ヘビメタパパの書斎 › 2014年05月

スポンサーリンク

この広告は一定期間(1ヶ月以上)更新のないブログに表示されます。
ブログ記事の情報が古い場合がありますのでご注意下さい。
(ブログオーナーが新しい記事を投稿すると非表示になります。)
  

Posted by at

2014年05月30日

四半世紀を越えて

ずっと大好きなバンドだ。ワタシのメタル史の中では、常にココロのどこかにいるバンドだ。
逆に身近すぎて、普段聞かなくなっちゃってるほどだ。
そういえば、ブログで取り上げることも意外と少なかったりする。

この当たり前のように体内に染み込んだバンドが、ついにラウドパークの舞台に立ちます!


RAGE [ Secrets in a Weird World ]




ドイツ出身、今なお現役のベテランパワーメタラー。

このアルバムはワタシがRAGEと出会うキッカケになった作品で、思い入れも強い。
wikiによると、1989年リリースの4thですね。25年!四半世紀!

最近はメンバーチェンジを経て、ストロングかつストレート、スケールの大きなバンドになってきた。
現在のほうがファン層は広いだろうし、一般的認知度も上がってきてると思う。

が、この頃のサウンドも捨てがたいのだ。
というか、ワタシにとってはこのアルバムから数枚のスタイルこそがRAGEだと思ってるのだ。
懐古的と言われてもキニシナイのだ。

この頃と現在のスタイルの大きな違いは、まずピーヴィーのヴォーカルスタイルが顕著でしょうね。
「ニワトリの首を絞めたような声」と言われていたような言われていないような、とにかく「無理してる」感が漂いますね。
が、これがB級臭を一層強くしています。好き嫌いは別にして。

そして、ソリッドかつテクニカルなメロディとリフ。
一聴すると不協和音のようでありながら、綿密に構築されたメロディ。
剛直で、時にスラッシーとも言える荒々しさ。
ピーヴィー&マンニ&クリスのトリオの時代ならではの個性を発散していますね。

ワタシがRAGEのベストアルバムを作るときには必ずオープニングのイントロにする[Intro (Opus 32 No.3)]
前述した「不協和音」、そしてミステリアスなイントロダクションで幕が上がります。
[Make My Day]は初期のスピードチューンを代表するような曲ですね。こうしたザラついたアグレッションは、初期ならでは。
そして超名曲、ワタシの中でRAGEといえば、今も昔も変わらずこの曲である[Invisible Horizons]
この曲がキッカケでRAGEに入ったという人も多いのではなでしょうか。
まさに地平線に向かって飛翔していくかのようにポジティブでありながら、RAGEならではのクセのあるメロディが全開です。
さらには現在もライブの定番となっている[Light Into The Darkness]

曲単位で見ると出来の良し悪しがあることは否めませんが、それでもこれだけの代表曲が詰まっているわけで、かなりのインパクトを残します。
なんといっても[Invisible Horizons]を収録しているアルバム、というだけで存在感バツグンなのだ。

この後、このトリオ編成の中でも徐々に洗練されていくわけですが、このアルバムが初期荒々しさとメロディセンスが絶妙なレベルでブレンドされていますね。
また、ピーヴィーのヴォーカルスタイルも中低音を重視して無理のない声にシフトしていきます。
この「無理のない声」へシフトしつつ、初期~中期のRAGEらしいメロディの充実を見ることができる、この次、そしてさらにその次あたりが一つのピークだと思います。
そういう意味では、過渡期ののアルバムであり重要なステップアップのキッカケとなったアルバムではないかと思います。


名曲[Invisible Horizons]も、最近のライブでは低いヴォーカルでの再現となっており、これはこれで良いのですが・・
やはりオリジナルの曲を聞くと「やっぱコレなんだよなー」と思います。

これは、[HOW MANY TEARS]マイケル・キスクの声で聞いたあとに、オリジナルのカイ・ハンセンのヴォーカルを聞いたときの「コレなんだよなー」に似ています。

「スケールが大きくなった」「メジャー感が出てきた」といったポジティブな反応のもとに、シンフォニックだったりクラシカルだったりプログレッシブだったりといった方向性を模索するパワーメタルバンドは多い。
KAMELOTだったりBLIND GUARDIANだったり。
そしてRAGEもそのバンドに数えられるだろうと思う。

それを否定するつもりもないけど、やっぱり初期の漲るエナジーに惚れ込んできた時代の人にとっては、その時代のその姿こそがそのバンドの魅力だと思っちゃうわけです。

さて、積み重ねてきた四半世紀の歴史を、LOUDPARK14でどのように見せつけてくれるでしょうか。
ワタシ自身もRAGEのライブは久しぶりなので、すごく楽しみにしています。



Rage - Invisible Horizons やっぱ名曲だ!


