ヘビメタパパの書斎

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2023年11月13日

忘れたわけではないけれど

忘れてた‥わけではない。
けど、「バンド名を聞いてワクワクする」という時期は少し色褪せた。
が‥。

DREAMTALE [Everlasting Flame]




フィンランド出身。
wikiによるとこれが8作目になるようですね。
2022年リリースの新譜になります。

このバンドとの出会いは1stアルバム。
同じくwikiで調べてみたところ 2002年。ってことは、ちょうど20周年ですね。

この頃はAxsensterCelestyといったB級(褒めてる)メロスピが隆盛の時代。
その一角を担っていた感があります。
いわゆる北欧メロスピ/メロパワの潮流に乗り、曲のクオリティもあって、1stからかなりのファンを掴んでいた印象です。

その後、個人的には少しこのバンドから離れていたのですが‥。
今作は素晴らしい!のです!

私の脳裏に残っていた彼ららしさとは一線を画すものの、王道メロスピ/メロパワでありながら様々な光を放つアルバムになっています。
よく言えば、このジャンルの最大公約数のような。
悪く言えば、美味しいとこを寄せ集めたような。

いいのです。
1stのような「あー、これですよね(笑)」という微笑ましさを脱却し、開き直りすら感じるのです。


「♪Rise Up High!!」という朗らかなシンガロングに導かれ、ポジティブな疾走で幕を開ける [King of Kings]
この歌詞、このパターン、この「躁」感。
そうですね。
フリコですね。
フリコですよ。
まるでFreedomCallのような世界観ですよ。

そしてココで気づく。
「これ、ヴォーカル二人いないか?」と。

調べてみたところ、今作から女性ヴォーカルが加入してツインヴォーカルになったらしいですね。
この曲での歌唱はBATTLE BEASTのパワフルさを彷彿するなぁ‥と思っていたのですが、まさかのホントに元BATTLE BEAST
この女性ヴォーカルが今作の強烈なキモになっています。


勇壮な疾走感が印象的な[Blood of ther Morning Star]
サビが拳振り上げシンガロングからの流麗なメロスピ的メロディ。
まさにBATTLE BEAST的な力強さとDREAMTALEらしいメロディの融合。
ソロパートの美しさも印象的。
今作におけるスケールアップを感じさせる良曲。

幻想的なイントロパート、たゆたうような浮遊感あるメロディ。
そして一気に声色を変えた彼女の声に驚くことになる[Last Goodbyes]
まるでNIGHTWISHのような美しい世界となっています。

[Ghostride]ではSTRATOVARIUSが得意そうなリズムの刻み方。
ヘヴィでありながらリズミカル。

[Immortal Souls]でのちょっとポコポコした装飾、サビ前の疾走感からのスペイシーなサビ。
これは‥Heavenlyじゃないすか。
メロディ、言葉の韻の踏み方とかもすごくHeavenly的。
彼女の声もここではまるっきりHeavenly的。

この「Heavenly的」というニュアンスは、アルバム随所に感じられ、個人的にこのアルバムの高感度を爆上げさせてくれます。
あのメロディ、あのサウンド、あの声が蘇るかのようです。
[Summer Rose]でもそのニュアンスを感じることができますね。

[The Glory]は典型的「メロパワ」路線。
二人のヴォーカルが交互にパートを受け持ち、今の体制、そしてDreamtale的な音像。
過去からの進化と現在の強靱さを最も表現した曲になっています。

Queenの「あの曲」的展開から、GAMMA RAYの「あの曲」的な展開を挟んで、キャッチーなメロディックチューンへと流れ込む[Eye for an Eye]
どうしても曲の入りの印象が強すぎるのですが、これもクオリティが高いチューン。

[Silent Scream]はこのアルバムのひとつのハイライト。
BATTLEBEASTの感情揺さぶる高揚感+音圧、そこにDREAMTALEの魅力である北欧らしい美しいメロディラインを纏わせたような。


意外なバンドが意外な良作を‥というと、過去からの根強いファンからはお叱りを受けるかもしれない。
が、しばらく離れていた私にとっては、「帰ってきた!」というよりは「生まれ変わった!」という強い衝撃でした。

