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2019年10月09日

一耳惚れ

「一目惚れ」「一耳惚れ」に出会えるのはシアワセなことだ。
このバンドも一聴して惚れた。イチコロだった。

SHIRAZ LANE [ CARNIVAL DAYS ]




フィンランド出身。このアルバムは2018年リリースの2ndアルバムになりますね。

北欧といえばキラキラと煌めくような北欧メタル、というイメージが強い世代の方も多いことでしょう。
そして次世代となると、北欧といえばメロディックデスメタル、という方も多いことでしょう。

もちろんそういったジャンルも相変わらず強い。

が、最近北欧を席巻している(というと大げさかな)のは、いわゆる80'sを意識したかのようなキャッチーなR&Rだ。
このキャッチーなR&Rに北欧独特の憂いのあるメロディが折り重なる相乗効果は、我々世代のハートを射抜く。

冒頭に書いた、私が「一耳惚れ」した曲は[ Harder to Breathe ]

SKID ROWを思わせるバッドボイーズR&Rをベースに、エッジのあるリフ、フックのあるメロディ、キャッチーなコーラスで畳みかけてくる。
古くもあり新しくもある。
MVも素晴らしい。

そして当然ですがアルバムを即時購入。

そして手にしたこのアルバム。

全体的な印象としては、ポジティブでスケールの大きさが際立つアルバムだなと感じます。
上述したSKID ROWを思わせる要素、FIREHOUSEを思わせるキャッチーさ、ホーンセクションを生かしたスケール感はLITTE ANGELSを思いだします。
CINDERELLAを思わせるようなブルージーな雰囲気も。

こういった時代を経てきた人にとっては、とても心地よく、なんだかワクワクするような気分にさせてくれます。
もうね、本能が喜んでいる感覚があるのです。

パーティロックのようでもあり、ジャムの延長でもあるような軽やかさが印象的なオープニングチューン[CARNIVAL DAYS]
まさにタイトルを体現したかのような曲ですね。
パーカッションやホーンセクションの彩りが楽しい!

曲調がフとMR.BIGを想起した[THE CROWN]。一転、地に足がついた骨太さを感じさせます。
この「骨太」感もこのアルバム全体を支配する特徴でもありますね。

そして続くのは冒頭に触れた一撃必殺のキラーチューン[HARDER TO BREATHE]
問答無用。カッコいいです。その一言です。

ブリティッシュな薫りが心地いい[GOTTA BE REAL]
ザラッとした触感に相反するかのように、軽やかな風が吹き抜けるかのような印象を残します。
サビで切り込んでくるのはサックスでしょうか。その軽やかさを増幅させてくれていますね。

[SHANGRI-LA]では北欧メロハーらしさを演出。
キラキラした北欧メタルというよりは、優しく穏やかに包み込んでくるようなメロディ。こういった路線も増えてきてくれると楽しみだなと思います。

力強さを感じさせる[WAR OF MINE][SHOT OF LIFE]、まさに80'sなバラード[HOPE]といった後半の曲まで飽きさせることはありません。


さまざまなベクトルの曲を詰め合わせつつも、彼らの個性の中で消化しきっている感があるので、意外とバラついた印象は少ない。
しっかりと芯が通ったアルバムだなと思います。

冒頭に触れた[HARDER TO BREATHE]は、このアルバムの中では突然変異的な曲なのかもしれない、と感じます。
全く方向性は違うけど、なんだかGuns N' Roses[Use Your Illusion]に於ける[You Could Be Mine]みたいなポジションの曲のような。


まだ若く、才能に溢れたバンドだから、今後どんな方向へ向かうこともできる。
きっとどの方向を志しても、彼らの軸はブレないような気がします。

華やかなサウンドの中に宿る強靱なスピリット。そのスピリットが彼らを導いてくれることでしょう。
楽しみなバンドに出会えてシアワセです。

Shiraz Lane - "Harder To Breathe" (Official Music Video)












  

Posted by テン at 07:42Comments(0)S

2019年05月27日

ロックって、楽しい。

最近のヘヴィローテーションアルバムだ。
ジャンルとか関係なく、イッパツで惚れ込んだアルバム、バンドは久しぶりかもしれません。

The Struts [ Young & Dangerous ]




イングランド出身。2018年リリースの2ndアルバム。
期待の若武者だ。
今年のサマーソニックにも出演予定ということで、名前だけは知っていましたが‥いやいや‥これほどまでとは。

どこまでがヘヴィメタルか。どんなサウンドがヘヴィメタルか。
どこまでがハードロックか。どんなサウンドがハードロックか。
最近のBonJoviはハードロックなのか。じゃ、エアロスミスはどうのか。
そんなことはどうでもいい。

ロックって、カッコいい。
ロックって、キモチいい。
ロックって、楽しい。

ストレートにぶつかってくる。
アタマとカラダが無条件に反応する。
そんなバンドです。


ということで、それだけで充分魅力的なわけですが、あえてどんなサウンドか表現しようとするとですね‥

キャッチーで、グラマラスで、グルーヴィで。
古いようで、新しくて。
ガレージでジャムっているかのようなラフ感がありつつも、アリーナでオーディエンスを巻き込んでいくようなスケールもある。

‥と、「なんでもあり」の様相ですね。

あまり詳しくない私でも「あ、なんかクイーンっぽい」という印象も残りますね。

最初に聞いたときの、数曲耳に残りつつ「へー、カッコいいな」という余韻。
そこからの「もう一度聞いてみよう」「もっと聞いてみよう」「もっと聞いていたい!」という中毒性が、ここ最近味わったことのない感覚。
気づいたら延々とループしています。


個人的には、なんといっても[FIRE(Part 1)][Ashes(Part 2)]のコンビネーションが胸に刺さる。

圧倒的高揚感をもたらす[FIRE(Part 1)]
両手を掲げて拍手しながら、アリーナが大合唱に包まれる光景が目に浮かびます。
この曲、このアルバムの象徴だと思うのです。
「○○っぽい」という表現すら野暮で、ひたすら楽しく、ひたすらロックしてる。

そして対をなす[Ashes(Part 2)]
一転、穏やかでシリアスでセンチメンタルなオープニングから、ゆるやかに、力強くサビへと盛り上がっていく。
絞り出すように感情的なヴォーカルが印象的。
崇高ともいえる中盤~後半は、まさにクイーン的。


ややモダンな鋭さを見せる[BodyTalk]
パーティロックな華やかさが印象的な[Primadonna Like Me]
THE DARKNESSを想起するグルーヴの[In Love With A Camera]
ミディアムなリズムとコーラスのコンビネーションが美しく心地いい[Tatler Magazine]
ボーナストラックとして収録されている[21st Century Dandy]も素晴らしい。


光の当てかたによって多彩な輝きを放つ宝石箱のようでもあり。
楽しいものを詰め込んだおもちゃ箱のようでもあり。
昔から今までの記憶を詰め込んだモノクロ~カラーと時代が推移するアルバムを眺めるようでもあり。
クルクルと姿を変える万華鏡のようでもあり。

「あぁ、そうだよ。こういう感覚だよ。ロックを楽しむのって。音楽を楽しむのって。」

という、久しく忘れていた感覚が蘇ってくるのは、実に心地いい時間です。

若い人にも、私の世代の人にも。
メタル好きな人にも、ロック好きな人にも、音楽好きな人にも。

きっと誰もがその楽しさを全身で感じられるのではないかと思います。


The Struts - Fire (Part 1)



The Struts - Primadonna Like Me


  

Posted by テン at 07:30Comments(2)S

2016年11月15日

ワースト、再考

彼らがLOUDPARKの舞台に立ったのは2012年だったでしょうか。

例年、LOUDPARK終了後に「ベストアクト」「ワーストアクト」といった感想が飛び交うわけですが、残念ながら彼らのパフォーマンスは「ワーストアクト」がいつのまにか「ワーストソナタ」に置換されていたほど。
そして、今年になってドン・ドッケンによって「ワーストドン」となり、ようやくその足枷(?)が外れたようです。

ちょうどその頃のアルバムになりますね。

SONATA ARCTICA / STONES GROW HER NAME




リリースは2012年。アルバムとしては7枚目ですね。

このアルバム、正直、あまり聞いてなかった。
けど、「ワーストドン」を目にして、「そういえば、ソナタアークティカもワーストソナタとかってずっとネタにされてたなー」と思い出しました。
そして久しぶりに手にとってみました。

