ヘビメタパパの書斎 › 2019年09月

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2019年09月20日

イタリアン・ドリーム

私の中では「イタリアンメタルの雄」であるDERDIAN

「DERDIANが日本で単独ライブ」
10年前、15年前だったら鼻で笑われることだろうな。
いや、そもそも「誰だそれ」だろうな。

EvokenFest2017Twilight ForceFreedomCallと共に来日を果たし、空中分解寸前だったバンドは日本のファンの熱気で蘇生。
翌年も同フェスで来日しましたが、なんと今年は単独ライブ。
まさに「Evokenの奇跡」

しかも名古屋で開催ということで、行ってきましたよ。

8月某日。
いつものように高速バスで名古屋へむかい、
いつものように駅前サイゼリアで一人でワインのデキャンタ+読書という至高の時間を経て‥

本日の会場は今池3STAR
今池といえばボトムラインの印象が強いわけですが、この会場は初めてですね。

ライブ開催一週間前に駆け込みでチケットを購入したにも関わらず整理番号は50番。
‥大丈夫なのか‥大丈夫なのか‥

物販には最新アルバムだけでなく[LIMBO][HUMAN RESET]といった名作たちのTシャツが!
昂りを押さえられずTシャツのデザインをチェックしましたが‥ツアーデートがない。ジャパンツアーであることすらない。
私にとってこのポイントの比重は大きいため、泣く泣く断念。

開演5分前に入場‥しましたが、狭いハコであるにも関わらず、前方半分くらいしか人がいない。
100人‥いや、もっと少ないか‥。

まぁいい。これからオープニングアクトだから、そのあとにゾクゾクと来てくれるのでしょう。

定刻通り、オープニングアクト開幕!

[ Illusion Force ]

多国籍からなるメロディックスピード系バンド。
ヴォーカルは韓国出身だそうですが、英語詩にあまり違和感がないため、クセが少なく洋楽メタルファンにも受け入れられそうです。
初期SONATA ARCTICAのスピード感、中期STRATOVARIUSのミディアムなメロウ感。
そしてパフォーマンスはDRAGONFORCEを思わせる華々しさ。

4曲くらい披露したかな。
スリリングなインストパート、超絶ハイトーンのヴォーカル。
どの曲も好感度が高く、ライブのクオリティもなかなか。

日本で人気のある、そして長年幾多のバンドがチャレンジしてきたこのジャンルで個性を放つのはなかなか難しいと思います。
実際、「悪くないんだけど、もうひとつトンガってほしい」と思ったのも事実。

ですが、今後への期待もあって帰りにはCDを購入。
がんばってほしいものです。


[ DERDIAN ]

その後、大きく人が増えることもなく、開幕。
ファンが前方に圧縮されたこともあり、感覚的にはフロアの1/3くらいしか人がいないような。
私はその後方の広く空いたスペースで広々観戦、広々拳をふりあげ、広々シンガロングするという快適な空間でありました。
(目の前で泥酔した女性がフラフラだったが気になったことを除けば)

さて、今回のライブでの個人的希望は
「単独という長丁場の中、名作LIMBOからどれだけ披露されるのか。大好きなHymn Of Liberty~Silent Hopeの流れは聞けるのか」
とう一点に尽きる。

けど、ココロのどこかで
「2017+2018のミックスだろうな‥そんなにライブの機会はないだろうし‥」という諦めに近い思いもあった。

開幕。
[Human Reset]でのスタートは2017年のEvokenFestと同じだ。
そして続くのはアルバムの流れに則り、そして2017年EvokenFestに則り‥の[In Everything]
この時点で「そうか‥やはりこの流れか‥」という開き直りに似た冷静な感覚が脳内を支配しつつ、どちらも大好きな曲だから「これはこれでいいのだ!」という思いも交錯します。

2017年の時点では脱退しており、ゲストとしての参加だったイヴァン。その「Evokenの奇跡」を経ての再加入。
滲みでる(というか爆裂的に発散される)セクシーさが強烈。

続く[Battleplan]。実はアルバムで聞くとそこまでお気に入りではない曲なのですが、ライブでの適度に勇壮で適度にポジティブで適度にアグレッシブな中庸をいく佳曲であることを再認識させられます。

まさかの[Mafia]も披露され、続く[DNA]ではIllusion ForceのVoが飛び入り参加。
このサプライズも実に効果的でした。
今さらですが、この曲が収録された最新作は名曲揃いだな、と。どうしても[LIMBO][HUMAN RESET]と比較し続けてしまうのですが、起死回生の一作と言えるのではないでしょうか。

[Never Born]ではまさかの日本語バージョンを披露。
アルバムでボーナス扱いだったので「普通に英語バージョンでいいじゃん‥」と思いましたが、ライブで聞いてからというもの「このバージョンも悪くないもんだな」と思えちゃうから、ライブの効果は大きいものです。

本編ラストは「Evokenの奇跡」をバンドとして形にしてくれた、日本のファンに向けてのメッセージソングであり、日本のファンにとっては感慨深い[Red and White]
胸が熱くなるバンドとファンの一体感をもって終幕となりました。

そして、少ないオーディエンスが全力でアンコールを叫ぶと、戻ってきたバンドがチョイスしてくれたのは初期の名曲[Eternal Light]
DERDIANといえばこの曲!というファンも多いことでしょう。
まさに「待ってた!」という熱気のもと、ラストスパートを駆け抜けていきます。

このあとに持ってこれる曲なんて残ってないだろ‥という思いの中、最後の最後に披露されたのは[Ya Nada Cambiara]
アルバム内でスペイン語で異彩を放つ曲ですが、意外なチョイス‥と思いつつ、実際に披露されるとイヴァンの風貌も相まって「これはこれでホントにボーナス的でイイ!」というホッコリした気分に包まれました。

ファンが少なかったことを思えば‥というか、いくらこの数年でEvokenFestの常連になったとはいえ、個人的に思い入れがあるとはいえ、冷静に考えれば「まぁ、このくらいなのかもな‥」という思いもある。
が、そんな中で招聘してくれたEvokenさん、全力で楽しませてくれたバンドには感謝しかない。

Evokenさんはしばらく業務停止に入るそうだ。
DERDIANの単独ライブ‥なんて、ファンである私が贔屓目に見ても「これが最後だろうな」というのは間違っていない気がします。

RHAPSODYののようないわゆる「典型的イタリアンメタル」の派手さはない。
だけど、少し繊細で、情感に溢れ、ココロを撫でていくかのようなスピード感と攻撃力は唯一無二。
今回のライブでも、また新たなファンを獲得し、バンドが継続してくれることを願うばかりです。

ありがとうDERDIAN。
ありがとうEVOKENさん。




  

Posted by テン at 07:27Comments(0)ライブいろいろ