2015年06月26日
漲るセンス
以前からのファンは、なんとも歯痒い思いをしているのではないかと思う。
次世代ジャーマンメタルの旗手と呼ばれ、そして彼の才能を知っているからこそ。
が、彼のマイペースっぷりも知ってるし、なんとも憎めないところも歯痒いところだ。
EDGUY / SPACE POLICE

ドイツ出身。
このアルバムが11枚目だそうですよ。
私が彼らを知った[Vain Glory Opera]が1998年ですから、そこから数えても、もうすぐ20年、既に中堅どころ~ベテランと呼べるところまできましたかね。
天才、奇才、鬼才‥のトビアス・サメットを中心に、初期は典型的ジャーマンメタル道を邁進。
その手のファンの方々は「ジャーマンメタルの次世代は心配いらないな。」と左うちわだったことでしょう。
2004年の名作[Hellfire Club]で彼らの中の「ひとつの理想」ともいえる作品を提示。
が、次作[Rocket Ride]の酷すぎるジャケットの悪印象もあってなんだか迷走してる感が漂いました。
並行して活動していたTobias Sammet's Avantasia が初期EDGUY的な魅力に溢れていたこともあり「もうトビーの趣味のバンドになっちゃったかな」という諦めにも似た落胆を覚えていた方もいるのではないでしょうか。
そして今作。
ジャケット、相変わらず残念です。
[Rocket Ride]の印象もあり、なかなかすぐに手が伸びない感があります。
そして音楽性としても初期のファンからすると「やっぱりこの路線なのか‥」と思ってしまうかもしれません。
が。
慣れでしょうかね。それとも継続してきたことが実を結びつつあるんですかね。
今回のアルバムはなかなかの充実っぷり。
一曲一曲がなんだか「漲ってる」という印象を受けます。
スピード感やドラマティックなアレンジ、シンフォニックなコーラスといった「かつての魅力」は薄い。
ですが、[Rocket Ride]以降の正統派ヘヴィメタル路線が堂に入ってきた感があります。
そしてそうした充実感があるからこそ、トビアスの遊びゴコロであったり、キャッチーなコーラスが際立ってきます。
EDGUYが進化したというより、トビーが次のステージで花開いてきた、という印象です。
なんだかんだいっても、トビアスの音楽センスがバンドのキモであるなぁと痛感できます。
ザクザクとしたリフと突進力で幕をあける[Sabre & Torch]。昔のEDGUYの印象からするとモダンな感は否めず、本能的に「んんんー」と思ってしまいますが、シンガロング必至のサビで印象は一転します。
中間部のソロはまるでメタリカですね。彼らが志す方向性が現れていると思います。
[Space Police]は彼らお得意のキャッチーなミディアムナンバー。[Hellfire Club]あたりから、こういったナンバーを効果的に配置しています。
Celestyを思わせる「シャキーン!!」という効果音から、典型的&古典的ともいえるリズムのリフが心地よい[Defenders Of The Crown]。
Aメロ~Bメロの展開が実にEDGUYらしい‥というかトビアスらしい高揚感です。
[Love Tyger]はLAメタル的、北欧グラムロック的なメロディ。初期からのファンにとっては一番苦手なナンバーかもしれませんね。
しかし今となってはEDGUYの新しい魅力をアピールしてくれていると思います。
こういったナンバーにも充実感を感じます。
他にも[The Realms of Baba Yaga]のヘヴィメタルド真ん中リフがあったり、[Shadow Eaters]でのHELLOWEEN的アレンジが見え隠れしたり、と、「まったく、トビーはもう‥」とニヤニヤすること間違いなし。
9曲というコンパクトさも聞き終わったあとの爽快感に助力しています。
ワタシ自身は、HELLOWEENにしろ、TNTにしろ、「方向性が変わったからもう自分の興味から離れた」ではなく、「方向性が変わっても、内容さえ充実していれば問題ない」と思うし、そういう柔軟なスタンスでありたいと思っています。
そういう意味で、ここ数作は方向性云々ではなく内容的に「悪くない」のレベルで留まっていた彼らが、現在の方向性を踏襲した傑作をリリースしてくれた。
まだまだトビアスの才能は枯渇していないし、エネルギーに満ちている。
‥そういえば、それとは逆にAVANTASIAのアルバムが印象薄くなってきているのが皮肉というか、そういうパワーバランスというか‥。
自分の中で少し距離が離れていたバンドが、また一気に目が離せなくなりました。
ワタシと同様に「最近のEDGUYはなぁ‥」と思ってる方にこそ聞いてほしい。
ですが、初期こそ至高!! という思い入れタップリな方にとっては少しハードルが高いかもしれませんので、そのつもりで‥。
EDGUY - Sabre & Torch (OFFICIAL LYRIC VIDEO)