メロパワ/メロスピ界隈では最近の中で指折りの傑作ではないでしょうか。

いろんな「●●的」という表現を用いてしまいましたが、その中の一つにでも「お」と感じるものがあれば聞いてみて頂きたい。
この体制で継続してくれることを願うばかりです。



Dreamtale - The Glory (Official Music Video)












  

Posted by テン at 07:46Comments(0)最近の記事

2023年10月19日

それぞれの秋。2023

いつも春にこういったことを書き綴るのですが季節は巡ってしまいまして‥。

:
:

大学3年生になったムスメ。

某関東の地方大学に通うムスメですが、二年生の冬になり「私決めた!東京で一人ぐらしする!」と宣言。勝手に宣言。
‥もうアパートは三年目も再契約しているんですが。
バタバタと物件を探し。
バタバタと再契約解除をお願いし。

引越しの見積の際には
「とてもお一人様向けプランは適用できない荷物の量なので通常の引越しになります」
と20万越えの見積になり驚愕し。

とりあえず引越し業者さんには単身向けプラン分(×2)でお願いしつつ、あとは私の車で運ぶことになり。
3~4往復しましたよ。
結果、私は5泊6日の引越しの手伝い。

で、無事に東京都民となりました。
中学~高校と東京に憧れてたムスメ。ひとつ願いがかなってよかった。
(すんげぇオカネかかったって奥様はプリプリしてましたが)

3年生になり、学業も充実していよいよ就職活動も始まります。
‥ってのは一般的な大学生の話。

ムスメは東京の劇団に所属しているらしく、東京都内での稽古と大学の二刀流。
そんなことしてる場合なのか‥と思いつつ、どちらもそこそこ電車の時間も費用もかかるのに継続しているのは尊敬に値します。
そのためにタフなバイトも続けているようですね。

さらにこの秋。
ムスメ「これからM1行ってくる」
「おー、お笑い好きやもんな。見た芸人さんが決勝いくといいな」
ムスメ「違うさ。出るんやさ」
「!?」

もちろん一回戦敗退ですが、「楽しかった!ちゃんとM1のステージやった!」と、いい記念になったようです。

学業も(最低限ですが)頑張りつつ、やりたいことに全力で自力で立ち向かうムスメ。
「大学生のときにやっておけばよかった‥って後悔したくない」
という思いをカタチにしています。

がんばれムスメ!就職活動も頼むぞムスメ!




春から大学生になったボウズ。

無事第一志望の大学に受かり、新たな生活が始まりました。
「学校に近いところならなんでもいい」と言っていたので、受かることを祈りつつ選んでいたアパートも無事契約。

ボウズも東京なので、いまはムスメもボウズも東京都民
まさかそんな日がくるとは‥。

ムスメのときはコロナで制限があった入学式。
ボウズのときは私も奥様も参加できました。
スーツを纏ったボウズの凛々しさは感慨深いものがありましたね。

ハードルが高いと思われた第一志望の大学は、入試が狭き門だったことも当然ですが、入学してからがなかなか大変らしく
「ついていくのが精一杯」
だそうだ。

ボウズの高校時代、「まったく会話がない」「聞いても返事がない」「いつも機嫌悪い」と嘆いていた奥様。
私は「高校男子の母親に対する態度なんてそんなもんやさ」「受験が終わればちょっと落ち着くさ」と話していました。

で、実際大学生になって‥。
ときどき
「友達と○○いってきた」
「友達とウチで餃子パーティーやった」

と報告がくるようになりました。

奥様との直接ラインも頻繁らしく、「なー、言った通りやったろー」と(思ったより早い雪解けでしたが)。

サークルにも参加し、そのサークルの報告もしてくれる。
犬猿の仲だったムスメとも直接いろいろやりとりしているようだ。

そうそう、もともとこういう子だったんですよ。
元に戻っただけなんですよ。

一人で料理もよく作るらしく、帰省すると
「お父さんがよく作ってた○○とか○○、こないだ作った」
「レシピさえあればなんとでもなるもんやな」

とか言ってるので、私が料理してきたレパートリーはもう網羅しちゃいそうな勢いだ。
「お父さんが作ってた料理、思ったより簡単やん」
とか思われてそうでちょっと切ないものがありますね。

この半年の一人暮らしで一気にオトナになってきたボウズ。
この先もきっと大きく高いハードルがあることでしょう。

けど、その試練は自分で選んだ道の先の試練。
もう私が協力できるのは皆無なくらい先を進んでいますが、自分らしく突破してほしいものですね。
ガンバレ!ボウズ!





