2010年02月25日
闇の美学
東京出張の楽しみといえば美術館。
毎回、出張のタイミングに合わせて「○○展」的な催しがあるってのは、さすが大都会トーキョーだ。
今回はコレを見てきましたよ。
ボルゲーゼ美術館展 (東京都美術館)

今回、事前に開催情報をイロイロと探っていたのだが、「なんだかピンと来るのがないなー」と思ってた。
っていうのは、この「ボルゲーゼ美術館展」って名前を見ても、その美術館を知らなかったのだ。ワタシは。
そもそも絵画は好きだし、「この画家が好き」ってのはあるのだが、その「好き」の先を追求してないんだな。
だから、早い話が無知なのだ。
で、「ナニナニ」と思って概要を見たら、ラファエロだのカラヴァッジョだのボッティチェリだのという名前が並んでいるのを見て驚いたのだ。
そんなわけで「コレは行っとくか」ということに至ったのです。
さて。東京都美術館といえば、前回はフェルメール展だったと思う。
その大混雑の状況を想定していったのだが・・・まずチケット購入窓口。全く並んでない。
目玉となる作品の前の人込みも、それほどでもない。快適だ。
さ、肝心の作品たちですが・・・。
まず入り口近くに見えてくる「モザイク画」(マルチェッロ・プロヴェンツアーレ)に驚き。
並んで横目で見てるとモザイクに見えない。フツーの絵だ。
が、近づいてみると細かい細かいモザイクが組み合わせてある。その鮮やかな色彩はモザイクと思えない。必見。
で、今回の「知らなかったけど、一番の衝撃」だったのは「物乞い」(リベーラ)という作品。
暗いコントラストの中に浮かび上がる、迫ってくるような老人の姿。こういった重みのある絵、好きです。
そしてラファエロの「一角獣を抱く貴婦人」
一時期、「ラファエロが一番好きさ!」って時期があったから、思い入れは格別だ。(実は、今はそれほどでもない)
ルネッサンス期特有の豊満かつ肉感的なヴォリュームなんだけど、柔和な表情と穏やかな肌の質感が特徴的。
一角獣の毛並みの表現もフワフワとした触感が伝わってきそうです。
なんでもこの作品、以前は一角獣のあたりとかを上塗りで描きなおされていたらしく、修復後に現在の作品になったそうな。
そのあたりの背景を知ってから見ると、また楽しみが違ってきますね。
で、カラヴァッジョの「洗礼者ヨハネ」
カラヴァッジョの独特の「光と影」が好きだ。
いや、「影」っつーか「闇」だな。
そしてその重苦しい闇と反比例するように浮かび上がる人物像が妖艶なのだ。
その妖艶な描写が現実世界と空想世界の狭間を見るようで胸を打つのだ。
さ、そんなわけで意外と(っつーか、ワタシが知らなかっただけだが)見どころ多彩。
いつも書いてるけど、東京へ数日行くだけでグッタリで「コリャ住めないぞ」と思う反面、こういった展覧会が常に開催されている状況はホント羨ましいなぁ。
ちなみにこの「ボルゲーゼ美術館展」ですが、今日 2/25 の15:15からNHKで特集番組がありますよ!
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アートエンターテインメント 迷宮美術館「出張!ボルゲーゼ美術館展」
現在上野・東京都美術館にイタリアの至宝「ボルゲーゼ美術館」の作品が来日中。展覧会場から、ラファエロ、ボッティチェリ、カラヴァッジョという巨匠たちの名品
を紹介。
イタリアの至宝「ボルゲーゼ美術館展」を開催中の東京都美術館(東京・上野)からの出張版。ボルゲーゼ美術館は、17世紀に権勢を振るったボルゲーゼ枢機卿が美へ
の情熱と執念から基礎を築いた、世界でも有数の個人コレクション。ラファエロ、ボッティチェリなど巨匠たちの名品を紹介する。「伝説」では、ボルゲーゼ枢機卿が
パトロンとなったものの、殺人を犯し、破滅の人生をたどった天才画家カラヴァッジョの数奇な運命を描く。
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興味がある方は要チェック! ワタシも予約しましたよ!
