2016年03月29日
映し出された「今」
名作に「続編」のようなナンバリングをすることはリスキーだなと思う。
その作品に思い入れがあるファンにとっては尚更。
最低でもそのライン、できればその上、その作品を下回るようだとその名作への侮辱にすら感じることもあるくらいだ。
(個人的思い入れにもよるかと思いますが)
SONATA ARCTICA / ECLIPTICA (REVISITED)

フィンランド出身、今となっては中堅どころとなったメロディックパワーメタルバンドですね。
‥といっても、彼ら自身は他のバンドとの十把一絡げを嫌ってか「メロスピじゃないから」と路線変更していますが。
彼らの1stアルバムは衝撃だった。
リリースは1999年。‥もう15年以上経ったのか。
いい意味での青臭さ。
トニー・カッコの適度に不安定なハイトーン。
まさに美旋律を「撒き散らす」といった勢いで走り抜ける疾走感。
B級メロディックスピードメタルの超新星現る、という驚きがあった。
そう、まさに「超新星」という言葉がピッタリだった。
その衝撃は、STRATOVARIUSの登場時を凌駕していた。
キラキラとした煌きは、その青臭さとの相乗効果で更なる儚さを生み出していた。
その儚さ、そして叩けば壊れるような繊細さ。
未熟が故に生まれたそのギリギリの美しさが緊張感を生み出していた。
今でも「SONATA ARCTICAといえば1st」という人は多いんじゃないかと思う。
その魅力がデビューアルバム[ECLIPTICA]には最初から最後まで貫かれていた。
時は流れ‥
アルバムとしては8枚。
年数としては15年。
その時を経て、その名作をリレコーディングするという。
冒頭にも触れた通り、非常にリスキーな選択だと思う。その「象徴」とも言えるアルバムを自ら焼き直すというのは。
個人的には、メロディックスピードメタルから離れていた彼らなりの「また戻ってくるからね」というメッセージとして受け取りたい。
が、このアルバムの完全再現ツアーをしたりすると「集金目的」というキーワードが脳裏をよぎらなくもない。
当然、彼ら自身は大きな存在になった。
ライブでも「貫祿が出てきたなー」と思わせてくれている。(セットリストはイマイチだが)
その成長した彼らが見せてくれた、自らの原点の再提示は‥
オープニングの[BLANK FILE]。
♪ダカダカダカダカダカダカダッ ジャージャッ
という力強いドラミングからのリフ。
このリフ1音だけでガッカリするファン、多いのではないでしょうか。
リフの音が下げられているのだ。
この1音、時間にして1秒ほどで「あー、もうこのアルバムの全貌が見えたよ‥」と思わせます。
実際、このリフから導かれて歌い始めるトニー・カッコは当時の青臭い姿ではなく、落ち着きと貫祿の声。
が、「‥違うんだよ」と切なさが漂います。
名曲[8TH COMMANDMENT]の強靱なリフと美しいキーボードの競演は当時の面影のままスケールアップした感があります。
この曲ではキーも原曲に近いこともあり、素直に「やっぱりカッコイイなー」と思わせてくれます。
「ラナウェイラナウェイラナウェイ」というコーラスがこのアルバムの象徴とも言える[FULLMOON]。
やはりサビでの「落ち着いてる感」が気になるところ。
これも名曲[UNOPENED]ですが、これまたやや違和感のあるキー加減。
そして個人的至高の名曲[DESTRUCTION PREVENTER]。
(やけに「名曲」いう言葉が乱舞してますが、ホントにそれだけの名曲揃いなのだ)
これも[BLANKFILE]と同様の違和感のあるスタート、その違和感を孕んだまま駆け抜けていきます。
一つの見せ場である「♪In The Center Of All Mankind~(オーマンカーーーーーイイン!!)」の叫びも控えめ。
「♪Your End Is At Hand, If They Blow~」 ジャジャジャジャージャジャジャッジャッジャッ 「フッッ!!!」の叫びもナシ。
さらには「♪オーオオオー」のシンガロングの元気のなさ。
‥と、こういった書き方をするといいところが無いように見えてしまいますが‥
改めて曲のクオリティの高さを再認識することはできます。
もし、SONATA ARCTICAを聞いたことがない方が聞くなら、こちらのほうがクセは少ないかもしれません。
そういう意味ではかなりマイルドな仕上がりとなっている、と言えるのではないでしょうか。
そして、悪い意味では「まるでカバーアルバムのよう」という現実離れした感触です。
が、逆に捉えれば現地味がなさすぎて「あの名作とは別物」と割り切ることができます。
酸味と爽やかさのスパークリングワインが、酸味も落ち着き、味もまろやかになったような。
(悪く言えば、「気が抜けた」ような)
ヤンチャしてた学生が留年しちゃって落ち着いちゃって居場所がなくなったような。
そんなアルバムです。
彼らの「今」を映し出すという意味では、一度触れておいてもいいかもしれません。
‥が、やっぱり1stは素晴らしかった。改めてそう思います。
Sonata Arctica - Destruction Preventer (もちろんオリジナルバージョン)
その作品に思い入れがあるファンにとっては尚更。