そしてときどき東京出張がある私。
先日の出張の際にはムスメとボウズが私の拠点である新宿まできてくれました。
で、歌舞伎町で3人で夕飯。

二次会に向かう際には私を差し置いて二人でワイワイ話ながら並んで歩く。
‥あんなに仲が悪かったのに。



なんとも不思議な感覚であり、とても感慨深いものがありましたね。




ということで、春からは私と奥様の二人暮らしに。
とはいえ、ボウズは朝から夜まで学校や図書館に行ってたこともあり、その延長のような感じですね。

この先は子供という緩衝材がなくなり、生活を続けていくためにはさらなる努力と奥様への思いやりが必要になることでしょう。
甘えることなく頑張らねば。




  

Posted by テン at 07:57Comments(0)子供たち棚

2023年03月16日

ボウズ、18歳になる

2月某日。

ボウズが18歳の誕生日を迎えました。

18歳といえば、制度が変わったことで「成人」
あのボウズがなぁ‥という感慨深さを感じますね。

中学卒業時から急激に伸びた身長も一段落。(とはいえ私より圧倒的に大きいけど)
すっかり佇まいに落ち着きが出てきて安堵するやら嬉しいやら。

思えばコロナコロナコロナコロナの高校生活でした。

弁当食べるときも一人だったんだろな、とか。
校歌を歌うこともなかったんだろな、とか。
マスクの下の顔を知らないままの友達もいたのかもな、とか。

部活もコロナ禍ということで制限され、その制限に耐えられず一年生で退部。
道標を失ったボウズは自然と机に向かう時間が増えていったのでした。

:
:

そしてこの3月。

第一志望だった大学に無事合格。
春から一人暮らしが始まります。

合格発表の日。
私はその時間だけ自宅に戻りました。
その時間を刻一刻と待っていました。

時間になっても部屋から出てこない。
ちょうど帰省してたムスメに「どうしよう‥結果聞いてきてもいいやろか」と尋ね、部屋へ向いました。

部屋の前に着いたときにドアが開き、「お父さん!合格した!!」と絶叫のボウズ。
二人で抱き合いました。
強く強く抱き合い、私は号泣しました。
「おめでとう!ホントがんばったな!」と私。
「ありがとう!ホントありがとう!」とボウズ。
こんなにドラマティックな瞬間、二度とないだろうな、と。


二年生後半の頃は、まるでアスリートのようなストイックさでした。
声をかけるのを躊躇するほど。
常に時計を見て、分刻みで夕御飯やお風呂の時間を自己管理。
近寄りがたい空気を醸しだしていました。

が。
三年生夏頃から、急にその空気感が穏やかになりました。
以前のようにテレビ見ながら夕飯食べたり、部屋でスマホ見てたり。
冬の三者懇談でも「三年生になって柔らかくなったな」と言われてて、あー、学校でも同じでしたか、と。

いままで自分でコツコツ続けてきたボウズのことだから、自分なりにペース配分を考えてるんだろなと心配はしませんでした。
が、奥様は違った。
ストイックだと「やりすぎや。このままいったらもたんで心配や」
ちょっと穏やかになると「本番近いのに気が抜けとるで心配や」
ほどほどってのは難しいものですねぇ。

奥様はボウズと「ぜんぜん会話にならん。話しかけても返事すら聞こえん」と言ってますが、私はわりと問題なし。
なので、コミュニケーションはもっぱら私が担当。
同じ部屋にいるのに、奥様→私→ボウズ みたいな会話もしばしば。
まぁ、私も母親って鬱陶しかったなぁ、と。照れの裏返しなんですけどね。

