)に対して抱く嫌悪感の最たるものなので、それがダメな人は残念ですが仕方ないですね。
そしてヴィジュアルの次にハードルになりそうなのが、ちょっとクセのあるハイトーンヴォイス。
さらにはその歌詞世界&なりきり感。
…と、洋楽メタルを愛する人たちにオススメするにはいくつかのハードルがあることは重々承知。
それでも、このピュアな鋼鉄サウンド、一度は触れてみてほしいなと思います。
ネタ的要素は強いものの、そのテクニックと曲のクオリティはホンモノです。
DRAGONFORCEだって、最初は笑われたし叩かれた。
それでも、信じた道を歩み続けて今の地位を手に入れている。
彼らの信念がブレることはないと思うけど、このまま走り続けてほしい。
「♪俺たちは決して、負けない!」と歌っている「鋼鉄の誓い」そのままに。
Phantom Excaliver 「Mother Earth」 Official Music Video
…まぁ、ダマされたと思って一度どうぞ。
イロモノだと笑われているかもしれない。
それどころか、見向きもされないかもしれない。
それでもその愚直さは、見た人たちの魂を揺さぶる…と思いたい。
Phantom Excaliver [鋼鉄の誓い]

東京都立川市出身、これが1stアルバムですね。
このバンドを知ったのはtwitter上でリツイートされてきたPV、「Mother Earth」だった。
最近はジャパメタ勢の隆盛を肌で感じつつあることもあり、とりあえずクリック。
・・驚いた。
フロントマンである男の、デップリとした体型、レザーベストからむき出しの腹、Yoshikiをオマージュしたであろうあの髪形。
その彼から吐き出される、咆哮型のヴォーカル。
サビで突如現れる、ギターのヨレったハイトーンヴォーカル。(←B級メロスピファンにとっては褒め言葉です)
サウンドは完全にメロディックスピードメタルであり、ヴォーカルはデスメタルとメロスピ的ハイトーンを融和。
歌詞は感謝と感激を歌いあげる。
B級だ。B級だけど、ずっと愛してやまないB級メロスピの新しい解釈がここにはあった。
一発で惚れた。
昨年の年末の記事でも「今年一番聞いた曲」に挙げたけど、それはネタじゃない。
ホントに繰り返し繰り返し聞いた。
そしてLOUDPARK14の終焉後、けやき広場でCDを配布する、あの独特な体型&髪形の彼。
ラウパの時期って結構寒いんだよ。
それでも頑なにあのファッションでCDを配る。
そしてCDを受け取って「応援してます!」と話したあとの「ありがとうございます!」という本当に嬉しそうな彼の表情。
また惚れた。
けど、人に自信をもって勧められるか…というと、見た目も含めてちょっと躊躇する感じだった。
ヒッソリとYouTubeで楽しんでいたのですが…
まさかのメジャーデビューですよ!!
「メロディックスピードデスメタルバンド」を名乗り、ジャパニーズメタル界に殴り込みですよ!!
「すべてのものに“ありがとう”のメッセージを込めた、感動のメロディック・スピード・デス・メタル!! 」らしいですよ!!