SONATA ARCTICAといえば、1stの衝撃でしょう。
若さゆえの無尽蔵なエナジーで構築された爆発的疾走感と北欧ならでは煌き、そしてその青臭さ。
青臭いだけでなく、洗練されたメロディセンス。

1stにして既に「SONATA ARCITICAとは何か」を強烈に刻み込んだ楽曲たち。
思えば、その後の彼らの方向性に対しての評価は、この時点でこのアルバムと対峙しつづける運命を決められてしまったのかもしれません。

着実にステップアップした2nd。
彼らの個性とチャレンジが絶妙に絡み合った3rd。
ステップアップした4th。

このあたりまでは「らしさ」(日本人が彼らに思い描く「らしさ」)が残っていた。

その後、彼らはその個性を過去の異物として新しい方向性を模索した。
そして問題作といわれる[Unia]
このアルバムがファンにとっての分水嶺だったでしょうか。

そして、その延長線上にあるといっていいでしょうか、このアルバム、上述のLOUDPARKのステージでも感じたことですが、実に北欧らしく、深みがあるのだ。
そしてトニー・カッコのヴォーカルも、初期の青臭さからは脱皮し、魅力的な声へとステップアップしている。
バッキングの装飾も派手になりすぎず、それでいてアクセントとしては輝きを放つ。

全体的には、繊細な光が絡み合って立体的に構築されているかのような。
危ういバランスのようで、実は綿密に組み立てられていて安心感を抱く。
そんな不可思議な印象のアルバムです。


オープニングはミディアムテンポの[ONLY THE BROKEN HEARTS]
ザラっとしたリフに続いて爪弾かれるキーボードの音色に彼ららしさを感じながらも、本能的に「一曲目がコレか‥」と思ってしまいます。
SONATA ARCTICA = キラキラとした疾走感、という刷り込まれた記憶は、簡単には覆せない。
が、今改めて聞くと、穏やかで良質なメロディックハードロックだ。
彼らにそれを求めるかどうかは別にして。

[SHITLOAD OF MONEY]のメロディも悪くない。リズム感も独特だ。

美しいキーボードの音色に導かれ、アップテンポに展開していく[LOSING MY INSANITY]は、以前の面影を感じさせつつ、大人になったSONATA ARCTICAの姿を映しだします。

[CINDERBLOX]ではウエスタン調のギターに違和感と不思議な心地よさを感じつつ、朗らかに疾走感していくメロディは、今までとは異なる魅力。
その違和感の中でも、やはりポジティブに疾走していくメロディはSONATA ARCTICAに求めている魅力のひとつ。
そういう意味ではこのアルバムの中では存在感を放ちます。

ラストを飾る組曲形式(?)の2曲は、彼らの懐の深さを感じさせる、複雑でテクニカルな曲。
以前の単調さ(←コレが魅力でもあったわけですが)が若気の至りだったかのような成長を感じさせます。


このアルバムを引っさげてのLOUDPARKでのステージングについては、そのときの感想にも書きましたが‥

成長した彼らの安定したパフォーマンス、幻想的なムードに彩られたステージング‥
思い入れを一切排除すれば、充分に魅力的なものだったと思います。

が、彼らのライブで求めるものではなかった。
今年のSYMPHONY Xで感じましたが、「いくら音楽性を変えようが、ライブで印象深い曲をチョイスしてくれれば盛り上がる」のは当然。

ワーストソナタ、と揶揄されたライブでは、それが圧倒的に足りなかった。
幻想的で落ち着きのあるステージングを、ファンは求めていなかった。

このアルバムも、そのあたりの思い入れによって評価は分かれるでしょう。

と、冷静に書いている私自身がそうだった。
数年経過し、今現在の彼らの姿を受け入れられるようになって(←今でも昔の音のほうが好きだけど)、改めて聞くと魅力は溢れている。

LOUDPARKで「ワーストソナタ」を体感した人にこそ、今、改めて聞いてみてほしい。
「・・ん?悪くないじゃんか。」と思えるのではないでしょうか。

が、「やっぱり、ライブでこのアルバム中心ではダメだな」と再認識するかもしれませんが。


Sonata Arctica Cinderblox Live in Wacken 2013










  

Posted by テン at 07:13Comments(0)S

2016年06月10日

食わず嫌い、ダメ、ゼッタイ

「キャッチーなバンドのメンバーの別プロジェクトなんて、だいたいヘヴィでモダンなヤツでしょ」

そう思ってました。が、とんでもない。目からウロコとは、このこと。


Sixx:A.M. [MODERN VINTAGE]




Motley Crueの中心メンバーであるニッキー・シックスのプロジェクトですね。
2014年リリース、これが3rdになるようです。

上述の通り、「Motley Crueであれだけ明るいロックンロールやってるんだから、その揺り戻しでヘヴィ路線だろうな」と思ってました。
実際、私の好きなバンドのメンバーのソロってのも、普段と違う方向性が多いし。
そのための別プロジェクトだろうし。

が、このバンドは違う。
80年代、90年代のアリーナロックのような雰囲気すら漂います。

刻まれるリフにモダンさを感じることはある。
が、そのモダンさと王道ハードロックのメロディのバランスが心地いい。

ヘヴィなリフからメランコリックなメロディが溢れだす。
曲調にバラつきがあっても、そのメロディセンスの素晴らしさは貫き通されています。

すでにキャリアを確立している各メンバーの懐の深さと余裕がアルバム全体を覆っているように感じます。
まるでジャムの延長のような余裕。
それでいてこのクオリティの高さ。
まだまだその底が見えないような懐の深さ。

Motley Crueというビッグバンドと並行して、これだけのアルバムを作れるとは驚きです。
私が個人的に抱いていたニッキー・シックスのイメージとは大きく異なる、いい意味で裏切ってくれました。

そしてその全体像を支えているのは、ヴォーカルであるジェイムズ・マイケルの存在が大きい。
時にソウルフルに。
時にガッツィーに。
骨太さと繊細さを持ち合わせたそのスタイルはバラエティに富んだ曲たちに溶け込み、さらに魅力を増大にしてくれます。


幕開けとなる[Stars]
うねるようなモダンなリフを聞いて「‥やっぱりこういう路線ね」と思ったのも束の間、ストロングでメロディックなサビへ。
最初に聞いたときは「・・お? これは‥」と意外な驚きを感じました。

続く[Gotta Get It Right]でその驚きは確信に変わります。
「これは間違いなく私の好みのアルバムだ」と。
まるで初期のHAREM SCAREMを思わせるような浮遊感、ハーモニー。
優しく包み込んでいくようなメロディにウットリさせられます。

さらに[Relief]も素晴らしい!
エモーショナルなメロディに胸を締めつけられます。これはもうメロハー!

アコースティックな[Get Ya Some]
ドライヴ感が心地よい[Hyperventilate]
スケールの大きな[High On The Music]
リズミカルかつダンサブルな[Miracle]

個性的で、それぞれ異なる輝きを放つ曲たちが並びます。

そして最後を飾る[Befor It's Over]
まるでパーティーが終わるかのような。
その楽しいパーティを締めくくるためにジャムっているかのような。
ついつい笑顔になってしまう楽しさ。

Aerosmithの名作[Get a Grip]のラストを締めくくる名曲[Amazing]のラストを思わせるような心地よさです。


全く気にもしていなかったバンドが、私の大好きなサウンドだった。
そしてそのクオリティが素晴らしく高かった。

新しい音楽との出会いというのは本当に嬉しい。

そして、「食わず嫌い」は良くないな、と改めて感じました。

そうそう、先程一例に挙げたAerosmithも最初は食わず嫌いだった。
そして[Get a Grip]「こんなに素晴らしいのか!」と驚いた。

このアルバムを聞いて最初に感じた感情は、そのときの驚きと衝撃に似ています。


Sixx:A.M.は、今年のLOUDPARK16への出演が決定しています。
それがあったから、「聞いてみようかな」と思ったわけですが‥。

そんなわけで、今年のラウドパークの楽しみが増えました。



Sixx:A.M. - Relief (Lyric Video)



  

