2021年07月12日
南瓜の刻印
大好きなバンドだからこそ、さまざまな葛藤の中で迎えたアルバムとなりました。
HELLOWEEN [HELLOWEEN]
ヘヴィメタル界隈では説明不要のバンドですよね。
このバンドがヘヴィメタルにのめりこむキッカケだったという人も多いことでしょう。
私も同様です。
2021年リリース。Wikiによるとアルバムとしては16枚目。
バンド名をそのままアルバムに冠するという気合いを感じます。
カイ・ハンセン、マイケル・キスクという過去のシンガーを呼び戻しての奇跡の「Pumpkins United Tour」も記憶に新しいところ。
この「Pumpkins United Tour」メンバーでアルバムを作るという話はあったものの、まさか「HELLOWEEN」名義になるとは‥という話は、先日先行リリースされたシングルのときにも書きましたね。
私にとってのハロウィンはもちろんマイケル・キスクだった。
そして私にとってのヘヴィメタルはカイ・ハンセンだった。
その敬愛する二人が戻ってきてくれたことは諸手を挙げて喜ぶべきところなのかもしれない。
けど。
今のハロウィン、そしてアンディ・デリスも大好きだからこそ、簡単に「過去」と融合して「今」だと言ってほしくないという思いが強い。
過去のいざこざを踏まえての「Pumpkins United Tour」では、どうしても「カネ」「オトナの事情」という邪念が消せなかった。
いや、カネやオトナの事情ではなく「時間」が生み出した奇跡だったのかもしれない。
一夜の夢なら事情はどうでもいいと思っていた。
けど、これが続くとなると話は別だ。
そんな思いを抱えて迎えた今作。
結論から言えば、文句無し。素晴らしいアルバムになりました。
間違いなく2021年ヘヴィメタル界のベストの候補になることでしょう。
上述の通り、三人のシンガーが集ったことも大きいけど、なによりも稀有なメロディーメーカーが「ハロウィンであること」を標榜して作り上げたという点が見事に結実しています。
重々しい空気から放たれるように切り込むリフ&メロディ。タイトル通りの展開で完全に耳を奪う[OUT FOR THE GLORY]。
ヴァイキーのペンによるこのオープニングチューンで掴みはOK。
朗らかに歌いあげるキスケの声との相乗効果はハロウィンの強靱な武器であることを改めて叩きつけられます。
カイファンとしては、途中にちょっぴり挟まれるカイのシャウト(?)も嬉しい。
先行リリースされていた[FEAR OF THE FALLEN]はアンディによる曲。
穏やかに語りかけるようなアンディの声、アンディのキャッチーなメロディセンスを「ハロウィンらしさ」に寄せてくる作曲スタイルは、アンディが加入後したことでハロウィンを甦った要因のひとつ。
三人が「♪Listen~ (Listen~) (Listen~)」とハーモーニーを奏でるパートはアルバムのハイライトのひとつと言えるでしょう。
サシャとアンディによる[BEST TIME]は名曲[I CAN]あたりのムードを感じさせます。
ちょっとポップな色彩のあるこういった曲を歌うときのキスケも魅力的なのだ。
[Rise Without Chains]もアンディの曲ですが、雰囲気は[Pink Bubbles Go Ape]アルバムあたりの薫り。
アンディとキスケの競演が際立つ曲になっています。
[The Dark Ride]の名曲[All Over the Nations]や[Salvation]を思わせる[Robot King]はもちろんヴァイキーの手によるもの。
いかにも「ジャーマンメタル」然としたスタイル、ややシリアスなメロディからスペイシーな空間へ羽ばたくかのようなサビ。
これもヴァイキーの得意とする、そして「らしさ」がプンプン漂う。
この「らしさ」を意図的に、厭味なく織り込めるところがすごい。
ラストを飾るのが我等がカイによる[SKYFALL]。
この曲については以前のブログで書いたので多くは語りませんが、やはりアルバムの中で配置されてみるとその存在感はより大きい。
そしてその意味も大きい(と思う)。
カイのメロディとキスケのシンガロングという組み合わせは、今まで何度も私たちにシアワセな時間を与えてくれた。
そのコンビネーションは時間が経っても魅力は輝き続けている。
そこにアンディが加わって‥というのは、ハロウィンのどの時代も大好きだった私にとっては贅沢すぎる。
過去のメンバーが加入したからといって過去の音楽に戻ったわけではない。
だからといって奇をてらった新しさを狙っているわけでもない。
じゃ、最近のハロウィンかというとそうでもない。
なんだけど、どこを切り取ってもハロウィン印が刻印されている。
刻印されまくっている。
新しくもなく古くもない。
なんだけど、新しさも過去の魅力も溢れている。
アンディ加入後のファンが聞いても「間違いなくハロウィン」。
アンディ加入後に聞かなくなったファンが聞いても「間違いなくハロウィン」。
このバランス感覚が、このアルバムの奇跡だと思うのです。
この感覚はヴァイキーのセンスによるところが大きいと思いますが、なんといっても功労者はアンディ・デリスだろうなと思います。
誰が聞いてもハッピーになれる。
誰が聞いても気持ちが昂る。
「一夜の夢」は、夢が終わってもこんなに素晴らしい続きを用意いてくれていた。
個人的にはまだ複雑な思いは残しつつ、これだけのアルバムを作られたら反論の余地なんてなにもない。
ありがとうハロウィン。
HELLOWEEN - Fear Of The Fallen (Official Lyric Video)
HELLOWEEN [HELLOWEEN]
