ヘビメタパパの書斎 › 2015年12月

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2015年12月29日

Bye! 2015!

さて、2015年も最後の投稿となりますかね。

細々とながらも、なんとか今年も乗り越えることができました。
そして先日、このブログも10年目に突入。
我が身の衰えと、子供たちの成長を噛みしめつつ、来年も続けていけたらいいなーと思いますよ。

我が家の2015年といえば‥

・車、追突される。廃車。泣く泣く新車に買い換え。
・追突の後遺症に悩まされる。特に奥様。
・奥様、卵巣系の病が見つかり、やや慢性化。
・ワタシ、甲状腺の病が見つかる。
・同じくワタシ、原因不明の背中痛で救急外来。

‥うーん、厄年ですかね。ってレベル。

・ムスメ、中学生に。我が家の生活スタイル、激変。
・ボウズ、五年生に。‥うーん、あまり変化なし。
・サンタさん、一応来てくれた。今年が最後ですかねぇ。



メタル界での出来事で思い出せることといえば‥

RAGE、現ラインナップでの活動終了、旧トリオによるREFUGE、始動。
GAMMA RAY 新ヴォーカルを迎え入れてツインヴォーカルに。
ANGRA キコ・ルーレイロ、MEGADETHに加入。
GLAMOUR OF THE KILL、解散。
MOTLEY CRUE、活動休止(?)。
SKID ROWTNTのトニー・ハーネルをヴォーカルに。
IRON MAIDEN ブルース・ディッキンソン 癌公表、完治。
・リッチー・ブラックモア、メタル界に復帰。
・ガンズ、リユニオン騒動(進行中)
BON JOVI リッチー・サンボラ脱退後、ヒッソリとアルバムリリース


‥いろいろありましたねぇ。


こんな状況でしたが、今年もたくさんの人たちと楽しい時間を過ごさせて頂きました。

一緒に飲んでくれた方々。
一緒に歌ってくれた方々。
東京出張のときに飲んで語ってくれた方々。

そもそも人見知り&ややニート属性のワタシにとっては、自分でも信じがたいような宝物です。
ココロから感謝です。

そして今年も無事にLOUDPARK15に参戦できました。

「なんといってもカラダが資本、元気が基本であるなぁ」と痛感した一年となりましたが、来年も今年と同じく、いや、今年以上の充実の一年にしたいものですね。


ということで、今年よく聞いた曲たちを貼り付けて記憶に留めつつ、今年をシメたいと思います。

ご覧いただいた方々、ありがとうございました!
よいお年を!



RAISE MY SWORD - GALNERYUS
年末に飛び込んできた、驚愕の名作。
この曲が、というよりは、アルバム全体が最高峰と言える集大成的作品となりました。



Battle Beast-Far Far away
今年前半のベストアルバム。ひたすら聞きまくりましたよ。
ラウドパークでの興奮も蘇りました。



We Are Harlot - Dancing On Nails
ラウドパークでノーマークながらも、ライブを見てノックアウトされました。
やはりライブは一期一会。いいバンドと出会えるのはシアワセです。



Kamelot - Ghost Opera
LOUDPARK参戦を前に改めて「なんて素晴らしい曲だ!」と再認識しました。
この頃のアルバムは地味な印象があったんですが、やはりロイ・カーンは素晴らしい。



SABATON - Swedish Pagans - Loud Park 2015
この盛り上がりは過去のLOUDPARKの中でも屈指でしたね。
メタル界にSABATON旋風が吹き荒れた一年となりました。



Phantom Excaliver「Destiny~人生に捧げたHeavy Metal~」
O-WESTでのワンマンも大盛況で成功し、勢いに乗る彼らの新曲。
一点の曇りもない、ファントム節。
  

Posted by テン at 06:58Comments(2)

2015年12月16日

「頂」へ

期待に応え続ける、ってことは大変なことだ。
しかも自らそのハードルを上げ続けているバンドであれば尚更だ。

LOUDPARKでのパフォーマンスも記憶に新しい彼らのニューアルバム。
今年最後を飾るにふさわしいアルバムとなりました。

GALNERYUS / UNDER THE FORCE OF COURAGE




今さら説明不要かもしれませんが‥
日本が誇るメロディックメタルバンドの節目となる10作目ですね。
デビュー作が2003年ですから、12年で10枚!驚くべきハイペースです。