次世代ジャーマンメタルの旗手と呼ばれ、そして彼の才能を知っているからこそ。
が、彼のマイペースっぷりも知ってるし、なんとも憎めないところも歯痒いところだ。
EDGUY / SPACE POLICE

ドイツ出身。
このアルバムが11枚目だそうですよ。
私が彼らを知った[Vain Glory Opera]が1998年ですから、そこから数えても、もうすぐ20年、既に中堅どころ~ベテランと呼べるところまできましたかね。
天才、奇才、鬼才‥のトビアス・サメットを中心に、初期は典型的ジャーマンメタル道を邁進。
その手のファンの方々は「ジャーマンメタルの次世代は心配いらないな。」と左うちわだったことでしょう。
2004年の名作[Hellfire Club]で彼らの中の「ひとつの理想」ともいえる作品を提示。
が、次作[Rocket Ride]の酷すぎるジャケットの悪印象もあってなんだか迷走してる感が漂いました。
並行して活動していたTobias Sammet's Avantasia が初期EDGUY的な魅力に溢れていたこともあり「もうトビーの趣味のバンドになっちゃったかな」という諦めにも似た落胆を覚えていた方もいるのではないでしょうか。
そして今作。
ジャケット、相変わらず残念です。
[Rocket Ride]の印象もあり、なかなかすぐに手が伸びない感があります。
そして音楽性としても初期のファンからすると「やっぱりこの路線なのか‥」と思ってしまうかもしれません。
が。
慣れでしょうかね。それとも継続してきたことが実を結びつつあるんですかね。
今回のアルバムはなかなかの充実っぷり。
一曲一曲がなんだか「漲ってる」という印象を受けます。
スピード感やドラマティックなアレンジ、シンフォニックなコーラスといった「かつての魅力」は薄い。
ですが、[Rocket Ride]以降の正統派ヘヴィメタル路線が堂に入ってきた感があります。
そしてそうした充実感があるからこそ、トビアスの遊びゴコロであったり、キャッチーなコーラスが際立ってきます。
EDGUYが進化したというより、トビーが次のステージで花開いてきた、という印象です。
なんだかんだいっても、トビアスの音楽センスがバンドのキモであるなぁと痛感できます。
ザクザクとしたリフと突進力で幕をあける[Sabre & Torch]。昔のEDGUYの印象からするとモダンな感は否めず、本能的に「んんんー」と思ってしまいますが、シンガロング必至のサビで印象は一転します。
中間部のソロはまるでメタリカですね。彼らが志す方向性が現れていると思います。
[Space Police]は彼らお得意のキャッチーなミディアムナンバー。[Hellfire Club]あたりから、こういったナンバーを効果的に配置しています。
Celestyを思わせる「シャキーン!!」という効果音から、典型的&古典的ともいえるリズムのリフが心地よい[Defenders Of The Crown]。
Aメロ~Bメロの展開が実にEDGUYらしい‥というかトビアスらしい高揚感です。
[Love Tyger]はLAメタル的、北欧グラムロック的なメロディ。初期からのファンにとっては一番苦手なナンバーかもしれませんね。
しかし今となってはEDGUYの新しい魅力をアピールしてくれていると思います。
こういったナンバーにも充実感を感じます。
他にも[The Realms of Baba Yaga]のヘヴィメタルド真ん中リフがあったり、[Shadow Eaters]でのHELLOWEEN的アレンジが見え隠れしたり、と、「まったく、トビーはもう‥」とニヤニヤすること間違いなし。
9曲というコンパクトさも聞き終わったあとの爽快感に助力しています。
ワタシ自身は、HELLOWEENにしろ、TNTにしろ、「方向性が変わったからもう自分の興味から離れた」ではなく、「方向性が変わっても、内容さえ充実していれば問題ない」と思うし、そういう柔軟なスタンスでありたいと思っています。
そういう意味で、ここ数作は方向性云々ではなく内容的に「悪くない」のレベルで留まっていた彼らが、現在の方向性を踏襲した傑作をリリースしてくれた。
まだまだトビアスの才能は枯渇していないし、エネルギーに満ちている。
‥そういえば、それとは逆にAVANTASIAのアルバムが印象薄くなってきているのが皮肉というか、そういうパワーバランスというか‥。
自分の中で少し距離が離れていたバンドが、また一気に目が離せなくなりました。
ワタシと同様に「最近のEDGUYはなぁ‥」と思ってる方にこそ聞いてほしい。
ですが、初期こそ至高!! という思い入れタップリな方にとっては少しハードルが高いかもしれませんので、そのつもりで‥。
EDGUY - Sabre & Torch (OFFICIAL LYRIC VIDEO)
Posted by テン at 07:15│Comments(0)
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