Posted by テン at 07:14Comments(0)S

2016年03月29日

映し出された「今」

名作に「続編」のようなナンバリングをすることはリスキーだなと思う。
その作品に思い入れがあるファンにとっては尚更。
最低でもそのライン、できればその上、その作品を下回るようだとその名作への侮辱にすら感じることもあるくらいだ。
(個人的思い入れにもよるかと思いますが)

SONATA ARCTICA / ECLIPTICA (REVISITED)





フィンランド出身、今となっては中堅どころとなったメロディックパワーメタルバンドですね。
‥といっても、彼ら自身は他のバンドとの十把一絡げを嫌ってか「メロスピじゃないから」と路線変更していますが。

彼らの1stアルバムは衝撃だった。

リリースは1999年。‥もう15年以上経ったのか。

いい意味での青臭さ。
トニー・カッコの適度に不安定なハイトーン。
まさに美旋律を「撒き散らす」といった勢いで走り抜ける疾走感。

B級メロディックスピードメタルの超新星現る、という驚きがあった。
そう、まさに「超新星」という言葉がピッタリだった。
その衝撃は、STRATOVARIUSの登場時を凌駕していた。

キラキラとした煌きは、その青臭さとの相乗効果で更なる儚さを生み出していた。
その儚さ、そして叩けば壊れるような繊細さ。
未熟が故に生まれたそのギリギリの美しさが緊張感を生み出していた。

今でも「SONATA ARCTICAといえば1st」という人は多いんじゃないかと思う。
その魅力がデビューアルバム[ECLIPTICA]には最初から最後まで貫かれていた。

時は流れ‥

アルバムとしては8枚。
年数としては15年。

その時を経て、その名作をリレコーディングするという。

冒頭にも触れた通り、非常にリスキーな選択だと思う。その「象徴」とも言えるアルバムを自ら焼き直すというのは。
個人的には、メロディックスピードメタルから離れていた彼らなりの「また戻ってくるからね」というメッセージとして受け取りたい。
が、このアルバムの完全再現ツアーをしたりすると「集金目的」というキーワードが脳裏をよぎらなくもない。

当然、彼ら自身は大きな存在になった。
ライブでも「貫祿が出てきたなー」と思わせてくれている。(セットリストはイマイチだが)

その成長した彼らが見せてくれた、自らの原点の再提示は‥

オープニングの[BLANK FILE]
♪ダカダカダカダカダカダカダッ ジャージャッ
という力強いドラミングからのリフ。
このリフ1音だけでガッカリするファン、多いのではないでしょうか。
リフの音が下げられているのだ。
この1音、時間にして1秒ほどで「あー、もうこのアルバムの全貌が見えたよ‥」と思わせます。

実際、このリフから導かれて歌い始めるトニー・カッコは当時の青臭い姿ではなく、落ち着きと貫祿の声。
が、「‥違うんだよ」と切なさが漂います。

名曲[8TH COMMANDMENT]の強靱なリフと美しいキーボードの競演は当時の面影のままスケールアップした感があります。
この曲ではキーも原曲に近いこともあり、素直に「やっぱりカッコイイなー」と思わせてくれます。

「ラナウェイラナウェイラナウェイ」というコーラスがこのアルバムの象徴とも言える[FULLMOON]
やはりサビでの「落ち着いてる感」が気になるところ。

これも名曲[UNOPENED]ですが、これまたやや違和感のあるキー加減。

そして個人的至高の名曲[DESTRUCTION PREVENTER]
(やけに「名曲」いう言葉が乱舞してますが、ホントにそれだけの名曲揃いなのだ)
これも[BLANKFILE]と同様の違和感のあるスタート、その違和感を孕んだまま駆け抜けていきます。
一つの見せ場である「♪In The Center Of All Mankind~(オーマンカーーーーーイイン!!)」の叫びも控えめ。
「♪Your End Is At Hand, If They Blow~」 ジャジャジャジャージャジャジャッジャッジャッ 「フッッ!!!」の叫びもナシ。
さらには「♪オーオオオー」のシンガロングの元気のなさ。


‥と、こういった書き方をするといいところが無いように見えてしまいますが‥

改めて曲のクオリティの高さを再認識することはできます。
もし、SONATA ARCTICAを聞いたことがない方が聞くなら、こちらのほうがクセは少ないかもしれません。

そういう意味ではかなりマイルドな仕上がりとなっている、と言えるのではないでしょうか。

そして、悪い意味では「まるでカバーアルバムのよう」という現実離れした感触です。
が、逆に捉えれば現地味がなさすぎて「あの名作とは別物」と割り切ることができます。


酸味と爽やかさのスパークリングワインが、酸味も落ち着き、味もまろやかになったような。
(悪く言えば、「気が抜けた」ような)

ヤンチャしてた学生が留年しちゃって落ち着いちゃって居場所がなくなったような。

そんなアルバムです。

彼らの「今」を映し出すという意味では、一度触れておいてもいいかもしれません。

‥が、やっぱり1stは素晴らしかった。改めてそう思います。

Sonata Arctica - Destruction Preventer (もちろんオリジナルバージョン)






  

Posted by テン at 07:13Comments(0)S

2014年12月08日

9年目、突入。

このブログがスタートしたのが2006年12月4日でしてですね。

今年も無事にその日を迎えられることができましたですよ。
・・出張が重なってたこともあり、ちょっぴり遅くなりましたがね。

で・・
2007年で2年目だろ。
2008年が3年目だろ。
:
(以下指折り数える)
:
2014年のこの日で9年目か・・

ということで、丸8年を経過し9年目に突入したらしいですよ。
よくもまぁこれだけローカルなところで、ローカルな話で、迷惑も省みず、自己満足で・・と、思いますよね。ワタシじゃなくても。
えぇ、いいんですよ。自己満足で。

当時はムスメが4歳、ボウズが2歳くらい、ワタシにいたっては・・いや、ワタシの歳はどうでもいいか。
・・・もうその頃の子供の様子なんて思い出せないレベルですねぇ(遠い目)
今ではもう二人ともすっかり・・(以下グチっぽくなるので略)

当初の「プレゼンで連戦連敗したから、語彙力向上のため」という開設目的は、年々積み重ねてきた「飽き」「画一化」といった要素の下に薄れつつあるのは否定できませんが(ホントはソコを徹底しなきゃイカンのですが)、旅行関係や音楽のインスピレーションの記憶という「備忘録」の意味で意外と役立ってますかね。

子供が小さい時の記憶。
名作が生み出されたときの直感的感想。
自分の骨折、母ちゃんの死去。

そういった一つ一つを綴ってきてることが、自分にとってのブログの存在価値や持続意欲を高めてくれています。
いやー、続けてみるもんですね。

今ではtwitterfacebookといったSNSが主流で、ネットでの出会いや新しい関係構築も圧倒的にそちらが多い。
とはいえ、ひだっちブログ初期に繋がってくれた友人たちは、今でもネットと関係なくリアルな空間で大切な友人として繋がっている。
「お、俺のこと?」「あ、私のこと?」と思って下さったアナタ、アナタ、アナタ。
そう、アナタたち。
ワタシのようなメタルオタクにお付き合いくださって、ホントいつもありがとうございます。
そして今でも(以前よりは少ないけど)、ブログがキッカケで繋がりが生まれることもある。

そんなわけで、そういう思い入れも含めて、ワタシにとってブログは切り離せない存在だ。

基本的にブログは自分の正体がバレないように、ヒッソリと、コッソリと続けていくつもりだったんですが・・・
でも、着々とバレつつあるところに不安感を覚えてはいますが・・・
(とりあえず奥様にバレた段階でその不安も多少払拭された感もありますが)
けど、これからもその方針でヒッソリコッソリで行こうと思いますですよ。

もしよろしかったら、9年目もお付き合いいただけるとウレシく思いますですよ。




ということで、毎年恒例。この節目の日は最初に取り上げたバンドであるANGRAの関連で・・と思っているのですが。
もうそろそろネタが切れそうですよ。
けど、来年にはニューアルバムが・・という話もあるので、そちらに期待しつつ・・

