ヘビメタパパの書斎 › 2014年12月24日

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2014年12月24日

進化の途中

大きな節目を経て、もう数年が経ちますね。
期待通りの方向性へ向かってくれている嬉しさ、そして前作で圧倒的名曲を産んでしまったことによる反動、その両面が気になる新作は・・・

GALNERYUS [VETELGYUS]




ジャパニーズメタル史に残るであろう珠玉の名曲[ANGEL OF SALVATION]を擁した前作から2年。
これが9枚目になりますかね。

6枚目から小野正利が加入したことを思うと、もうすぐバンドとしては前任YAMA-Bと同じ枚数に達するわけですね。
・・早いものだ。

過去にも素晴らしい名曲を生み出し、「もうこれが最高傑作だろ!」というハードルを自らどんどん乗り越えてきた彼ら。
が、[ANGEL OF SALVATION]はホントに素晴らしすぎた。
だから、「いやいや、これはさすがに越えられないだろ。もう充分だし」といった感覚すら漂いました。

そしてリリースされた新作。
そういう意味では、過度な期待をすることなく「ま、新たなスタートってことで」という思いで向かうことができましたよ。

が。

今作も素晴らしいです。

オープニングインストゥルメンタル[REDSTAR RISING]からの[ENDLESS STORY]は、小野正利が加入してからのGALNERYUSに期待するものが100%詰め込まれていますね。
心地よい疾走感と天駆けるような高揚感に満ちたサビ。
そしてさらに相乗効果を生むSyuのギター、小野さんの強烈なハイトーンヴォイス。

が、フと「何か引っかかる感」が脳裏をよぎるのです。
なんなんだろうなーと思って何度か聞いたのですが・・たぶんその違和感は歌詞。
いかにもJ-POP然とした歌詞に「ん?」という違和感。
この「J-POP然とした違和感」ですが、歌詞に限ったことではなくアルバムのところどこで見え隠れします。
というか、むしろ隠れてないですね。

そして何度かアルバムを聞いて思ったのです。

小野さんが加入して、キャッチーな方向性、日本語詩という方向性に重きを置いてシフトしていったわけですが、いよいよ本格的にその路線が明確になったな、と。
「ガルネリウス、開き直ったな。」と。

元々、YAMA-B時代のザラついたアンダーグラウンド臭を纏った路線のファンは、小野さんが加入した最初のアルバムが受け入れられるかが最初のポイントだったかなと思います。
そこで、その声だけで「メジャー感」が溢れている小野さんの声を受け入れられない人もいたんじゃないかなと思います。
・・そもそも日本語詩を取り入れたYAMA-B時代後半で離れてしまった人もいたかもしれませんが。

その最初のポイントを受け入れ、それでもGALNERYUSを聴き続けていた人にとって、今回のアルバムは次のポイントになるような気がします。
特に「洋楽至上主義」感の強いメタルファンにとっては「あー、なんか違うところにいっちゃったな」と思う人も多いかもしれません。

そういう意味では、HELLOWEENアンディ・デリスが加入し、音楽的にも変化を遂げ、ファン層がガラリと変わっていた様子を思い出します。
マイケル・キスク時代こそがHELLOWEENで、それ以降はポップすぎると思う人。
アンディ・デリス時代こそがHELLOWEENで、その前は古くさいと思う人。
そして両方が好きな人。(ワタシはコレ)

GALNERYUSについても、同じようなことが言えるところまで来たなと思います。

前にも書いたかもしれないけど、ワタシはバンドメンバーが変わろうが音楽性が変わろうが、それによって「このバンドはずっと応援するからオッケー」「もう昔の音じゃなくなったからキライ」という感覚は持たない。
「今のバンドが作り出してくれる音が自分にフィットするかどうか」に尽きる。

で、今回のGALNERYUSについてですが・・ワタシは大好きですよ。
以前から「小野さんが加入した以上は、ミュージックステーションに出られるくらいメジャーでJ-POP寄りのジャパメタをやってほしいし、むしろそれが小野さんに似合う」と書いていたくらいですから。

上述したJ-POP感漂う違和感も全く問題ありません。

ただ今回のアルバム、全体で見ると、ちょっと曲にバラつきがあるかな、とは思います。
そのバラつきも「バラエティに富んでいる」と言い換えることもできるわけですが・・。
個人的には「好きな曲と、それほどでもない曲」がハッキリしてるアルバムかなと感じます。

先程触れた[ENDLESS STORY]は文句ナシ。
新たな方向性と典型的なガルネリ節がフィットした、「今のGALNERYUS」を明確に体現してくれた名曲となりました。
先程「違和感」と書きましたが、あくまで過去と比較しての違和感だけだから、この歌詞も大好きです。
[THE JUDGEMENT DAY]も、小野さん加入後の典型的なスピードチューン路線の名曲。
[TEAR OFF YOUR CHAIN]あたりに近い印象でしょうかね。
中盤に配置してるのも絶妙です。
そして、ある意味ではこのアルバムの象徴となるかもしれない[SECRET LOVE]
メロディラインは昭和歌謡のような印象さえ残します。
実質ラストと言ってもいい[I WISH]も、スピード感とキャッチーさが同居した佳曲ですね。


ということで、バンド史&ジャパメタ史に残るであろう名曲を経ての新作は、今後のベクトルを如実に示したものになったのではないでしょうか。
個人的にお気に入りといえる曲が全て日本語詩、というところも、現在のガルネリウスの方向性を表しているように思います。

初期のファンは、ちょっと離れてしまうかもしれない。
けど、その不安と同じくらい、新たなファンを掴んでくれるであろう期待もある。
そんな両方の可能性を秘めたアルバムになったなと思います。

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Wikiによると、「ベテルギウス」赤色超巨星であり、「変光星」らしい。
さらには「進化段階」らしい。
なんともふさわしいタイトルであるなぁと感嘆 します。


GALNERYUS Endless Story


  

Posted by テン at 07:34Comments(0)G