ヘヴィメタル界隈では説明不要のバンドですよね。
このバンドがヘヴィメタルにのめりこむキッカケだったという人も多いことでしょう。
私も同様です。
2021年リリース。Wikiによるとアルバムとしては16枚目。
バンド名をそのままアルバムに冠するという気合いを感じます。
カイ・ハンセン、マイケル・キスクという過去のシンガーを呼び戻しての奇跡の「Pumpkins United Tour」も記憶に新しいところ。
この「Pumpkins United Tour」メンバーでアルバムを作るという話はあったものの、まさか「HELLOWEEN」名義になるとは‥という話は、先日先行リリースされたシングルのときにも書きましたね。
私にとってのハロウィンはもちろんマイケル・キスクだった。
そして私にとってのヘヴィメタルはカイ・ハンセンだった。
その敬愛する二人が戻ってきてくれたことは諸手を挙げて喜ぶべきところなのかもしれない。
けど。
今のハロウィン、そしてアンディ・デリスも大好きだからこそ、簡単に「過去」と融合して「今」だと言ってほしくないという思いが強い。
過去のいざこざを踏まえての「Pumpkins United Tour」では、どうしても「カネ」「オトナの事情」という邪念が消せなかった。
いや、カネやオトナの事情ではなく「時間」が生み出した奇跡だったのかもしれない。
一夜の夢なら事情はどうでもいいと思っていた。
けど、これが続くとなると話は別だ。
そんな思いを抱えて迎えた今作。
結論から言えば、文句無し。素晴らしいアルバムになりました。
間違いなく2021年ヘヴィメタル界のベストの候補になることでしょう。
上述の通り、三人のシンガーが集ったことも大きいけど、なによりも稀有なメロディーメーカーが「ハロウィンであること」を標榜して作り上げたという点が見事に結実しています。
重々しい空気から放たれるように切り込むリフ&メロディ。タイトル通りの展開で完全に耳を奪う[OUT FOR THE GLORY]。
ヴァイキーのペンによるこのオープニングチューンで掴みはOK。
朗らかに歌いあげるキスケの声との相乗効果はハロウィンの強靱な武器であることを改めて叩きつけられます。
カイファンとしては、途中にちょっぴり挟まれるカイのシャウト(?)も嬉しい。
先行リリースされていた[FEAR OF THE FALLEN]はアンディによる曲。
穏やかに語りかけるようなアンディの声、アンディのキャッチーなメロディセンスを「ハロウィンらしさ」に寄せてくる作曲スタイルは、アンディが加入後したことでハロウィンを甦った要因のひとつ。
三人が「♪Listen~ (Listen~) (Listen~)」とハーモーニーを奏でるパートはアルバムのハイライトのひとつと言えるでしょう。
サシャとアンディによる[BEST TIME]は名曲[I CAN]あたりのムードを感じさせます。
ちょっとポップな色彩のあるこういった曲を歌うときのキスケも魅力的なのだ。
[Rise Without Chains]もアンディの曲ですが、雰囲気は[Pink Bubbles Go Ape]アルバムあたりの薫り。
アンディとキスケの競演が際立つ曲になっています。
[The Dark Ride]の名曲[All Over the Nations]や[Salvation]を思わせる[Robot King]はもちろんヴァイキーの手によるもの。
いかにも「ジャーマンメタル」然としたスタイル、ややシリアスなメロディからスペイシーな空間へ羽ばたくかのようなサビ。
これもヴァイキーの得意とする、そして「らしさ」がプンプン漂う。
この「らしさ」を意図的に、厭味なく織り込めるところがすごい。
ラストを飾るのが我等がカイによる[SKYFALL]。
この曲については以前のブログで書いたので多くは語りませんが、やはりアルバムの中で配置されてみるとその存在感はより大きい。
そしてその意味も大きい(と思う)。
カイのメロディとキスケのシンガロングという組み合わせは、今まで何度も私たちにシアワセな時間を与えてくれた。
そのコンビネーションは時間が経っても魅力は輝き続けている。
そこにアンディが加わって‥というのは、ハロウィンのどの時代も大好きだった私にとっては贅沢すぎる。
過去のメンバーが加入したからといって過去の音楽に戻ったわけではない。
だからといって奇をてらった新しさを狙っているわけでもない。
じゃ、最近のハロウィンかというとそうでもない。
なんだけど、どこを切り取ってもハロウィン印が刻印されている。
刻印されまくっている。
新しくもなく古くもない。
なんだけど、新しさも過去の魅力も溢れている。
アンディ加入後のファンが聞いても「間違いなくハロウィン」。
アンディ加入後に聞かなくなったファンが聞いても「間違いなくハロウィン」。
このバランス感覚が、このアルバムの奇跡だと思うのです。
この感覚はヴァイキーのセンスによるところが大きいと思いますが、なんといっても功労者はアンディ・デリスだろうなと思います。
誰が聞いてもハッピーになれる。
誰が聞いても気持ちが昂る。
「一夜の夢」は、夢が終わってもこんなに素晴らしい続きを用意いてくれていた。
個人的にはまだ複雑な思いは残しつつ、これだけのアルバムを作られたら反論の余地なんてなにもない。
ありがとうハロウィン。
HELLOWEEN - Fear Of The Fallen (Official Lyric Video)
Posted by テン at 07:27│Comments(0)
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