SHAMAN / RITUAL




2002年発売。このアルバムが1stになりますね。
2000年にANGRAを脱退したアンドレ・マトスが結成したバンドですね。

バンド名、アルバム名、そしてジャケットに至るまで、トライバルなムードで覆われている印象です。

初期ANGRAで想起する「聖」「天使」「クラシカル」といった象徴的世界観とは異なるため、そういったファンにとっては違和感があることでしょう。
とはいえ、名作である2ndでもこういった空気は漂ってましたし、3rdから思えばむしろ「正統な進化」とすら言える流れを汲んでいるいるのではないでしょうか。
・・まぁ、バンドが違うので「進化」と呼べるかどうか分かりませんが、まぁ、アンドレ・マトスの進んだ方向、という意味で。

民族的であり土着的な空気をベースに、パーカッションや独特のリズムでそのトライバルなサウンドを紡いでいます。
アンドレ・マトス脱退前のANGRAの空気、そして脱退後にエドゥ・ファラスキを迎えての起死回生の一撃を思えば、袂を分けたのは当然のようにすら思えます。

そのエドゥ・ファラスキというヴォーカリストを得てからのANGRAの躍進はファンにとって記憶に新しいところでしょう。
そのおかげで
「なんだよ、アンドレ・マトスのバンドだと思ってたのに。マトス、いらなかったじゃん」
「マトスよりハイトーン伸びるし、結果オーライ!」
「CARRY ON をノーフェイクとは!エドゥ、すげぇ!」

みたいな空気になっちゃったのは、誰もが認めるところでしょう。

たしかに、アンドレ・マトスより上手い。
[CARRY ON]をノーフェイクで歌いきったライブは背筋がゾクゾクするほど感動した。
そして、ANGRAが新しい息吹で蘇ったことは間違いない。
ANGRAファンとしては嬉しいかぎりだ。

けどね。

ワタシはアンドレ・マトスも大好きなのだ。
だから、「マトス、いらねーじゃん」って空気だけは納得いかないのだ。

なんだかんだ言っても、アンドレ・マトスのVIPERからの流れがあってこその、あの奇跡の1stアルバムだったと思うのだ。
だから、エドゥの活躍でANGRAが蘇ったのだとしても、アンドレ・マトスにも頑張ってほしいのだ。

そんな数少ない(?)マトやんファンなら、是非手にとってほしいアルバムだ。(もう持ってるだろうけど)

イントロの[Ancient Winds]から続く[Here I Am]はANGRAファンでも納得のスピードチューン。
「ほらみろ!やっぱりアンドレ・マトスの才能あってこそのANGRAなんだよ!」と誇らしくなること間違いなし。
リズムの刻み方、印象的なサビ、中間部に盛り込まれたクラシカルなフレーズ・・・まさにVIPER時代から脈々と続く、アンドレ・マトスならではのメロディ。
名曲[CARRY ON]に通じるものがある・・というと大げさでしょうか。

アンドレ・マトスのヴォーカルを一言で表すと「危うい音域のハイトーン」といったところでしょうか。
その危ういラインが彼の声の魅力だから、エドゥの安定感と比べられるとキビシイ。
カイ・ハンセンのヴォーカルスタイルが好きな人なら、この「危うさ」の魅力を解ってもらえると思うんだけどなー。

そのヴォーカルスタイルは、ANGRAの時ほどは無理してないような気がします。
が、やはりそのハイトーン音域は健在。

その声、そのサウンドが一つになって、彼の独特の世界観を構築していきます。

続く[Distant Thunder]もANGRA系、と言っていいでしょう。
3rdアルバムあたりに入っても違和感なく、そして傑出した曲として人気が出たレベルなのではないでしょうか。

その後、このSHAMANならではのムードの曲が続きます。
このあたりでANGRAが好きな人にとってはCDを止めちゃう人もいるかもしれません。
が、3rdアルバムが許容できる人なら、そのムードを噛みしめることができると思いますよ。

ラストに配置された[PRIDE][Z.I.T.O]あたりを思いだすスピードチューン。
個人的には[Z.I.T.O]が「好きなタイプの曲なんだけど、いまいちのめりこめないんだよなー。けど、いい位置にいい曲を配置してるなー」と思っていたのですが、この曲もそれに類する印象です。
その「いまいちのめりこめない」のは、おそらく「直線的な疾走感」に由来してるんじゃないかなーと自己分析してますが。
いわゆる「メロスピ」を具現化してるとも言えるでしょうか。

ということで、なんだか「ANGRAに負けてないゾ」的な書きなぐりになってしまいましたが、なんとかアンドレ・マトスが再評価されてほしいという思いです。

VIPER時代からアンドレ・マトスが好きだった人はもちろん、エドゥのANGRAが好きな人にも充分にアピールできる曲もありますし。

そしてこのアルバムで「やっぱりアンドレ・マトスはいいなぁ」と思ってくれた方は、彼のソロアルバム[Time To Be Free]も是非。
クラシカルなイントロ[Menuett]から続く[Letting Go]は、ANGRAの名曲たちと並べても遜色ない絶品キラーチューンですよ。

・・やっぱり最後もANGRAと比べて終わってしまった。




SHAMAN - Here I Am ~ live in Sao Paulo
ブラジルでは人気あるね。途中まで「・・口パク?」と思うほどの安定感。
アンドレ・マトスにしては珍しいね。(失礼)
そしてこの頃はカッコイイ!












  

Posted by テン at 07:19Comments(0)S

2012年09月28日

色あせない煌き

LOUDPARK12で来日予定のSONATA ARCTICA
大好きだった(なぜか過去形)から、けっこう楽しみにしてるんですが、そういやあんまりブログに書いた記憶がないな。
・・と思って遡ってみたら、やっぱり初期のアルバムのことを書いてないじゃんか!

そんなわけで、温故知新。

SONATA ARCTICA [ECLIPTICA]



フィンランド出身。これが1stアルバムですね。
1999年リリースですから、もう13年前ですか。

当時の喧騒が記憶に残っている人は、そのスジの人でしょう。
さらに、「あー、STRATOVARIUSのHANS OF TIMEの時の盛り上がりに似てるなー」って感じた人は筋金入りのそのスジの人でしょう。仲良くしましょう。
・・ってなことはさておき。

北欧の透明感、北欧メロスピの象徴とも言えるキラキラとしたキーボード、パタパタと走り抜けるB級の疾走感、今にも崩れそうな青臭い緊張感。
メロディックスピードメタルファンが期待するもの全てを網羅した「いかにも北欧メロスピ!」なデビューアルバムは、驚きと称賛と喜びと皮肉と嘲笑とが混ざり合った喧騒の中で迎えられました。
結局のところ、こういった音楽が好きかどうかに尽きるわけですがね。

個人的には「スゲー新人が出てきた!」と衝撃を受けましたね。
今にして思えば(いや、発売当時でも)、B級臭は強かったし、歌詞はチープなトコがあるし、ヴォーカルラインは微妙だし・・
と気になった点もあるのですが、それを全て覆い隠すほどの勢いとフレッシュさと煌きがあった。
仄暗く幻想的なジャケットも印象的です。

そんなわけで、冷静に第三者的に書いてみたりしましたが、そんな理屈抜きでかなり好きです。
SONATA ARCTICAのアルバムで「やっぱコレだろ!」って人、多いのではないでしょうか。

アルバム全体が透明感とスピード感で包まれており、さらにその曲のメロディが単なる「B級」で括れないほどのクオリティを持ち合わせています。

オープニングを飾る[Blank File]のインパクト。

序盤で訪れる最初のハイライト[8th Commandment]は今でもSONATA ARCTICAの代名詞として語られることも多い曲ですね。
圧倒的疾走感、キーボードとギターのせめぎ合い、力強く美しいサビ・・・これですね、北欧メロスピは。

[Fullmoon]は、現在でもライブで披露される数少ない初期の曲の一つ。
「ラナウェーラナウェーラナウェー」のコーラスは、SONATA ARCTICAにあまり興味のない人でも「あー、あのラナウェーのバンドね」と想起させるほどのインパクトを残しています。

[Unopend]のイントロのキーボードの音色の美しさは、このアルバムの象徴的パートであるなぁと個人的には思います。

そしてハイライト[Destruction Preventer]を迎えます。
個人的にSONATA ARCTICAの歴史の中で一番好きな曲ですね。
8分近い曲ですが、もともと大作好きの傾向があるので。
これもまた歌詞がやや「・・・」ではあるのですが、緩急とフックで全く飽きさせることなくエンディングを迎えます。
途中の「オーオオーオーオオオー」というコーラスは一緒にシンガロングする衝動を押さえきれません。