そして奇跡ともいえる小野正利(以下「小野さん」)の加入から5枚目ということで、初代ヴォーカリストであるYAMA-Bの歴史と肩を並べたことになりますね。
早いものです。

いい意味でのアンダーグラウンド感、YAMA-Bの声もあってソリッドで荒々しくザラついた印象の初期から、小野さんに変わってから一気にメジャー感を纏うようになりました。
このあたりの変遷については好みが分かれるところでしょう。
ちなみにワタシはどちらも大好きですよ。

日本語詩、そのJ-POP然としたメロディも含めて、「これじゃないんだよ!」という初期のファンはもう見切りをつけている人もいるかもしれませんね。

が、もうすっかり「ガルネリウスの声」であり、最も強力な武器であるとも言える小野さんの声。

小野さんを迎えて新生GALNERYUSとして想像をはるかに超える名作となった[RESURRECTION]
順当な進化を見せた[PHOENIX RISING]
唯一無二、孤高の名曲を生んだ[ANGEL OF SALVATION]
小野さんのカラーをさらに押し出してきた[VETELGYUS]

着実に前へ進み続けてきた彼ら、節目となる作品は初のコンセプトアルバム
そして組曲形式の曲が2曲!
「コンセプトアルバム」「組曲」どっちも大好物ですよ、えぇ。

最初に聞いたときは、[VETELGYUS]の延長で考えていると「ん?」「けっこう冒険的な作品だな」という印象をうけます。
順当に「小野さんを生かす」路線へ向かってきた中、少しベクトルを変えてきた感があります
小野さん加入後以降では、最もシリアスであり、初期YAMA-B時代の薫りが漂う場面も。

が、繰り返し聞けば聞くほど、GALNERYUSが積み重ねてきた歴史を小野さんという最強の武器を駆使して体現してきたかのような充実感を感じるようになります。

10作目という節目を意識したから、コンセプトアルバムという方向性によるものなのかは分かりません。
が、積み重ねたきた歴史からいったん原点に還り、それを緻密に緻密に組立て直し、小野さんという魅力でまんべんなく彩ったかのような。
息苦しさすら感じる、実に濃密なスクラップアンドビルド。
ここでいう「息苦しさ」は、息をすることすら躊躇する緊張感という意味での、ワタシにとって最上級のほめ言葉だと思って頂きたい。

そういった意味では「最高傑作」というよりは「最高峰」に登り詰めた。という印象だ。
どの方向(音楽性)から、どの高さ(リリース時期)から見ても素晴らしかったGALNERYUSたちの作品を、テッペンから見下ろして包んでしまうような作品だと思う。

今まで30年近くヘヴィメタルを聞き続けてきましたが、この「あぁ、このバンドはここまでたどり着いてしまったか」という「圧倒的征服感」を感じたアルバムは数少ない。
そんなアルバムたちと並ぶ素晴らしさだ。

穏やかに爪弾かれるギターからシンフォニックなバックサウンドで語られるプレリュード[PREMONITION]
そこから一気に‥と言いたいところですが、なんと再びインストナンバー[THE TIME BEFORE DAWN]へ。
DREAM THEATERを思わせるようなテクニカルに構築されたナンバーですね。この曲を中盤ではなくオープニングに配置するあたり、そしてインストナンバーを2曲続けるあたりは自信の表れでしょう。

そしてLOUDPARK15でも披露された[RAISE MY SWORD]へ!
ガルネリ節全開、緊張感を内包し、反射するかのような美しさを撒き散らして疾走してく、メンバー全員の超絶テクニックと小野さんの魅力、全てが詰め込まれた、ガルネリウスの「今」を象徴する名曲です。
細かいところですが強靱なリフの中に配置されるゼロコンマ数秒の「間」がたまらないのです。

間髪いれず解放感と飛翔感に満ちた[THE VOICE OF GRIEVOUS CRY]へ。
この曲へと移行する曲間ひとつとってもコンセプトアルバムであることへのこだわりを感じます。

