2019年11月15日
ニッポン・プライド
台湾のバンド、ChthoniCが[Takasago Army]をリリースしたとき、驚愕とともに「なぜこれが日本で生まれないのか」と嫉妬した人もいたかと思います(私です)
その思い、いまこのバンドが晴らしてくれることでしょう。
GYZE [ASIAN CHAOS]

2019年リリース。このアルバムが4thアルバムになります。
ご存じの方には「なにをいまさら」と言われるかもしれませんが、「ギゼ」と読みますね。
北海道出身、日本が誇るメロディックデスメタルの若手の旗手ですね。
LOUDPARK15でオープニングアクトを飾った彼らのパフォーマンスは衝撃的でした。
朝一番からのウォールオブデスの爽快感は、LOUDPARK15の個人的ベストシーンに数えてもいいくらい。
その2015年あたりは、いわゆる北欧メロデスを踏襲した国産メロデスバンドの一つ、という位置づけでした。
が、前作[Northern Hell Song]では北海道の、北の大地の薫りを強く感じさせる個性を生み出すことに成功。
自分たちが生まれ育った土壌へのプライドが滲み出る‥いや、溢れ出ると言ったほうがいいでしょうか‥という作品となりました。
その印象的作品の次作となった今回のアルバム。
ドラムが体調不良で一時休養。
そして今までのトリオ体制からギターが一人加入。
過渡期の中でのアルバムリリースとなりました。
アルバムリリース前に公開されたMVは、凄まじいインパクトでした。
前作の北の大地の薫りから、一気に日本人のプライドを前面に押し出し、加速度的進化を遂げたように感じました。
冒頭に触れたChthoniCを思い出し、「これだよ‥私たちが日本のバンドに期待していたのはこれなんだよ!」という歓喜が全身を覆いました。
そしてそのMVで膨らんだ期待をもって対峙したこのアルバム。
期待通りです。MVで魅せた血流がアムバム全体に漲っています。
ジャケットからも、その魂が脈々と感じ伝わってきます。
日出ずる国。
八百万神。
そんな言葉が脳裏をよぎります。
雅楽(?)をモチーフにした荘厳なイントロダクション[Far Eastern Land]から、GYZEらしいアグレッションで爆走する[Asian Chaos]へ。
この[Asian Chaos]がMVになった曲。
メロデスの残虐性は残しつつも、その残虐性が逆にこのメロディの崇高さを演出しているかのようです。
オリエンタル&トライバルな空気とアグレッションの相乗効果がニッポン人の魂を揺さぶります。
続く[Eastern Spirits]は、サビの和風な歌いまわしが印象的。
スピード感はDragonForceを思わせるところすらあり、そういった意味では「メロディックデスメタル」の「メロディック」の方に力点を置いているように感じますね。
[Dragon Calling]はメロディックパワーメタル風の前半~徐々にChildren of Bodomを思わせるサビへ向かう高揚感が心地いい。
キーボードの使い方も「あぁ‥王道だよ」と感じさせてくれます。
[Japanese Elegy]は前作の流れを汲んで、さらに進化しているような曲ですね。
この曲だけでなく全編に通じて言えるのですが、緩急のつけかた‥その緩急は単なるスピードではなくで脳裏に描かれる場面展開がどんどん切り替わっていくという緩急のつけかたが素晴らしいと思うのです。
そして[1945 Hiroshima]という非常に重厚なテーマの曲で本編は締められるわけですが‥
ボーナストラック扱いの曲たちがまた素晴らしい。
[Forever Love]。そう、あのX-JAPANの名バラードがGYZE流メロデスとして生まれ変わっているのです。
X-JAPAN大好きな私ですが、実は彼らのバラードはそこまででも‥なのですが、「こんなにカッコよくなるのか!」とニヤニヤしてしまいした。
そして「やっぱりX-JAPANはスゲーわ」と再認識できました。
[Vivaldi Winter]は、メタル界隈ではある意味定番とも言えるヴィヴァルディの「冬」のアレンジ。
チョイスとしては定番でも、北海道出身の彼らが選んでいるところに意味があり、プライドを感じさせてくれますね。
もちろん曲としての求心力は言うまでもありません。
‥と、全編がジャパニーズプライド‥というか、日本語で「日本人の心」と書きたくなるほど日本への愛が満ちに満ちたアルバムとなっています。
和風なアレンジ、大幅に増えた日本語詩。
このアルバムだけがそういうコンセプトなのではなく、GYZEの生きる道として選択したのであれば、海外で通じるメロデスを志してきた彼らにとっては大きな英断ではないでしょうか。
やや狙いすぎ&あざとさを感じるシーンも無くはないですが、ここまで一気に振り切ってきたのはそのあざとさすら煙に巻くほどのスピリットを感じます。
普段あまりメロデスを聞かない私にとっての、2019年ベストアルバム候補。
日本人なら一度は触れてほしいアルバムです。
GYZE 【ASIAN CHAOS (Far Eastern Mix)】 Official MV