受験への帯同ももちろん私。
奥様が「ひとつくらいは私が行こうか?」と言っても「なんで?お父さんのほうがいい」と。
男同士だと会話も少ないけど、そのくらいのほうが楽なのでしょうね。


塾に通うこともなく、自分のやり方で道を切り拓いたボウズ。
私は毎日普段通りの生活を続けること、必要と言われた参考書をかってやること。そんなことしかできませんでした。

合格後は憑き物が落ちたように柔和な表情が戻り、「あぁ、こうやって笑う子だったなぁ」と思い出しました。


春からの一人暮らし。
「お父さん、あっちのほうって虫おるかなぁ」
「お父さん、とりあえずお父さんのチャーハンの作り方教えて」

と、不安は募るようですが、なんとかなるさ!

今までコツコツコツコツ積み上げてきた努力は、自分を支える「体幹」になっているはず。
その体幹は簡単には崩れないはず。

身長、足の大きさ、体力、頭脳。
全てで父親を大きく凌駕していったボウズに幸あれ。  

Posted by テン at 07:30Comments(2)子供たち棚

2023年01月12日

祈りは、届かず

このバンドのことを記事にしたのが2022年8月12日

そのときはまだ彼女は闘っている最中だと思っていた。

が。
8月17日。
バンドは彼女が8月5日に亡くなっていたことを発表した。
私が記事を書いたときにはすでに亡くなっていたという事実は強い衝撃でした。

彼女が遺した最期の「生きた証」がリリースされました。

THE UNCROWNED [WITNESS]




2022年9月リリース。
彼女が8月に亡くなり、9月にリリースされた、まさに「置き土産」といえる作品。

子宮頸ガンと闘病しながら、生きる意志を発信しつづけ、その中でアルバムリリースのために動いていた。
その精神力に尊敬と感動の念でいっぱいです。
苦しく、辛い中での、大好きな音楽に向き合う時間。
もちろん、このアルバムがリリースされ、ファンの声に耳を傾け、喜び、ライブのステージに立つ。
SHALさんはそんな自分を思い描いていたと思います。


アルバム全体を彩るSHALさんの声は、病魔に侵されていることなど微塵も感じない。
前の記事でも書きましたが、SHALさんらしい「硬質な強さとしなやかさ」が同居する個性。

サウンドとしては、初期の「メタルっぽく」という意図はいい意味で減退。
真っ白なキャンパスに、「いまやりたいこと」「いま歌いたいこと」を染め上げていったかのような。

自由なのだ。
自由でありながら、THE UNCROWNEDらしいロックテイスト、キャッチーさ、そして歌詞のポジティブさ。
自然に溢れ出る「らしさ」がアルバムを彩ります。

どうしてもSHALさんの声や歌詞に耳を奪われてしまうわけですが、第一印象は「彼女がアルバムの中で踊っているかのようだ」ということ。

軽やかに。自由に。誇らしげに。
悲しげな姿でなく、笑顔で華やか舞うように。
SHALさんの感情をすべてキャンパスに描ききったかのような。

なんという強靱な音楽への想いでしょうか。
感情が交錯して、たくさんのことを綴るには言葉が軽くなりすぎる。

SHALさんの冥福を祈りつつ、SHALさんに心から感謝したい。
素晴らしい音楽を遺してくれたことももちろんですが、ウチのムスメは子宮頸ガンワクチンを迷っていたのですが、SHALさんの話をしたら「私も接種する」と前向きになり、接種してくれた。
彼女の闘う姿はネットでも話題になり、幾多の女性を救ってくれた‥と思いたい。

ありがとう、SHALさん。安らかに。


THE UNCROWNED - LAST MEMORY ~四月の風~ (Official Music Video)

この曲は、亡くなる4カ月前に撮影されたとのこと。
しかも4月に亡くなった友人に捧げた曲。
そして友人役はTEARS OF TRAGEDYHARUKAさん。



  