最低でもそのライン、できればその上、その作品を下回るようだとその名作への侮辱にすら感じることもあるくらいだ。
(個人的思い入れにもよるかと思いますが)
SONATA ARCTICA / ECLIPTICA (REVISITED)

フィンランド出身、今となっては中堅どころとなったメロディックパワーメタルバンドですね。
‥といっても、彼ら自身は他のバンドとの十把一絡げを嫌ってか「メロスピじゃないから」と路線変更していますが。
彼らの1stアルバムは衝撃だった。
リリースは1999年。‥もう15年以上経ったのか。
いい意味での青臭さ。
トニー・カッコの適度に不安定なハイトーン。
まさに美旋律を「撒き散らす」といった勢いで走り抜ける疾走感。
B級メロディックスピードメタルの超新星現る、という驚きがあった。
そう、まさに「超新星」という言葉がピッタリだった。
その衝撃は、STRATOVARIUSの登場時を凌駕していた。
キラキラとした煌きは、その青臭さとの相乗効果で更なる儚さを生み出していた。
その儚さ、そして叩けば壊れるような繊細さ。
未熟が故に生まれたそのギリギリの美しさが緊張感を生み出していた。
今でも「SONATA ARCTICAといえば1st」という人は多いんじゃないかと思う。
その魅力がデビューアルバム[ECLIPTICA]には最初から最後まで貫かれていた。
時は流れ‥
アルバムとしては8枚。
年数としては15年。
その時を経て、その名作をリレコーディングするという。
冒頭にも触れた通り、非常にリスキーな選択だと思う。その「象徴」とも言えるアルバムを自ら焼き直すというのは。
個人的には、メロディックスピードメタルから離れていた彼らなりの「また戻ってくるからね」というメッセージとして受け取りたい。
が、このアルバムの完全再現ツアーをしたりすると「集金目的」というキーワードが脳裏をよぎらなくもない。
当然、彼ら自身は大きな存在になった。
ライブでも「貫祿が出てきたなー」と思わせてくれている。(セットリストはイマイチだが)
その成長した彼らが見せてくれた、自らの原点の再提示は‥
オープニングの[BLANK FILE]。
♪ダカダカダカダカダカダカダッ ジャージャッ
という力強いドラミングからのリフ。
このリフ1音だけでガッカリするファン、多いのではないでしょうか。
リフの音が下げられているのだ。
この1音、時間にして1秒ほどで「あー、もうこのアルバムの全貌が見えたよ‥」と思わせます。
実際、このリフから導かれて歌い始めるトニー・カッコは当時の青臭い姿ではなく、落ち着きと貫祿の声。
が、「‥違うんだよ」と切なさが漂います。
名曲[8TH COMMANDMENT]の強靱なリフと美しいキーボードの競演は当時の面影のままスケールアップした感があります。
この曲ではキーも原曲に近いこともあり、素直に「やっぱりカッコイイなー」と思わせてくれます。
「ラナウェイラナウェイラナウェイ」というコーラスがこのアルバムの象徴とも言える[FULLMOON]。
やはりサビでの「落ち着いてる感」が気になるところ。
これも名曲[UNOPENED]ですが、これまたやや違和感のあるキー加減。
そして個人的至高の名曲[DESTRUCTION PREVENTER]。
(やけに「名曲」いう言葉が乱舞してますが、ホントにそれだけの名曲揃いなのだ)
これも[BLANKFILE]と同様の違和感のあるスタート、その違和感を孕んだまま駆け抜けていきます。
一つの見せ場である「♪In The Center Of All Mankind~(オーマンカーーーーーイイン!!)」の叫びも控えめ。
「♪Your End Is At Hand, If They Blow~」 ジャジャジャジャージャジャジャッジャッジャッ 「フッッ!!!」の叫びもナシ。
さらには「♪オーオオオー」のシンガロングの元気のなさ。
‥と、こういった書き方をするといいところが無いように見えてしまいますが‥
改めて曲のクオリティの高さを再認識することはできます。
もし、SONATA ARCTICAを聞いたことがない方が聞くなら、こちらのほうがクセは少ないかもしれません。
そういう意味ではかなりマイルドな仕上がりとなっている、と言えるのではないでしょうか。
そして、悪い意味では「まるでカバーアルバムのよう」という現実離れした感触です。
が、逆に捉えれば現地味がなさすぎて「あの名作とは別物」と割り切ることができます。
酸味と爽やかさのスパークリングワインが、酸味も落ち着き、味もまろやかになったような。
(悪く言えば、「気が抜けた」ような)
ヤンチャしてた学生が留年しちゃって落ち着いちゃって居場所がなくなったような。
そんなアルバムです。
彼らの「今」を映し出すという意味では、一度触れておいてもいいかもしれません。
‥が、やっぱり1stは素晴らしかった。改めてそう思います。
Sonata Arctica - Destruction Preventer (もちろんオリジナルバージョン)
Posted by テン at 07:13│Comments(0)
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