その思い、いまこのバンドが晴らしてくれることでしょう。
GYZE [ASIAN CHAOS]

2019年リリース。このアルバムが4thアルバムになります。
ご存じの方には「なにをいまさら」と言われるかもしれませんが、「ギゼ」と読みますね。
北海道出身、日本が誇るメロディックデスメタルの若手の旗手ですね。
LOUDPARK15でオープニングアクトを飾った彼らのパフォーマンスは衝撃的でした。
朝一番からのウォールオブデスの爽快感は、LOUDPARK15の個人的ベストシーンに数えてもいいくらい。
その2015年あたりは、いわゆる北欧メロデスを踏襲した国産メロデスバンドの一つ、という位置づけでした。
が、前作[Northern Hell Song]では北海道の、北の大地の薫りを強く感じさせる個性を生み出すことに成功。
自分たちが生まれ育った土壌へのプライドが滲み出る‥いや、溢れ出ると言ったほうがいいでしょうか‥という作品となりました。
その印象的作品の次作となった今回のアルバム。
ドラムが体調不良で一時休養。
そして今までのトリオ体制からギターが一人加入。
過渡期の中でのアルバムリリースとなりました。
アルバムリリース前に公開されたMVは、凄まじいインパクトでした。
前作の北の大地の薫りから、一気に日本人のプライドを前面に押し出し、加速度的進化を遂げたように感じました。
冒頭に触れたChthoniCを思い出し、「これだよ‥私たちが日本のバンドに期待していたのはこれなんだよ!」という歓喜が全身を覆いました。
そしてそのMVで膨らんだ期待をもって対峙したこのアルバム。
期待通りです。MVで魅せた血流がアムバム全体に漲っています。
ジャケットからも、その魂が脈々と感じ伝わってきます。
日出ずる国。
八百万神。
そんな言葉が脳裏をよぎります。
雅楽(?)をモチーフにした荘厳なイントロダクション[Far Eastern Land]から、GYZEらしいアグレッションで爆走する[Asian Chaos]へ。
この[Asian Chaos]がMVになった曲。
メロデスの残虐性は残しつつも、その残虐性が逆にこのメロディの崇高さを演出しているかのようです。
オリエンタル&トライバルな空気とアグレッションの相乗効果がニッポン人の魂を揺さぶります。
続く[Eastern Spirits]は、サビの和風な歌いまわしが印象的。
スピード感はDragonForceを思わせるところすらあり、そういった意味では「メロディックデスメタル」の「メロディック」の方に力点を置いているように感じますね。
[Dragon Calling]はメロディックパワーメタル風の前半~徐々にChildren of Bodomを思わせるサビへ向かう高揚感が心地いい。
キーボードの使い方も「あぁ‥王道だよ」と感じさせてくれます。
[Japanese Elegy]は前作の流れを汲んで、さらに進化しているような曲ですね。
この曲だけでなく全編に通じて言えるのですが、緩急のつけかた‥その緩急は単なるスピードではなくで脳裏に描かれる場面展開がどんどん切り替わっていくという緩急のつけかたが素晴らしいと思うのです。
そして[1945 Hiroshima]という非常に重厚なテーマの曲で本編は締められるわけですが‥
ボーナストラック扱いの曲たちがまた素晴らしい。
[Forever Love]。そう、あのX-JAPANの名バラードがGYZE流メロデスとして生まれ変わっているのです。
X-JAPAN大好きな私ですが、実は彼らのバラードはそこまででも‥なのですが、「こんなにカッコよくなるのか!」とニヤニヤしてしまいした。
そして「やっぱりX-JAPANはスゲーわ」と再認識できました。
[Vivaldi Winter]は、メタル界隈ではある意味定番とも言えるヴィヴァルディの「冬」のアレンジ。
チョイスとしては定番でも、北海道出身の彼らが選んでいるところに意味があり、プライドを感じさせてくれますね。
もちろん曲としての求心力は言うまでもありません。
‥と、全編がジャパニーズプライド‥というか、日本語で「日本人の心」と書きたくなるほど日本への愛が満ちに満ちたアルバムとなっています。
和風なアレンジ、大幅に増えた日本語詩。
このアルバムだけがそういうコンセプトなのではなく、GYZEの生きる道として選択したのであれば、海外で通じるメロデスを志してきた彼らにとっては大きな英断ではないでしょうか。
やや狙いすぎ&あざとさを感じるシーンも無くはないですが、ここまで一気に振り切ってきたのはそのあざとさすら煙に巻くほどのスピリットを感じます。
普段あまりメロデスを聞かない私にとっての、2019年ベストアルバム候補。
日本人なら一度は触れてほしいアルバムです。
GYZE 【ASIAN CHAOS (Far Eastern Mix)】 Official MV
Posted by テン at 08:25│Comments(0)
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