  

Posted by テン at 07:23Comments(0)R

2014年05月21日

「まさか」の

「まさかの」というと語弊があるでしょうか。
それでもやはり「まさかの」という枕詞を付けたくなりますね。彼らがまさかのコンセプトアルバムですよ。

BLACK VEIL BRIDES [Wretched and Divine: The Story of the Wild Ones]





もともと彼らのことを知ったのは、前作[Set the World on Fire]内の[Fallin Angel]という曲がキッカケ。
実にキャッチーかつガッツ溢れる曲で一撃KOでしたね。
こういう曲、大好きなんだよね。

そういえば、このバンドのことをブログに取り上げるのは初めてなので、自分の知識を補足がてら、いつものwikiに頼ってみましょう。

アメリカ出身。このアルバムが3rdになりますね。

グラマラスな(言い方を変えれば「ケバい」)風貌、アメリカ出身、とくれば、MOTLEY CRUEを想起される方も多いかと思います。
まずヴィジュアル的には、そんな感じをイメージして頂ければと思いますね。

が、音楽性はモトリークルーよりも圧倒的にキャッチー。
カラッとしたアメリカンハードロックとは一線を画していますね。
適度にウェットでメロディアス。

そしてガッツ溢れるサウンドはSKID ROWあたりにも通じるかもしれません。

そんなスタイルだと、どうしてもコンパクトなアルバムをイメージしがちですが、このアルバムは曲数で言うと20曲!
途中途中で短いインストというかSEを挟んだ作りになっています。
それでも全くダレることなく、最後まで緊張感を孕んでいるのが素晴らしい!

このバンドの魅力を個人的嗜好で語るなら、そのキャッチーな曲に添えられた「ウォーゥォー!ウォーゥォー!」「ヘイ!ヘイ!」といったコーラス。
ライブで映えそうな曲ばかりが並びます。

全体的にはストーリー性を重視してか、ややダーク&シリアスな空気が漂うわけですが、そのシリアスな空気の中でシンガロング必至のキャッチーな楽曲がひしめきあう、その温度差が心地よいのです。


イントロダクションに続く[I am Bulletproof]で聞かれるリフは、Bullet for my Valentineを思わせる鋭利さですね。
そして、彼らの真骨頂と言えるであろう[Days are Numbered]
硬派なハードロック調に始まり、サビで一気に視界が拡がるかのうようなメロディ。
胸を抉りつつ、いてもたってもいられないような衝動に駆られます。
そして本編ラストを飾る[In the End]。荘厳なコーラスに導かれ、そのシリアスに彩られたストーリーの扉を閉めて新たに歩きだすような、ミディアムでありながら力強く前向き、そしてやはりキャッチー。
ぜんぜん曲調もジャンルも違うんだけど、アルバムの中でのポジショニング(曲の順番ではなく、存在感や存在意義ね)という意味ではROYAL HUNT[SILENT SCREAM][EPILOGUE]を思い出します。


そのヴィジュアルと相反するようで、でもやっぱり違和感があるわけでもなくて。
典型的アメリカンハードではなくてヨーロピアンハードを思わせるところがあって、でもそのスケールはアメリカンハード(もっといえばアリーナロック的)で。
シリアスでありながら暗いわけではなく、かといってカラッと明るいわけでもない。
そしてキャッチーでありながら軽くならず、あくまでもヘヴィな音像。

前作で垣間見た(というか、充分にその魅力が発揮されていた)、その音楽性ですが、さらに貪欲に前へ進んでいます。
実験的でありながらも王道であるかのような貫祿に満ちています。