[RAISE MY SWORD]「間」も含めて、この感覚が絶妙なのだ。

組曲の一曲目となる[RAIN OF TEARS]では、小野さんの魅力的な中低音域を味わうことができます。
テクニカルな間奏、デスヴォイスによるパートなどを経て、感動的なメロディが彩る終盤[Ⅳ: ENDLESS CONFLICTION]へ。
ROYALHUNT[PARADOX]のラストを思わせる、緊張感と穏やかさが同居する世界観。もうこれがエピローグじゃないかと勘違いしてしまうほどの劇的な構成となっています。

勇壮なオーケストレーションに導かれ、スケールの大きなパワーメタルチューンへと雪崩込む[SOUL OF THE FIELD]
最もアルバムコンセプトにフィットした曲かもしれません。

そしてラストを飾る二つ目の組曲、[THE FORCE OF COURAGE]
崇高なインストレーションから、最後を飾るにふさわしいドラマティックな高揚感へと導いていきます。
この一曲だけでアルバム一枚を聞いたかのような充足感を感じます。
歌詞に散りばめられたキーワードひとつひとつに、ファンは胸を打たれることでしょう。




オープニングから、幾度ものクライマックスが訪れる、そして緊張感が最後まで途絶えることのない、まさに「孤高」の作品ではないでしょうか。
聞き終えて、大きなため息と同時に脳内が真っ白に、そして蓄積した興奮物質が放出されていくような心地よさ。
おそらくガルネリウスの最高傑作として挙げる人も多いことでしょう。

が、あくまで集大成としての傑作であり、ガルネリウスを初めて聞く人にとってはハードルが高いかもしれないなと感じます。
コンパクトに現メンバーの魅力を感じられる[RESURRECTION]
歴史に残る名曲[ANGEL OF SALVATION]を収録した[ANGEL OF SALVATION]
そして初期GALNERYUSの魅力の詰まった[THE FLAG OF PUNISHMENT]

そういった作品を最初に聞いて、この作品に辿り着いてもらえると、さらに魅力を感じることができるのではないでしょうか。

一つの山を登り切った感のあるGALNERYUS。
キーマンであるSYUの視線の先には何が見えているのでしょうか。
が、今回の作品を聞いて「SYUは以前からこの頂を見通していた、そして計算していたのではないか」と感じました。

次に目指す方向も、きっと明確に見えていることでしょう。



【MV】RAISE MY SWORD - GALNERYUS




  

Posted by テン at 07:16Comments(0)国産

2015年12月11日

若武者の咆哮

LOUDPARK15ではオープニングアクトを飾ってくれた彼ら。

朝の10時すぎだというのに巨大なウォールオブデスを作り出し、「オープニングアクトをクライマックスにするぜ!」というMCがハッタリではないレベルの盛り上がりを見せました。
その好印象もあって、今さらですが聞く機会が増えてます。

GYZE / FASCINATING VIOLENCE




北海道は札幌で結成された若きトリオによる、メロディックデスメタルバンドですね。
このアルバムが1st、リリースは2013年。

このバンド名の読み方、私は最初「・・ガイズ?」とかって感じでしたが、正解は「ギゼ」であります。

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日本のメタルバンドってのは、どれだけグローバルなフィールドを目指そうが、英語詩を連ねようが、拭いきれない「ニッポンらしさ」が漂う。
それが海外至上主義のメタラーに受け入れられない理由であると思う。
逆に言うと、それこそがジャパニーズメタルの魅力であり武器だと思う。

その「ニッポンらしさ」をどう評価するか、受け入れられるかでこのアルバムの評価は分かれるのではないかと思います。

冒頭に「メロディックデスメタル」とカテゴライズしましたが、とにかくそのメロディのワビサビがズバ抜けています。
それは「泣き」と呼んだり「クサい」と形容したりするわけですが、そういった要素が満載だ。

が、海外(特に欧州)の「泣き」「クサさ」とは一線を画す、いや、二線も三線も画すのだ。
どこが、ということでなはく、「日本人ならではのメロディ」が全編を覆い尽くしています。

そしてそのメロディの印象もあって、純粋なメロディックデスメタルというよりは、メロディックスピードメタルにデスヴォイスが乗っているような、とも表現できるかもしれません。
そういう意味では、デスヴォイスとはいて、幅広い間口に受け入れられそうな気がします。

・・上述した通り、いかにもニッポン然としたメロディラインが大丈夫なら、ですがね。


キャッチーでドラマティックなリフから疾走感溢れる泣きメロへ雪崩込んでいく[DESIRE]
オープニングにふさわしい曲であり、GYZEの「ひとまずの名刺がわり」として抜群のインパクトです。
ソロパートの緊張感と高揚感も素晴らしい!