こういった典型的なメロスピってのは、正統派メタルファンから「ピロピロ(笑)」とかって叩かれることも多い。
たしかにそういった一面もあったとは思うけど、わりと幅広く受け入れられたように記憶している。
上述した通り、曲のクオリティ、アレンジのセンスがB級で括れないものを持っていたと思う。
「典型的北欧メロディックスピードメタル」と聞けば、何人かがこのアルバムを挙げるのではないでしょうか。

この後の数枚を経て、今では「俺たちがまだメロスピバンドだと思ってる人がいるとしたら、それは大きな勘違いだぜ」的に、一気にスピード感を減退させてプログレ路線というかシンフォ路線というか、そういった穏やかでメロディックな方向を志しているようです。
これが冒頭の「好きだった」と過去形になってしまっている所以なんですがね。

それでも初期に魅せてくれた輝きは全く褪せることはありません。
逆に、こういった方向転換は初期に輝きすぎたバンドの宿命とも言えるのかもしれません。
ワタシ自身も、その後のアルバムを聞くたびに「やっぱ1stだよな」と思ってしまいましたし、その呪縛から逃れるためには仕方なかったのかなと思います。

8th Commandment
・・この曲をラウドパークで演奏してくれたら、悶え狂うことでしょう。最近やってないみたいなんだけどね。


  

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2011年09月30日

欠けた屋台骨

「このバンド、リーダーは○○なんだけど、実はコイツがキモなんだよな」って人がいる。
このバンドのドラマーも、その象徴的な人だったと思う。

STRATOVARIUSヨルグ・マイケル。彼がバンドを脱退したとアナウンスがありましたね。

今回は彼が加入後にリリースされた節目の作品を。

STRATOVARIUS [EPISODE]




フィンランド発。
「大ティモ」こと、ティモ・トルキが中心の(いや、中心「だった」)バンドの多分5th。1996年リリースですね。

このバンドの「節目」といえば、「小ティモ」ことティモ・コティペルトが加入した前作を挙げる方も多いのではないでしょうか。
が、ワタシ個人としてはコティペルト加入前にティモ・トルキが発言していた

ティモ「今度のヴォーカルは、マイケル・キスクとジェフ・テイトを足して2で割ったようなヤツだぜ」

ワタシ「マジで!?」

リリース!

ワタシ「・・・」


という経緯があったせいで、イマイチ印象がよくない。
当時のライブでの歌いっぷりも・・・いやいや、やめとこう。
その後コティペルトはドンドン上手になったし、彼に悪印象はないですよ。ただ「事前アナウンスでトルキがハードルを上げすぎた」ってだけ。

そういう意味で、このアルバムでのキーボード+ドラムのチェンジは、そこまでハードルが高くなかったにも関わらず、一気にサウンドに厚みが出たことが印象的だ。

キーボードのイェンス・ヨハンソンについては言及の必要はないでしょう。
この時点で Silver MountainYngwie Malmsteen に・・・という、北欧筋では知らない人はいないほどのキャリアを積んでいた猛者だ。
逆に「イェンス・・・ストラトでいいのか?」と思ったほどです。

そしてドラムのヨルグ・マイケル
当時「Running Wild のドラムがSTRATOVARIUSに加入!」という事実はRunningWildファンだったワタシとしては「またロックン・ロルフから一人離れていく・・・かわいそうなロッくん」というネガティブなものだった。
当時のストラトは「B級メロスピ」の象徴的存在だったしね。

そのベテラン二人の加入は、STRATOVARIUSを一気に「B級脱出、準備完了」のレベルまで押し上げてくれたような気がします。

イェンスのキーボードは、トルキのギターとのスリリングなせめぎ合いを見せ、さらにインストパートではイェンスならではの絢爛な華やかさを展開し、「北欧メタル」の醍醐味を加速させてくれました。
ヨルグのドラムは、全体的にパタパタしていた(これがB級の醍醐味ではあるのですが)サウンドを一気に重厚にし、バンドの存在自体を落ち着かせた感があります。

以前にも書いたかもしれないけど、STRATOVARIUSの成長はこのリズム隊と共にあったと思うのだ。

強力なバックを手に入れたティモ・トルキの作曲能力は、この頃から[INFINITE]あたりまで突出したものを見せてくれました。
さらにティモ・コティペルトも最初の期待値が高すぎて「・・・トルキと大差ねーじゃん」というレベルからメロディック・スピードメタル界を代表するシンガーへと成長を遂げた感があります。(よね?)

個人的には[INFINITE]がバンドとしてのピークかなと思っているわけですが、「節目」という意味では間違いなくこのアルバム。

オープニングの[Father Time]を初めて聞いたときの衝撃は、今もその風景が思い出せるほどのインパクトがあった。

正統派メタルファンに「またピロピロ(笑)」と揶揄されようとも、STRATOVARIUS最大の魅力は、楽器パートが競い合うかのようなスピードチューンだと思う。
その魅力が充分に堪能できるアルバム。
そういった曲が輝いているからこそ、ミディアムテンポの曲もアルバム内で映えてくる。

ヨルグ・マイケルはここ数年、病と戦っていたと聞いている。
だから、脱退のニュースを聞いたときには残念な気持ちと共に「・・・そっか。仕方ないな。今までありがとう」というのが率直なところだ。

今となっては、この手のバンドの中ではA級・・・というと反論はあるかもしれないけど、メジャーな存在であることは間違いないだろうと思う。
で、「ティモ・トルキがいてこそのストラト。彼が抜けてからは真のSTRATOVARIUSではない」という方もいらっしゃるだろうし、それは間違いない。
けど、ワタシとしては「イェンスとヨルグがいる以上、何か期待しちゃうんだよな」ということで、STRATOVARIUSに見切りをつけることができていなかった。

バンドの成長期を支えてきたトルキとヨルグが抜けたSTRATOVARIUS。また新たな「節目」のときかもしれません。



Stratovarius - Father Time (Live @ Wacken Open Air 2007)




Stratovarius - Speed Of Light





  

Posted by テン at 07:23Comments(3)S

2011年06月16日

温故知新

今年のラウドパークに関するいくつかのウワサの中で、特に大好きというわけではないんだけど「お!」と思わせるバンド名があった。

純粋にメタルのカッコよさを楽しませてくれそうな。
年代を越えてテンションが上がりそうな。
ジャンルを越えて盛り上がりそうな。(いや、メタルフェスだからメタルファン以外はいないハズだけどね)

SHADOWS FALL [THREADS OF LIFE]



アメリカ出身、2007年発表、5th。

ジャンルとしては「メタルコア」という括りなんだそうである。
純粋培養HeavyMetalファンとしては、このジャンルの括りを見ただけで敬遠したくなる諸氏もいらっしゃるかと思うわけですが・・・なかなかどうして、侮れないのです。

初期はそういったジャンルを志していたようですが、このアルバムで聞かれるリフは「あの時代」のスラッシュメタルへのオマージュともとれる内容。
逆に言うと、初期からのファンにとっては「普通のメタルアルバムになってるじゃんかよ」という不評も買ったようですが・・・。

こういったジャンルに疎いワタシとしては、勝手にTRIVIUM / KILLSWITCH ENGAGE と並んで「メタルファンと他のジャンルのファン、そしてオールドファンと新世代ファンを繋ぐバンド」だと思っているのです。
「その3つのバンドを同一で括るんじゃねぇよ。」というコアなファンの方、ゴメンナサイ。
あくまでも年寄りオールドメタラーのイメージですので。

このアルバム、第一印象としてはまずANTHRAXを想起しますね。
スラッシーなサウンド、ザクザクリフの刻み方、ヴォーカルスタイル。
そしてそこに猪突猛進正統派HeavyMetalの風味。その猪突猛進っぷりが時々EXODUSを思い出したり。
モダンな空気であることは間違いないのですが、80年代~90年代のスラッシュメタルの空気を内包しているんですよね。

ま、そういう時代を歩んでこられたメタルファンからすると、「これはこれでいいけど、あの頃のバンドのほうがいい曲多いんじゃね?」ってのも正直なトコかもしれません。
そう思っても、それはココでは言いっこナシってことで。