この不可思議な位置づけ、聞いて頂ければ分かると思うのです。
そして、しつこく「キャッチー」というキーワードを使ってしまいましたが、そのキーワードが気になる人は是非聞いてみて頂きたいものです。


Days Are Numbered





In The End

  

Posted by テン at 07:13Comments(2)B

2014年05月13日

武士魂

考えてみれば、これで3連続の国産メタルってことになりますね。
もともと日本人が作る音楽が日本人の感性に一番訴えるのはあたりまえのことだからね。
ジャパメタを毛嫌いしてる人もいるかもしれないけど、いいバンドも多いんだよね。

で、このバンドも名前程度しか知らなかったのですが、素晴らしいのですよ。

兀突骨 / 影ノ伝説




もともとは、先日渋谷でLightningのライブに参戦したときに前座で出てましてね。
「そういやB!で見たことあるバンド名だな」って程度で見てたんですけどね。
とはいえ、バンド名も読めませんでしたけどね。
(ちなみに、「ごつとつこつ」と読みますね。)

圧倒的かつ強烈な存在感で、個人的にこの日のMVPだったわけです。
で、後日詳細を調べつつCDを購入しましたよ。
MCで自ら「川越のブルータルキング」と言ってたので、川越出身なんだなということは分かりましたが、他の詳細はやはりwiki頼りですね。
・・と思ったんですが、載ってなかったですね。

とりあえず、アルバムは2枚出してて、これが2ndになるようですね。
そして、ライブで見た通り、トリオ編成ですね。

ベースがバンドの中心のようで、ライブでもアルバムでもベースの音がかなり全面&前面に押し出されていますね。
このベースの気持ちよさがこのバンドの一つのキモだと思いますね。


音楽性はデスラッシュといったところですかね。(このあたりのジャンルはあまり詳しくないので、あくまで感覚ってことで御容赦。)

個人的に究極のスラッシュメタルだと思っているSEPULTURAARISEの雰囲気に近いと思うのだ。
ヴォーカルスタイル、スピード感、重厚さ、そして悲壮感が漂いつつも美しさを感じるメロディライン。

古き良きスラッシュメタルの薫り、そしてメロディックデスメタルが生まれる前の、限りなくデスメタル風味なんだけどデスメタルじゃない、心地よいアグレッション。
このバランスがタマンナイのです。


そのデスラッシュの猛進に日本人ならではのエッセンスがふりまかれています。
歌詞も全て日本語詩。(まぁ、咆哮型ヴォーカルなので歌詞カード見ないとほとんど判別できませんが)

その純和風なエッセンスもこのバンドの大きなアクセントになっています。

基本的には、このゴリゴリのスピード感でアルバム全体を押し切っています。
やや長めの曲もあるのですが、まったく飽きさせない場面展開を構築してますね。
ベースの存在感だけなく、ギターソロの流麗さも秀逸です。


ワタシのように、普段はメロディックパワーメタル、メロディックスピードメタル、メロディックハードロックといった「メロディー」をキーにしたバンドを主に聞いている人には「ゼッタイオススメ!」と声を大にして勧められるジャンルではないかもしれません。

が、国産メタルが好きな人、あのスラッシュメタル全盛期を渡ってきた人には是非聞いて頂きたいですね。


前回のブログでMy Material Seasonを推して「このピアノとブルータリティの組み合わせは日本ならでは!」と書きましたが、この「武士道スラッシュメタル」というか「戦国デスメタル」と呼んでも過言ではないスタイルも、やはり日本ならでは。
いいバンドです。

もう一度ライブを見たい!と思うのですが・・田舎住まいだと、なかなかね。
東京出張のときに重なってくれるのを願うばかりです。


兀突骨 / 復讐ノ祝詞



  

Posted by テン at 07:14Comments(2)国産

2014年05月02日

美と暴虐

洋楽メタル至上主義の人の中には、国産メタルに「もっとやれるだろ!」という叱咤する思いを抱いている人も多いと思う。
そういう人たちは「アジアの雄」となったChthoniCに対して「これを日本のバンドにやってほしかった」と思ってる人もいるのではないかと思う。(ワタシです)
そんな中、「この手があったか!」というスタイルのバンドに出会いましたよ。


My Material Season / Awaking To The Piano Dramatic





このバンドのこと、全く知りませんでした。
たまたま東京へ出張に行った際にDiskUNION新宿ヘヴィメタル館で演奏されており「お!」と思ったのがキッカケ。
まぁ、最近の新宿店はわりとジャパメタ押しの感があるし、勢いで買ったらイケナイな。と思って、その場では躊躇。
翌日、たまたま帰路で時間ができたのでDiskUNIONお茶の水店へ行ったところ、またこのバンドが!