一枚目の一曲目に、そのバンドの象徴となっていくであろう曲を叩き込んできたという意味では、GALNERYUS[STRUGGLE FOR THE FREEDOM FLAG]を思い出しました。

タイトルトラックである[FASCINATING VIOLENCE]ではクラシカルなオーケストレーションから一気に加速、ピアノの美しさとデスヴォイスのコントラストがドラマを演出します。
ピアノの音階とリズムがSKYLARKを思い出しますね。やはりクサい!

LOUDPARK15で巨大なWall of Deathとサークルピットを作り出した[FINAL REVENGE]
オープニングのリフで大きな空洞ができて‥咆哮とともに疾走するシーンを思い出します。
中盤のガッツ溢れるコーラスも好印象。

[TRIGGER OF THE ANGER]では、メロディックデスメタルバンドらしい(?)、ブルータルな面を見せてくれます。
それでもサビからのメロディはやはり日本的。

[DAYS OF THE FUNERAL]は完全にメロディックパワーメタルですね。
こういう曲、大好きですよ。
そしてこういう曲が書けちゃうところに、「あー、同じ音楽の土壌を通過してきたんだなー」という共感を感じます。

[MIDNIGHT DARKNESS]もキャッチーな泣きメロ満載!


といった具合に、メロディックデスメタルでありながら、キャッチーな要素が満載。

普段、海外のメロディックデスメタルを聞いている人よりも、メロディックパワーメタルを聞いてる人(ワタシです)、ジャパメタが好きな人(ワタシです)がメインターゲットじゃないかと思うほどです。
見た目がちょっとヴィジュアル系っぽい風味が漂うところも、本格メロデス愛好家にとっては鼻につくかもしれませんん。

それでも、そういったフィルターを取っ払って見れば、デビュー作でここまで高いレベルの作品をリリースしてくれたのは驚きです。

小野さん加入後のGALNERYUSの記事でも何度か書いたかもしれませんが、ワタシはジャパメタは無理して海外勢の音を目指さなくても、日本独自の文化と嗜好の中で充分に勝負できると思っています。
そして、むしろそれこそが日本のバンドの最大の武器であり、得意なフィールドだと思います。

そのバランスを保ちつつ、スケールアップしていってくれれば更に魅力は増していくことでしょう。
楽しみな若武者が現れました。


GYZE - DESIRE [OFFICIAL MUSIC VIDEO]




  

Posted by テン at 07:16Comments(0)国産

2015年12月04日

10年目、突入。

さて、今年もこの日がやってきたようですね。
このブログがスタートしたのが2006年12月4日。2015年12月4日で、丸9年
つまり10年目に突入するわけですよ。

まぁ、いわゆる「節目」は10年経過してからになるかと思いますが、「10年目に突入」というのも気分的には一つの山を越えつつあるような感慨がありますね。

中学生になったムスメは年中だったでしょうか。
小5のボウズにいたっては、まだオムツをしていたころでしょうか。

最初の頃と比べたらペースは落ちてるし、モチベーションも微妙なところですが、「とにかく続けることに意味がある」という思いでココまで来ましたよ。

そして、なんといっても「ひだっち」がココまで継続してくれてるのがウレシイではないですか。
たかが地元のブログだから続かないんじゃないかなー、なんて失礼なことを思ってましたよ。

それでも「ひだっち」を選んだのは、別に自分の思いを全国的に伝えたい、というわけではなく、メタルでも子育てでも、この地元でどの程度反応があるのか知りたかった、という思いからだ。
そういう意味では、この9年でたくさんの人と知り合うことができた。