冒頭を飾る[REDEMPTION]「メタルコア」という先入観を持って聞くと「あれ?CD間違えてる?」というメロディアスなリフでスタート。
[FAILURE OF THE DEVOUT]ではニマニマしてしまうような突貫スラッシュ+北欧メロデス勢を思われるサビメロ。
[FINAL CALL]のイントロなんて、Avenged Sevenfold が使いそうなリフ。
そうそう、モダン+古典的メタルリフって組み合わせでいえばA7Xに通じるものもあるかもしれませんね。

個人的に「このバンドといえば、この曲!」っていうほどのインパクトはないんですけどね・・・ま、もともと主食としているジャンルとは趣が違うし、仕方ないですね。
ただ、上記のようなバンドたちとともに、古き良き時代のDNAをモダンな頭脳で新しい解釈を生み出して・・・というのは大歓迎です。
応援したいな、と思うわけです。


Shadows Fall - Redemption ( Official Video )


  

Posted by テン at 07:38Comments(0)S

2011年04月22日

ドリームチーム

さて。脳内で描いてみてください。

サウンドは、キーボードがキラキラと彩る、全盛期のSTRATOVARIUS
そして、ヴォーカルはティモ・コティペルト・・・ではなく、元ANGRAアンドレ・マトス

脳内再生されましたか。

そうそう。

まさにそんなアルバムです。他に言うことはありません。

ってことで、以下余白はトルキ&マトやんに捧げるよ。















































と、伊藤政則氏の名(迷)レビューをパクってしまいましたが・・・。

そのスジの方々にとってはドリームチーム!・・・だけど、そのスジの方々は当然現在のトルキ&マトやんの凋落ぶりを知っている方々とイコール。
いろいろと複雑な思いを巡らせつつも期待してしまうのは、双方の黄金期を知っているからですね。

SYMFONIA [In Paradisum]




SYMPHONIA・・・ではなく、SYMFONIAです。
メロディックパワーメタル界隈をウロウロしている人たちなら、一度は目にしたことがあるであろうメンバーで構成されていますね。

Vo. アンドレ・マトス!(元 ANGRA)
G. ティモ・トルキ!(元 STRATOVARIUS)
B. ヤリ・カイヌライネン!(元 STRATOVARIUS)
Key.ミッコ・ハルキン!(元 SONATA ARCTICA)
Dr. ウリ・カッシュ!(元 GAMMA RAY/HELLOWEEN)

・・・と、まぁ「!」をイッパイつけてみたものの、このメンツを見て「・・・続かねーな。コレ。」と思ったヒト。
ワタシと感性が近いですね。

とはいえ、一聴して思ったのは「ティモ・トルキ、どん底は抜けたかな。」という感じ。
STRATOVARIUSが彼のバンドだった頃のサウンドが蘇っていますね。

ドコドコドコドコ ダン! ピロピロピロピロ~ というドラム→ブレイク→キーボードへのスイッチもあの当時のSTRATOVARIUSそのまま。
そりゃ全盛期STRATOVARIUSのクオリティを期待しちゃいけない。
だけど、STRATOVARUIS末期(いや、バンドは続いてるから語弊あるかな。ティモ時代の末期ってことね)の頽廃的な状況、Revolution Renaissanceでの中途半端な活動を思えば、ひとまず「表舞台に帰還」という感はありますね。

オープニングを飾る[Fields Of Avalon]は、「ティモ・トルキのSTRATOVARIUS」でイメージされる全てが凝縮しています。
続く[Come By The Hills]は、これまたいかにもSTRATOVARIUSの2曲目といった感じで[Distant Skies]を想起させます・・・こういう単純なスピードチューンではないリズムを持つ曲を作れるのも強みだよね。

アンドレ・マトスも体型はティモに迎合するかのうように巨大化していますが、ヴォーカルは健在。
VIPERANGRA初期にはクラシカルなパワーメタルの第一人者として認知されて絶賛されていたにも関わらず、ANGRA脱退後は後任のエドゥ・ファラスキおよびアルバムが素晴らしすぎたこともあって「なんだ、マトやんいらないじゃん」という扱いを受けてしまったツイてない人。
その後のSHAMANやソロでも「らしい」曲を披露しながらも、ANGRA全盛期と比べられてしまい・・・

だけどね。ワタシ個人的にはANGRAのマトス時代、好きです。
細いけど、ピンと筋が通ってて繊細なハイトーン。エドゥとの比較抜きで、いいヴォーカルだなと思います。
いくらマイケル・キスクが上手でも、「やっぱカイのヴォーカルも好きなんだよね。いや、むしろ曲によってはカイじゃないとね」ってヒト、いるよね。(→わたしです)
ま、それと似てると思うよ。

で、トータルでは「今のトルキなら、まぁ・・・盛り上げたところで・・・どうせ・・・ねぇ・・・」という予想は嬉しい方向に裏切られた。
ひとまずファンがメンツを見て期待するであろうサウンドを、期待通り、忠実に表現してくれています。
けど、やはり全盛期を知る人にとっては、あくまで「期待通り」であって「期待以上」ではない。

ストラトサウンドをマトスが歌う。その一言。

だけど、それで充分だと思うんだ。

あの病的だったトルキが(今、その状態を脱しているのか定かではないけど)、期待通りのアルバムを出してくれたってことに意味があると思う。
この二人が新しいことにチャレンジするのではなく、「オレたちのファンが期待してるのは、コレだよね。」と、お互いの輝いていた時代を踏襲してくれたことに意味があると思う。
懐古主義といわれようが、媚びているといわれようが、これで良かったと思う。

聞いた話によると、バンドは4枚の契約をしているという。

今回はティモの意志が強かったのか、STRATOVARIUS色が強くなっているけど、マトスが自分の得意なクラシカル・カラーを織り込んでいけば、また違った魅力が生まれるかもしれない。
そう、アンディ・デリスマイケル・ヴァイカートという意外な組み合わせがマジカルな相乗効果を生み出したように。

ただ、その期待の反面、やっぱり「4枚ってムチャすぎる!」「オリジナルアルバム2枚、ライブアルバム1枚、あとは・・・まさかベストアルバム!?」という心配も尽きないのだが・・・。


Symfonia - Fields Of Avalon




Symfonia - Come By The Hills


  

Posted by テン at 07:33Comments(0)S

2010年01月06日

Welcome! 2010

みなさま、明けましておめでとうございます。
年末にも書いたけど、我が家ではブログのことは隠密機密秘密なので年末年始の間はブログを休んでました。

一週間ほど間隔が開いてしまうと、「このままドロンしちゃえよ」という悪魔の囁きが脳裏をよぎるわけですが、思い切って今年もスタートします。
メンドクサイけどなぁ。
なんだかんだで続けてきたからなぁ。
惰性だろうがなんだろうが、とりあえず続けないとなぁ。

そんなわけで脱力系ニートなオッサンの独り言ばかりですが、よろしかったら本年もおつきあいくださいませ。
しばらくは年末から年始にかけてのオハナシが多くなるかもしれません。

さ、新年っつーのは、なぜか毎年スラッシーな音が聞きたくなる。
家ではメタルは聞かないようにしてるので、今年一発目の出勤BGMにはコレをチョイス!