いろんな思い入れが交錯するところですが、冷静にアルバムを聞いてみるとですね…
基本的には「Mother Earth」のイメージ通りの路線をアルバム全体で貫いています。
最初に触れた通り、どうしてもイロモノ的扱いが全面に出てしまいますが、リフや展開はけっこうテクニカル。
徹底的&意図的に「ヘヴィメタル的世界観&鋼鉄感」を押し出してるあたりは、SEX MACHINEGUNSあたりを彷彿させます。
そして語りを入れたりしつつドラマ性を築いていく手法はDragonGuardian的。
そしてその「なりきり度」は、忍者になりきろうとしているLIGHTNINGのようでもあります。
ドラマティック&ガッツに満ちた、戦いの狼煙をあげるかのようなイントロダクション「聖歌ZEUS」に続いて、MVにもなった「鋼鉄の誓い」へ。
正統派ヨーロピアンヘヴィメタルのような突進力、ヒロイックな歌詞世界。
デスヴォイスとハイトーンヴォーカルの両輪。
「MOTHER EARTH」と並んで彼らのアンセムとなっていくことでしょう。
「ヘヴィメタルを死語とは言わせねぇ!!」という叫びから導かれる「METAL HEART」。
スラッシーな刻みと疾走感、その力強さはネタ的パワーメタル一辺倒じゃないことを証明してくれます。
壮大なイントロがXの名作の序曲「PROLOGUE(WORLD ANTHEM)」を思わせる「Remember X」。
曲名からしてニヤリとしてしまうわけですが、そのXへのオマージュでしょうか。それとも彼らの前身である「PHANTOM X」への思いでしょうか。
高揚感に満ちたサビ、「リメンバー!!」「エーーックス!!!」の掛け合いはライブで盛り上がること必至。
間奏のインストパートでは、YOSHIKIを思い出すドラミングとANGRAのような美しいギターソロが印象的。
そうそう、どうしても見た目のインパクトやツインヴォーカルの存在感が際立つわけですが、アルバム内におけるインストパートの求心力は素晴らしいものがあります。
穏やか&美しいインストチューン「LIFE~俺達の旅は終わらない~」からの名曲「MOTHER EARTH」へなだれこむ様式美はアルバムに二度目のクライマックス感をもたらしてくれます。
鉄板でありながらやはりゾクゾクしますね。
「MOTHER EARTH」については最初に書いた通りですね。もう「母なる大地よヴァァァァァァー!!!」からフルスロットル。名曲です。
さらにラストに配置された「聖剣伝説 Episode Ⅰ」も素晴らしい!
「BLUE BLOOD」での「ROSE OF PAIN」のような、ドラマと終焉の心地よさを演出してくれます。
最初に聞いたときは「捨て曲なしかよ!」とコーフンしましたが、何度か聴き進めていくと、やはり曲のレベルにバラつきはあるなと感じます。
ですが、瞬間風速的破壊力とそのフックのあるメロディが、彼らの個性と相乗効果を生み出したキラーチューンの存在感は称賛に値するもの。
その破壊力ある曲が一曲だけでなくアルバム全体に置かれているのが好感度をグッと向上させています。
ヴィジュアル的にダメ…というのは、洋楽メタルファンが国産メタル(特にヴィジュアル系)に対して抱く嫌悪感の最たるものなので、それがダメな人は残念ですが仕方ないですね。
そしてヴィジュアルの次にハードルになりそうなのが、ちょっとクセのあるハイトーンヴォイス。
さらにはその歌詞世界&なりきり感。
…と、洋楽メタルを愛する人たちにオススメするにはいくつかのハードルがあることは重々承知。
それでも、このピュアな鋼鉄サウンド、一度は触れてみてほしいなと思います。
ネタ的要素は強いものの、そのテクニックと曲のクオリティはホンモノです。
DRAGONFORCEだって、最初は笑われたし叩かれた。
それでも、信じた道を歩み続けて今の地位を手に入れている。
彼らの信念がブレることはないと思うけど、このまま走り続けてほしい。
「♪俺たちは決して、負けない!」と歌っている「鋼鉄の誓い」そのままに。
Phantom Excaliver 「Mother Earth」 Official Music Video
…まぁ、ダマされたと思って一度どうぞ。
Posted by テン at 07:12│Comments(2)
│国産
この記事へのコメント
こんにちは!
私の言いたいことが全てここに書かれているっ・・・!
素晴らしいレビューですよ、これは。
ジャパメタ耐性が無い人には難しいでしょうけど、聴いて欲しい1枚ですね。
母なる大地よーーーーー!!
私の言いたいことが全てここに書かれているっ・・・!
素晴らしいレビューですよ、これは。
ジャパメタ耐性が無い人には難しいでしょうけど、聴いて欲しい1枚ですね。
母なる大地よーーーーー!!
Posted by 七瀬悠里 at 2015年08月13日 13:36
七瀬悠里さま
ありがとうございます!
こういうのを素直に「カッコイイ!」と思えると、なんだか得した気分になります。
見た目とかジャパメタだからとかで線引きするのはもったいないですよね。
このまま走り続けてほしいものです。
マザアーーーーーーーーーース!
ありがとうございます!
こういうのを素直に「カッコイイ!」と思えると、なんだか得した気分になります。
見た目とかジャパメタだからとかで線引きするのはもったいないですよね。
このまま走り続けてほしいものです。
マザアーーーーーーーーーース!
Posted by テン at 2015年08月25日 08:20