二日連続で、ここまでプッシュしてるってことは、素晴らしいに違いない。
二度目に聞いても「やっぱコレ、カッコイイんじゃないか!」と思えたし。
ということで入手。

・・まぁ、買ってみたらDiskUNIONのレーベルだったというオチがあったわけですが。

さて、このバンド。名前すら知らなかったので、一応wikiの情報をまとめると。
・2005年、埼玉県で結成
・トリオ編成
・このアルバムはセカンド


ということらしい。

その音楽性を一般的なカテゴリで括るなら、メロディックデスメタルということになるでしょう。

以前からこのブログで書いている通り、ワタシの主食はパワーメタルおよび北欧およびメロディックハード周辺なので、デスメタルとはあまり接点がない。
まぁ、キライではないけど、のめり込むほどではない。
が、「メロディックデスメタル」というジャンルが確立されてから、距離が縮まってきたのは事実だ。
特に初期CHILDREN OF BODOMNORTHERあたりのキラキラとしたキーボードが満載のメロデスが好きだ。


そしてこのバンド。
アルバムタイトルにもあるように、「ドラマティック」「ピアノ」がキモのバンドだ。

そのピアノの使い方、そのメロディの構築美。

それは完全にXのそれと通じるものがある。
もっと言えば、YOSHIKIの美意識をデスメタルに盛り込んだような音楽性だ。

これまた以前から書いてるかと思いますが、初期Xでメタルというジャンルを知り、HELLOWEENへ流れた・・という、この世代では鉄板と言える流れでメタルにのめり込んだワタシだ。
このメロディに反応してしまうことは必然なのだ。

美しく爪弾かれるイントロ。このイントロを聞いてるだけで[Silent Jealousy]のメロディが脳内で先走ってしまいます。
そして開幕を告げる[DIVINE BLAZE]。もう完全に「エックスデスメタル」「YOSHIKIデスメタル」と呼べるもの。
あの頃のエックスを思わせるスピード感、ピアノアレンジです。
これまた脳内で「真紅」「薔薇」「蒼い涙」といったキーワードが浮かんでは消え浮かんでは消え・・といった状況に陥ります。

中盤に配置された[AWAKING TO THE PIANO DRAMATIC][BLACK DAHLIA]も同系統。これまた素晴らしいです。
「DAHLIA」というキーワードが入ってるだけで、なんだかウレシくなりますよね。

ラストの[LOST FORSAKEN]では、そういった流れを汲みつつもGALNERYUSを思わせるヒロイックかつ正統派な一面も魅せてくれます。

「この曲はちょっと・・」「このアレンジはどうなのよ」という曲もありますが、これだけメロディの充実したキラーチューンが並んでいれば充分でしょう。
ヴォーカルスタイルは、クセのない正統派デスヴォイス。
・・まぁ、デスヴォイスで「クセのない」ってのもヘンな話なんですがね。
ある程度、他のメロデス耐性がある方なら問題なく聞けるのではないかと思いますね。

上述した通り、Xが好きだった人には一聴してほしいサウンドです。

そして、アジアらしい「オリエンタルな世界観とブルータルなサウンドの融合」という日本人が最も得意そうなサウンドを台湾のChthoniCが自分のものにしてしまっている今。
「美と醜のコントラスト」は既に世界的にスタンダードな手法になりつつある中。
日本人ならではの繊細な煌きを放つピアノとメロディックデスメタルの組み合わせ、それを違和感なく形として魅せてくれたのは新鮮でした。

次作も楽しみですよ。


My Material Season / Awaking to the Piano Dramatic (Official Trailer)
・・トレイラーだからブツ切りだけど、雰囲気は充分に伝わるハズ。







  

Posted by テン at 07:26Comments(2)国産