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2009年11月04日

鍵、指輪、ハロウィン

あんまりニッポンジンとは関係なさそうなのに「はろうぃん!はろうぃん!」と、なんだか違和感のある喧騒の中、ハロウィンも終わり・・・。

「ハロウィン」というキーワードで、このバンドを取り上げる安直さもどうかと思いますが、ま、いいでしょう。分かりやすいし。
昨年もこのバンドのこと書いたから恒例行事にしちゃおっかなー。
楽だし。

ってことで(?)、まだ書いてないアルバムから、コレをチョイス。

Helloween [Master Of The Rings]

鍵、指輪、ハロウィン

物語は「鍵」 (Keeper of the Seven Keys) から「指輪」へ。
過去の名作と韻を踏んだタイトルにはハッキリとした新生HELLOWEENの意志が見えてきます。

カイ・ハンセンの脱退から数年。
今度はマイケル・キスクインゴ・シュヴィヒテンバーグが脱退。

そして、新たに加入したのがPinkCream 69アンディ・デリスである。

当時のPinkCream69を知っていた人なら「あの声が!HELLOWEENに!!ムリムリ!!」という不安。
さらにPinkCream69のファンなら「アンディを抜いていくなよ~!どーすんだよ~!」という不安。
そりゃーもー、全てが不安だらけさ!
崩壊まっしぐら!
・・・だと思ってた。

まぁ、マイケル・キスクの後釜じゃ誰だってキツいわなぁ。
HELLOWEENもPINKCREAM69も好きだったワタシにとって、どうやって贔屓目に見ても双方にとってメリットが無いように思っていた。

が、その不安はいい意味で裏切られた。

元々の不安はHELLOWEENの音楽性にアンディがフィットするのかという一点が重要だった。
この時点でワタシの中でのアンディは「HELLOWEENに雇われたアンディ・デリス」的な位置づけだったように思う。

が、アンディのメロディセンスはHELLOWEENの音楽性をさりげなく包容し、ワタシの中では「コレは・・・アンディ with HELLOWEEN だな。」といった具合にアンディ・デリス中心のバンドに変わったかのような錯覚を覚えた。

元々、HELLOWEENのヴァイキー、PC69のアンディともにメロディメーカーとしての才は突出していた。
が、とても融合できるようなイメージではなかった。

それが意外な化学反応を見せた。

初期HELLOWEENこそがHELLOWEEN!というオールドファンにとっては耐え難いアルバムかもしれない。

かくいうワタシもHELLOWEENでHeavyMetalに目覚め、最も尊敬するアーティストは「カイ・ハンセン!」って言っちゃうヒトだから、思い入れは別格だ。
だけど。
ワタシは「死に体だったHELLOWEENが新たな一歩を踏み出した!」とプラスに捉えることができました。
ま、元々PinkCream69の音楽性が好きだったからってのも大きな要因だけどね。

ヴァイキーの手による[Sole Survivor][Where The Rain Grows]といった名曲も、HELLOWEENであることを主張しながらも「新しい血」の参入によって今までとは全く異なる息吹を感じます。
そして、まさに「アンディ節」といった趣の[Perfect Gentleman][Why?]もPinkCream69のファンにはウレシイ。
このあたりが違和感なく交錯しているところが素晴らしい。

既にカイ時代/キスケ時代が「昔話」であるかのようにアンディの叙情性が溶け込んだHELLOWEEN
アンディが抜け一時迷走したものの、その叙情性を失ったことをプラスに作用させて欧州正統派路線へシフトしたPinkCream69
さらにはHELLOWEENが「横」方向へ裾野を広げているのに対し、ひたすら自分の音楽性を「縦」方向へ突き進むカイのGAMMA RAY

今になってみれば「これはこれで必然だったのか」と思えるのだ。
・・・ただ唯一、マイケル・キスクが表舞台から退いていることだけは残念だけど。


Helloween - Where The Rain Grows




Helloween - Perfect Gentleman


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Posted by テン at 07:32│Comments(7)H
この記事へのコメント
あいかわらずすばらしい解説ですね!
勉強になります^^
HELLOWEENといえば仮装する行事ではなく、ドイツをイメージする自分はメタル寄りですw
Posted by 黒幕 at 2009年11月04日 10:44
常に同感させられるコメント恐れ入りながら、笑いながら読ませていただいてます。
さて、ハロウィンはやっぱりアンディ・デリスだと少し物足りないですね。もう少し重み厚みが欲しいです。後ひとつ味付けが足りないような・・・。やはり私にとってのハロウィンは昔のハロウィンです。
Posted by ブランカ at 2009年11月04日 20:33
黒幕さま

いやいやいやいや、いつも単なる自己満足の世界でスイマセン。
ハロウィンと聞いて「ん?ドイツの?」って返事があると感激です!・・・が、未だに一度もそんな場面はありませぬ。


ブランカさま

コメントありがとうございます!
おっしゃること、よーーーーく分かります。ワタシもHELOWEENファン的視点で見たらそうですもんね。
確かに何か足りない・・・そう、シリアスなソリッド感かな。ちょっと柔らかいんですよね、アンディだと。
アンディはヘヴィな曲でもポップな色彩に、逆にポップな曲は哀愁を帯びた曲調に、良くも悪くも中和してしまうんですよね。
このあたりが初期HELLOWEENファンから否定されてしまうところでしょうか。
ワタシはアンディ・デリスのメロディも好きなので許せますけどね。
Posted by テン at 2009年11月05日 07:14
私全く後追いで、実は最初に聴いたハロウィンは、Sole Survivorだんったんですよ。
当時キャプテンの番組でヘヴィローテーションしてて。
初めて聴いたSole Survivorのイントロが衝撃で、かなり繰り返して聴いていました。
その後keeper~を聴いて、その頃の曲も大好きになって・・・
time of the oathもよく聴いていました。
それ以降はきいていないけど、アンディも悪くないかな。
Posted by 狸於(りお) at 2009年11月08日 23:08
狸於さま

そうでしたか!
Sole Survivor、当時ワタシも衝撃的でしたもんね。
復活という意味ではANGRAのREBIRTHと似たような感覚でしょうか。
アンディ's HELLOWEENが最初の入口なら、それほど違和感ないかもしれませんね。
アンディ加入後のライブがキスケ時代と比べて「酷ぇ!」だったので、しばらく納得できませんでしたが、それを補って余りあるアルバムが続いたので、コレはコレで良かったのではないかと。
その後のアルバムもいい曲多いので、機会があれば、そして迷惑でなければワタシ作の「アンディ加入後お好みCD」をお渡ししますよ!
Posted by テン at 2009年11月09日 07:25
テンさんに音源戴いてばかりで、いつもほんと申し訳ありません・・・!
私もテンさんにお勧めを差し上げたいけど、テンさんは私の聴くものは
既に網羅されてるから、なかなかないんですよね(^^;
また宜しかったら聴かせてくださいませ。
Posted by 狸於(りお) at 2009年11月12日 23:30
狸於さま

いやいやいやいや、前にもお話したかと思いますが、「コレ、聞いてみて!」ってオススメするのはとてもキンチョーするのです。
押し売りになるとイヤなので・・・。
興味があるものであれば、いくらでも言ってくださいな。
狸於さん、ワタシより幅広く聞いてると思いますよ。ワタシはプログレ系とかは弱いので、オススメがあれば是非!
Helloweenは、またお会いする機会があればでもいいですし、メール頂ければすぐにお渡しできますよ。
Posted by テン at 2009年11月13日 07:23
 
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