毎回、出張のタイミングに合わせて「○○展」的な催しがあるってのは、さすが大都会トーキョーだ。
今回はコレを見てきましたよ。
ボルゲーゼ美術館展 (東京都美術館)
今回、事前に開催情報をイロイロと探っていたのだが、「なんだかピンと来るのがないなー」と思ってた。
っていうのは、この「ボルゲーゼ美術館展」って名前を見ても、その美術館を知らなかったのだ。ワタシは。
そもそも絵画は好きだし、「この画家が好き」ってのはあるのだが、その「好き」の先を追求してないんだな。
だから、早い話が無知なのだ。
で、「ナニナニ」と思って概要を見たら、ラファエロだのカラヴァッジョだのボッティチェリだのという名前が並んでいるのを見て驚いたのだ。
そんなわけで「コレは行っとくか」ということに至ったのです。
さて。東京都美術館といえば、前回はフェルメール展だったと思う。
その大混雑の状況を想定していったのだが・・・まずチケット購入窓口。全く並んでない。
目玉となる作品の前の人込みも、それほどでもない。快適だ。
さ、肝心の作品たちですが・・・。
まず入り口近くに見えてくる「モザイク画」(マルチェッロ・プロヴェンツアーレ)に驚き。
並んで横目で見てるとモザイクに見えない。フツーの絵だ。
が、近づいてみると細かい細かいモザイクが組み合わせてある。その鮮やかな色彩はモザイクと思えない。必見。
で、今回の「知らなかったけど、一番の衝撃」だったのは「物乞い」(リベーラ)という作品。
暗いコントラストの中に浮かび上がる、迫ってくるような老人の姿。こういった重みのある絵、好きです。
そしてラファエロの「一角獣を抱く貴婦人」
一時期、「ラファエロが一番好きさ!」って時期があったから、思い入れは格別だ。(実は、今はそれほどでもない)
ルネッサンス期特有の豊満かつ肉感的なヴォリュームなんだけど、柔和な表情と穏やかな肌の質感が特徴的。
一角獣の毛並みの表現もフワフワとした触感が伝わってきそうです。
なんでもこの作品、以前は一角獣のあたりとかを上塗りで描きなおされていたらしく、修復後に現在の作品になったそうな。
そのあたりの背景を知ってから見ると、また楽しみが違ってきますね。
で、カラヴァッジョの「洗礼者ヨハネ」
カラヴァッジョの独特の「光と影」が好きだ。
いや、「影」っつーか「闇」だな。
そしてその重苦しい闇と反比例するように浮かび上がる人物像が妖艶なのだ。
その妖艶な描写が現実世界と空想世界の狭間を見るようで胸を打つのだ。
さ、そんなわけで意外と(っつーか、ワタシが知らなかっただけだが)見どころ多彩。
いつも書いてるけど、東京へ数日行くだけでグッタリで「コリャ住めないぞ」と思う反面、こういった展覧会が常に開催されている状況はホント羨ましいなぁ。
ちなみにこの「ボルゲーゼ美術館展」ですが、今日 2/25 の15:15からNHKで特集番組がありますよ!
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アートエンターテインメント 迷宮美術館「出張!ボルゲーゼ美術館展」
現在上野・東京都美術館にイタリアの至宝「ボルゲーゼ美術館」の作品が来日中。展覧会場から、ラファエロ、ボッティチェリ、カラヴァッジョという巨匠たちの名品
を紹介。
イタリアの至宝「ボルゲーゼ美術館展」を開催中の東京都美術館(東京・上野)からの出張版。ボルゲーゼ美術館は、17世紀に権勢を振るったボルゲーゼ枢機卿が美へ
の情熱と執念から基礎を築いた、世界でも有数の個人コレクション。ラファエロ、ボッティチェリなど巨匠たちの名品を紹介する。「伝説」では、ボルゲーゼ枢機卿が
パトロンとなったものの、殺人を犯し、破滅の人生をたどった天才画家カラヴァッジョの数奇な運命を描く。
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興味がある方は要チェック! ワタシも予約しましたよ!
Posted by テン at 07:55│Comments(0)
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