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2023年01月12日

祈りは、届かず

このバンドのことを記事にしたのが2022年8月12日

そのときはまだ彼女は闘っている最中だと思っていた。

が。
8月17日。
バンドは彼女が8月5日に亡くなっていたことを発表した。
私が記事を書いたときにはすでに亡くなっていたという事実は強い衝撃でした。

彼女が遺した最期の「生きた証」がリリースされました。

THE UNCROWNED [WITNESS]

祈りは、届かず


2022年9月リリース。
彼女が8月に亡くなり、9月にリリースされた、まさに「置き土産」といえる作品。

子宮頸ガンと闘病しながら、生きる意志を発信しつづけ、その中でアルバムリリースのために動いていた。
その精神力に尊敬と感動の念でいっぱいです。
苦しく、辛い中での、大好きな音楽に向き合う時間。
もちろん、このアルバムがリリースされ、ファンの声に耳を傾け、喜び、ライブのステージに立つ。
SHALさんはそんな自分を思い描いていたと思います。


アルバム全体を彩るSHALさんの声は、病魔に侵されていることなど微塵も感じない。
前の記事でも書きましたが、SHALさんらしい「硬質な強さとしなやかさ」が同居する個性。

サウンドとしては、初期の「メタルっぽく」という意図はいい意味で減退。
真っ白なキャンパスに、「いまやりたいこと」「いま歌いたいこと」を染め上げていったかのような。

自由なのだ。
自由でありながら、THE UNCROWNEDらしいロックテイスト、キャッチーさ、そして歌詞のポジティブさ。
自然に溢れ出る「らしさ」がアルバムを彩ります。

どうしてもSHALさんの声や歌詞に耳を奪われてしまうわけですが、第一印象は「彼女がアルバムの中で踊っているかのようだ」ということ。

軽やかに。自由に。誇らしげに。
悲しげな姿でなく、笑顔で華やか舞うように。
SHALさんの感情をすべてキャンパスに描ききったかのような。

なんという強靱な音楽への想いでしょうか。
感情が交錯して、たくさんのことを綴るには言葉が軽くなりすぎる。

SHALさんの冥福を祈りつつ、SHALさんに心から感謝したい。
素晴らしい音楽を遺してくれたことももちろんですが、ウチのムスメは子宮頸ガンワクチンを迷っていたのですが、SHALさんの話をしたら「私も接種する」と前向きになり、接種してくれた。
彼女の闘う姿はネットでも話題になり、幾多の女性を救ってくれた‥と思いたい。

ありがとう、SHALさん。安らかに。


THE UNCROWNED - LAST MEMORY ~四月の風~ (Official Music Video)

この曲は、亡くなる4カ月前に撮影されたとのこと。
しかも4月に亡くなった友人に捧げた曲。
そして友人役はTEARS OF TRAGEDYHARUKAさん。




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Posted by テン at 07:31│Comments(0)最近の記事
 
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