コメントをくださる方々。
コメントはしないけど、覗いてくれる方々。

そしてこのブログが縁で出会うことができたかけがえのない人たち。

細々とでも続けていてホントによかった。とココロから思いますよ。

いつも書いてるけど、もともとのブログのキッカケは、プレゼンで連戦連敗して、なんとか語彙を増やしたいという思い。
それが自分の大好きなことなら続けられるという思い。

その思いはいつしかワンパターン化してしまってる感もありますが‥いいのだ。背伸びせずに続けることが大事なのだ。


この9年の間に、twitterやfacebookといった方向にSNSの主流はシフトしてきていると思います。
たしかに、他のSNSはそれぞれ楽しい。気軽な交流が生まれたりする。

ですが、ブログという場はワタシにとってはいつまでも特別な場でありつづけます。
自己表現として。
たくさんの人を繋いでくれた架け橋として。

あと1年で丸10年。

なんとかそこまでは走り続けたい(いや、歩き続けたい)と思っておりますよ。

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さて、毎年恒例。

この日には原点回帰の意味も含めて、ブログで最初に取り上げたバンドをクローズアップしますよ。
なんだかんだで9回書いてるわけだから、ネタもつきそうなものですが、今年はこのアルバムを!


ANGRA [Angels Cry - 20th Anniversary Live]





このブログをご覧になっている方々にはおなじみのバンドでしょうかね。

ブラジルの至宝ANGRAが生み出した奇跡の一枚[ANGELS CRY]から20年経ったことを記念したツアーのライブアルバムになりますね。
あの[ANGELS CRY]は1993年‥そこから20年余り‥感慨深いですね。

当然、ヴォーカルはアンドレ・マトスではなくエドゥ・ファラスキ
今では脱退してしまったエドゥですが、この頃はもう全盛期の声が出ないことを隠せなくなっている時期ですね。
ワタシがLOUDPARK10で見たときに、すでに「あぁ‥エドゥ‥」という状態だったわけですからね。

セットリストはさすがに集大成的なものになっていますね。
集大成=アンドレ・マトス時代も外せないということで、それが「エドゥ‥厳しい‥」という印象をより強くします。

[ANGELS CRY][TIME][EVIL WARNING]といった曲たちは軒並み厳しいです。
振り絞るように叫び、スクリームでごまかし‥という状態を見ると、全盛期のエドゥを知る身としては、やはりこの頃にはもう限界だったのかなという気がします。

そう、全盛期のエドゥ・ファラスキは神がかっていた。

加入直後のジャパンツアー。
アンドレ・マトスが好きだったワタシにとって、エドゥはまだ「外様」だった。
が、その思いはそのライブで完全に吹っ飛んだ。

どこまでも伸びるハイトーン。アンドレ・マトスのあの細いハイトーンではなく(これはこれで好きなのだが)、ブレることなく芯のある、力強いハイトーン。
[CARRY ON]をノーフェイクで完璧に歌いあげ、「これはANGRAの新しい未来は明るい!」と思わせてくれた。
そして、ずっとその期待に応え続けてくれた。いや、期待以上の働きをしてくれた。

このときの声は、その代償なんだろう。

彼が加入してからのアルバムの曲は、やはりフィットしている。「らしさ」を感じることができる。
それでも、代表曲であり象徴ともいえる[NOVA ERA]のサビでオーディエンスにマイクを預けたり、スクリームでごまかしたりする場面が。
ライブで完璧を求めるのも酷なんだけど、以前の神がかってた姿、その印象が強すぎるんだよね。

その後に加入(?)したファビオ・リオーネを擁するライブを見たときには、逆にアンドレ・マトス時代の曲はフィットして、エドゥ時代の曲は苦しそうで、「やはりエドゥは偉大だった」と再認識することになるわけですが、相性というかフィット感ってのは不思議なものですね。

一つの集大成として、そして節目として、その節目を生々しく映し出したという意味では価値のあるアルバムでしょう。
セットリストも素晴らしいし。

それでも、ANGRAに、とくにエドゥに思い入れがある人にとっては切なさを感じることになるかもしれません。

エドゥが脱退する前に最後の灯火を燃やし続けるような‥そんな慟哭に聞こえるかもしれません。

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ということで、10年目もよろしくお願いします。
  

Posted by テン at 07:07Comments(0)A