SODOM [SODOM]




ドイツの重鎮スラッシャー。
この作品が11枚目らしいよ。長いなぁ、なんだかんだで。

初めて彼らの音楽に出会ったのは高校時代
その破壊力と攻撃力に圧倒されながらも、それほどワタシの脳裏に刻まれることはなかった。

結構久しぶりに聞いた彼らのサウンドは、当時の記憶が蘇ってくるカタルシスを覚えながらも新鮮なものだったのです。

DESTRUCTIONKREATORあたりと並んでジャーマンスラッシュメタルの大御所。
ま、このテのジャンルがワタシの主食ではないことは時折書いていますが、やっぱり捨てがたいのですよ。このテも。

スラッシュとはいっても、アメリカのスラッシュ勢とは趣が異なる気がしますね。
METALLICAANTHRAXMEGADETHSLAYERといったスラッシュの血流とエレメントはTRIVIUMSHADOWS FALL、そしてKILLSWITCH ENGAGEといったバンドでチラホラと見え隠れして継承されているように感じるのですが・・・。

ジャーマンスラッシュ勢で感じることのできる泥臭さは唯我独尊天上天下質実剛健頑固一徹
亜流を許さないような愚直で一本気なサウンド。
売れようが売れまいが、時代が変わろうが変わるまいが、不器用なまでに自分のサウンドを固持しているといった印象があるのだ。

で、ワタシは[Sodomized]以来のSODOMなんですけどね。

爆走突貫スラッシュナンバーは相変わらず。苦笑すらこぼれるほどSODOMです。
が、思ったよりもミディアムテンポナンバーにカッチリとした重厚感があったり。
[City of God]のように、耳を疑うようなメロディアスパートがあったり。

あぁ、SODOMだなぁと思わせる持ち味を残しつつ、いまだに進化しているベテランスラッシャー。

大ファンというわけではないからそれほど知ったかぶりをするつもりはないけど、ひたすら我が道を進む彼らの名前を見ると、なんだか応援したくなるんだよなぁ。

Sodom - Wanted Dead



  

Posted by テン at 07:37Comments(4)S

2009年07月15日

それでも前を向く

紆余曲折があった。
もう表舞台に立つことはないと思ったし、「もういいから。もう歴史に泥を塗らずに、幕を下ろしたほうがいい」と思った。

が、彼らが選択したのは、「創業者」を排して「のれん」を守るというリスキーな道。

STRATOVARIUS [POLARIS]



バンドを初期から支えた(というか、彼のワンマンバンドだったといっても語弊が無い)、ティモ・トルキが脱退。
当然、作曲面/ギタープレイといった失ったものも大きかったわけですが・・・。
それよりも「チーム STRATOVARIUSの結束」というプラス作用の方が大きかったようです。

「STRATOVARIUSである」という信念を全員が共有し、それでも束縛されるわけではなく自由奔放に現在の姿を描ききった印象です。

全体を通して印象的なのは、まず透明感煌き。そして壮大でスペーシーなムード。
ジャケットの印象そのままです。

STRATOVARIUSの全盛期であった(と思われる)、パワーメタリックな印象が強い中期よりは、名作[INFINITE]の透明感に近いでしょうか。
そして皮肉なことに、ティモ・コティペルト加入前の初期のムードも漂います。

[Blind][Forever Is Today]といった定番のスピードチューンでは「あぁ、ストラトだ」という安心感は漂うものの、「いつものだな」というレベルを超えられていないのは残念なところ。

逆に、[Winter Skies][When Mountains Fall]といったスローチューンに耳を惹きつけられるのがこのアルバムのキモかもしれません。
特にインストパートの美しさは新生STRATOVARIUSで新たに宿った魅力で、「STRATOVARIUSって北欧メタルだったんだ」という原点を再認識させてくれます。

で、ムリヤリ総合すると・・・

突出はしてないものの、ファンが「STRATOVARIUSに期待するサウンド」を手堅くまとめたな。というところでしょうか。
そしてティモ・コティペルトの声が聞こえてくれば、やはりブランドとして確立されてるんだなぁ、ストラト印だなぁという個性を感じます。
上手い、下手の議論は抜きでね。

そして何より、ワタシがSTRATOVARIUSサウンドで最も愛していると言っても過言ではないイェンス・ヨハンソンのキーボードが鎖から解き放たれたように再び自由な輝きを放っているのがウレシイ!
さらにヨルグ・マイケルのドラミングもイイ!

ワタシにとってストラトは、イェンスヨルグという屋台骨があってこそ!彼らのプレイが輝いてこそ!という思いが強いのだ。
そういう意味では非常に満足。

ANGRAの、文字通り「再生」となった[REBIRTH]を超えるほどのインパクトはないものの、「お披露目」という意味では合格点ではないでしょうかね。

Stratovarius - Deep Unknown



Stratovarius - Forever is today

  

Posted by テン at 07:48Comments(2)S

2009年05月20日

器用貧乏?

「今度GODZ行ったら、コレをリクエストしよ!」と思っていた曲があった。
(GODZスタッフの趣味に合わず、CDがない!ってな状況だけが心配だったが・・・)
けど、なかなか行けなかったり、行ってもリクエストするタイミングがなかったりで「ダメかな、コリャ」と思ってた。
が、先日の東京出張で念願叶ったよ。

SYMPHONY X [EVOLUTION] ... From [V] Alubum



SYMPHONY X といえば、[The Divine Wings Of Tragedy]が代表作でしょうか。
様式美、テクニカルサウンド、メロディアスな悲哀、パワーメタリックなリフが同居した名盤です。

が、「SYMPHONY Xで、一曲選んでね」と言われたら、間違いなくコレである。
壮大なイントロダクションに導かれ、ザクザクと刻んでいくマイケル・ロメオのギター。
ミステリアスかつ「聖」なイメージにメロディアスかつキャッチーなサビ。
そして途中で挿入される「ガォーン」という鐘の音も外せないポイント。(ワタシは鐘の音に弱いのだ。)
SYMPHONY X を構成する要素を全て集約し、一つ上のステップへ押し上げた感のある名曲だ。

♪Here we are - Children of Sun and Stars

というサビで首を振りながら大合唱シンガロングの諸氏も多いのでは。(いねーか)

SYMPHONY X ってさ。
DREAM THEATERが評価されている日本国内にしては評価が低すぎると思うんです。
マイケル・ロメオのギターはテクニカルで流麗だし。
ラッセル・アレンのヴォーカルはパワフルで安定感バツグンだし。

曲もツボを押さえてると思うぞ。
YNGWIE的な様式美世界があり。
DREAM THEATER的なプログレッシブな面があり。
北欧メタル的な透明感があり。
パワーメタル的なココロ揺さぶる疾走感があり。
スラッシーなリフがあり。

・・・と、ここまで書いて気づいたけど、もしかして器用貧乏なのか?
いやいや、器用ながらそれぞれのレベルは高いと思うぞ。

そういえば、最近のアルバムはちょっと難解だな。そのへんが気になるところであり、そんなとこまでドリムシ化しなくていいんだが。

Symphony X - Evolution (The Grand Design)

  

Posted by テン at 07:43Comments(4)S

2009年04月21日

覚醒か?

スッタモンダの末、ティモ・トルキを排除(?)して「STRATOVARIUS」を名乗ることにしたようです。

そのSTRATOVARIUS、近々新作をリリースします。
後期STRATOVARIUSの顛末や作品クオリティを知る人にとっては、「ま、いまさらだな」といったところではないでしょうか。

でも、ちょっと待った。
その諦めは、コレを聞いてから判断してみてください。

透明感と煌きを纏った心地よいスピード感。
存在感抜群のイェンス・ヨハンソン(Key)と、ヨルグ・マイケル(Dr)。
そしてビミョーなティモ・コティペルトのヴォーカル。

すべてが「あのSTRATOVARIUS」です。

もしかしたら、もしかするかもしれませんよ~。

Stratovarius - Deep Unknown



Stratovarius - Higher We Go



経緯といい、クオリティといい、アンドレ・マトス脱退後に生まれたANGRAの神盤「REBIRTH」を思い出しますね。
「原点回帰」だけにとどまらない、何かから解き放たれたようなエネルギーを感じます。

アルバム全曲中の、「特にオイしい曲」なだけで、他は退屈かもしれませんから、まだまだ分かりませんが。
あまり自分の中でハードルを上げすぎないように、適度な期待でその日を待とう!
  

Posted by テン at 07:23Comments(2)S

2008年04月22日

足して2で割った

雑誌で久々に彼の顔を見て愕然とした。
波瀾万丈、七転八倒、五里霧中、一寸先は闇…といった状況に陥ったこともあったし…苦労したんだな。

その彼、ティモ・トルキ率いるSTRATOVARIUSの代表作といえば[Hunting High and Low]でしょうか。

が、今回は「小ティモ」こと、ティモ・コティペルトが新規加入した、このアルバムを。

STRATOVARIUS [FOURTH DIMENSION]




ティモ・トルキ曰く「今度のヴォーカルは、マイケル・キスクとジェフ・テイトを足して2で割ったようなヤツだ」という事前アナウンスがあった。
当時、若かった自分は「ぬぉぉ、そんな強力なヤツが入ったら最強だ!」と狂喜乱舞した。

結果…
ま、ヘタなヒトじゃなくて良かった。
ティモ・トルキが自分で歌うよりはいいか。
でも、マイケル・キスクとジェフ・テイトってのはどうよ?という鮮烈な「残念!」感が残り、今でも印象深いわけであります。

それはともかく、アルバムとしては「一皮むけた!」「最初の壁を破った!」という手応えがありました。
[AGAINST THE WIND][DISTANT SKIES]と畳みかけるオープニングは「新生STRATOVAIRUS」の船出にふさわしい力強さです。
後半には名曲[TWILIGHT SYMPHONY]もあるし。

その後、楽曲のクオリティ、メンバーの力量、サウンドプロダクション、全てが右肩上がりに飛躍していき、[Hunting High and Low]で、私個人は「きっとコレがSTRATOVAIRUSのやりたかったこと、そして頂点かもな」と思ったのでした。

その後、やや尻すぼみ感が否めませんが、メンバーの力量からすればまだまだ。
もう一丁、ビッグバンを起こしてくれる…といいけどなぁ。

そういえば、高山市内の「HITS FM」で唐突にSTRATOVARIUSの曲が流れたことがあったなぁ。
アレはなんだったんだろうか…気になる…。  

Posted by テン at 07:51Comments(6)S

2008年03月31日

幸か不幸か

バンドとして、それほど成功したわけではないと思う。
でも、その「一曲」があるために「あぁ、あの曲のアイツらね。いたいた。名曲だよね~」と、ピンとくる。
時代は過ぎても、その時代にHeavyMetalと共に生きた人の記憶に残る。(チョイ大げさかな)
よく言われるところの「記録でなく、記憶に残る」バンドだ。
それが幸か不幸かわからないけどさ。

七瀬ゆうりサンとこで懐かしい名前を見つけて、「ちゃんと通して聴きなおそう」って思った。
名曲[She's Gone]は鮮烈に記憶に残っているけど、アルバム全体のイメージの記憶がなくて‥。

STEELHEART [STEEL HEART]



改めて聴けば、悪くない。
カラっとしたFIREHOUSEというか、曲によってはVAN HALENあたりを想起したり。
ダイナミズムに満ちた、オーソドックスなアメリカンハード。
これからの季節、ドライブなんかにもいいんじゃないの。
それぞれの曲もフックがあるし。
けど‥悪くないけど‥なんというか、後味がアッサリというか、糸を引かないというか‥。

そんな中で終盤に[She's Gone]が。
曲も泣きのギターも、突如80年代ヨーロピアンハードなムードがムンムンと。
「バラード」というカテゴリに十把一からげにできない、突然変異とも思える力強さと慟哭です。
「パワーバラード」とでもいいましょうか。
久々に聴いてたら、SKID ROW[Wasted Time]を思い出してしまいました。
通じるものがある‥かな?

  

Posted by テン at 07:02Comments(3)S

2007年09月28日

ビビビ

ビビビ婚なんてコトバがありましたね。

とある日に、なんてことなしにチョイスしたCD。
今までもそれなりに聞いてたけど、その日に限ってまさに「ビビビ」とカラダに訴えてくるものがあった。
その曲を聞いたとたんに、「おいおい、こんなにいい曲だっけ?」と思い、
サビになればカラダの中心から指先まで全身に電流のようなシビれと鳥肌。

SONATA ARCTICA [WINTERHEART'S GUILD]



冒頭を飾る [ABANDONED, PLEASED, BRAINWASHED, EXPLOITED]
天空に向かって飛翔していくかのようなサビが印象的です。
新世代のメロディックパワーメタルの代表格。まさに面目躍如です。
1st/2ndの、「ちょっと青臭くて、でも瑞々しい」といったムードが好きだったので、当時は「なんだかオトナっぽくなっちゃったなぁ。」と思ったものでした。
その後、数枚のアルバムを重ねてすっかり認知された感がありますが(ホントか?)今にして聞き直してみれば、フレッシュさと落ち着きが同居した一つの彼らの完成形なのかも…と思えてきます。
ヨタヨタとしていたボーカルも安定してるし。
サウンドプロダクションもそれなりになってるし。

ジャケデザインも美しく、これ移行の「SONATAっぽいジャケ」が確立されはじめたアルバムでしょうか。

で、その勢いのままに SONATA ARCTICA の My Best Album を作成。



曲順は…って、自己満足の世界なので割愛。  

Posted by テン at 07:26Comments(0)S

2007年07月25日

美麗ジャケの誘惑

先日、METALLICAの記事をアップする際。
「やっぱ、このジャケがカッコいいなぁ」と、ついつい眺めてしまいました。

お気に入りのCDジャケット、ありますか。
時々眺めてみたくなりませんか。
どこかに飾りたくなりませんか。
もしくは、床に並べて一人で自己満足に浸ったりしませんか。(自分です)

お気に入りのCDと、お気に入りのジャケットはイコールではありません。
ジャケ買いしても「ジャケットに負けてるじゃん。」とか
内容が素晴らしくても「このジャケだけは頂けないなぁ。」とか。(コッチの方が多いかな)
共に素晴らしいとジャケのイメージと内容が相乗効果を生み出す。そんなこともあるわけで。

SYMPHONY X / The Divine Wings Of Tragedy



美麗、神聖なイメージのジャケット。
楽曲のクオリティの高さ。
文句ナシです。

様式美の世界を構築しながら、リフはスラッシュの如し。
スピード感を伴いながらも、あくまでテクニカル。
序盤は攻撃力重視。後半は構成力で聴かせる。

ヴォーカルも安定感抜群。
雑誌の「ベストヴォーカル」とかに名前が載ることはないけど、自分の中では結構上位に来るかな。

ジャケが「天使」「女神」「聖女」「教会」といった「聖」なイメージだと、ついジャケ買いしそうになります。  

Posted by テン at 07:14Comments(0)S

2007年05月09日

ちょっと前に仕事でも家庭でもイロイロ考えさせられることがありましてね。

仕事も調子が出ない。
ウチでも喋りたくない。
子供とも遊んでもテンションを上げられない。
心はモヤモヤ。どんよりと黒い雲がかかっているかのよう。
ちょっとした「鬱」状態でしょうか。

カーオーディオに入っていたロケンローなノリの音楽はイライラする。
で、落ち着くBGMはないか…と試した結果、コレがドンピシャでした。

SENTENCED / THE COLD WHITE LIGHT



イメージしてみてください。
北欧。夜。鬱蒼とした森林の中。獣の声。孤独。
極寒、暗黒の中での絶望の叫び。
それを具現化したかのようなアルバムです。

哀しく、切なく、激しい。でもなぜか、その慟哭は美しくすらある。
メランコリック・デス・メタルなどと表現されているようですが、言い得て妙です。

[Excuse Me While I Kill Myself]なんて曲を聴いていたら、そのタイトル通り「オマエもう生きている価値ないよ」と心の悪魔が囁いてきそうです。
やけに心とシンクロしたこのアルバムを3日ほど連続で聴いていたら、なんだか心の闇が少しづつ晴れてきた。
音楽の力は偉大だ!
  

Posted by テン at 07:07Comments(2)S

2007年03月02日

頂き物

だいぶ前になりますが、知り合いからCDを頂きました。

「メタル聴くんだって?じゃ、これあげる。」
といって、差し出されたCDは SKID ROW [Slave To The Grind]



海外のチャートで一位になっていたので買ってみたとのこと。
でも、「うるさい」「なぜ売れてるかわからない」そうです。
だから、あげる。って。

SKID ROW といえば、セバスチャン・バック。
モデル顔負けのルックス。なのに「メタル・キッズ」丸出しな純粋さ。
希有なフロントマンだったなぁ。(脱退したので過去形)

[Monkey Business]から[Slave To The Grind]のヘヴィな流れ。
特に[Slave To The Grind]。アタマを振らずにいられません。
ポップ(?)な[Get The Fuck Out]、そしてパワーバラードの名曲[Wasted Time]までツブ揃い。

このクオリティの高いアルバムも、一般的洋楽リスナーには敬遠されるんだ…。
と、寂しい気持ちになったのを思い出します。  

Posted by テン at 06:46Comments(2)S