Posted by テン at 07:31Comments(0)最近の記事

2022年12月12日

16周年だそうですよ

ブログ開設、16周年!とのことで‥。




当初と比べるとペースも落ちてるし、休眠期間もあったりするわけですが、まずは運営さんに感謝ですね。
ひだっちブログを維持していただいてありがとうございます。

16年前というと、ムスメは4歳、ボウズは1歳
‥長い。

子供の年齢を数えるだけでなく、自分も同じだけ年齢を重ねていることを思うと恐ろしくもありますね。

いまはツイッターやインスタ、FACEBOOK等も含めて多様なSNS環境が出てきて、ブログの存在意義は以前よりは希薄になっているのかもしれません。

が、もともと「プレゼンで負けたから文章力を向上させたい」という意図で始めたものなので、私の中ではそれらのSNSとは違い、変わらず重要な場所です。

そんな中で興味を持っていただいた方と交流したり、その中でも一生モノのご縁ができたりもした。
ありがたいことです。

ムスメは成人し、ボウズもこの冬には(成人年齢引き下げのこともあり)成人となることで、子供関係の記事は書けなくなっていくことでしょう。
これからは家族旅行もあまり行かなくなるだろうから、そういった話も書けなくなるだろなぁ。

細々と音楽の話を綴っていくだけになるかもしれませんが、それでも続けていけたらなぁ‥と。
16年も継続できることなんて、ほかにあまり思いつきませんからね。

改めて運営さんに感謝。
今まで関わってくださったすべての方々に感謝。

さぁ、目指せ17年目!  

Posted by テン at 07:27Comments(0)雑記棚

2022年12月08日

念願の、幸せな夜

ずっと大好きなバンドだ。
けど、なかなか観る機会がないままコロナ禍を迎えてしまい、より一層遠のいていた。

そんな念願のバンドのライブ。

TEARS OF TRAGEDY TOUR2022 "TRINITY&OVERTURE"
2022/12/4(日) 名古屋 今池GROW

夏の東京、前日の大阪を経てのファイナル。
今池GROWについてアクセス等を確認するためにHPを確認したところ、収容人数150人とのこと。

‥小さい。

自分が好きなバンドって、どうしても過大評価になっちゃうから
「そんなんで収まるはずないやん‥」
って考えがちですが、どうやら当日券もでるとのこと。
ちょっと意外ですね。

当日。

昼には到着し、名古屋で昼飲みして現地へ。この昼飲みも遠征の楽しみのひとつですね。
17:30開場とのことで、その時間に合わせて到着。
会場付近には開場待ちと見受けられる人々が。
‥年齢層高い。(私もですが)
‥男性率高い。(私もですが)
つまりおじさんばかりじゃないですか(私もですが)
ツイッターのフォロワーさん界隈では女性のファンもいらっしゃるので、この客層は「こんな感じなのか‥」と思いましたね。

私の番号は80番付近。17:45くらいに入場。ドリンクチケット600円。ドリンクはおトイレの心配があるので終演後が私の定番。

18:00
公演の注意アナウンスが。マスク着用、声だし禁止。
徐々に声だしの公演が開催されていますが、まだまだこのご時世。しかたありませんね。

OPは当然というか、そりゃそうですよね‥という最新アルバムのイントロダクション[Trinity]
徐々に花が咲き誇るかのような美しいイントロダクション。
分かっていたとは気持ちは高ぶります。

そしてその流れで刻まれるリフはアルバムの流れ通り[Nonsite]!!
「♪長い間、待たせたね」の歌詞が胸を刺します。

まずVo.であるHARUKA嬢の存在感に驚かされます。
凛々しい。
麗しい。
力強い。
まさかこれほどライブ映えするとは。

私が出会った頃のアルバムでは、良くも悪くもガラス細工のような繊細さと危うさがあった。
そのバランスが魅力だとも思っていた。

それが最新アルバムではいい意味で柔和になり、存在にヴォリューム感を纏うようになった。

そしてライブでの存在感はそのどちらとも異なる。
圧倒的な芯の強さ、説得力、佇まい。
一気に引きこまれます。

続いては[Another World]
さらには[Void Act]
立て続けに初期~中期の曲。意外性と適度な攻撃力で加速していきます。

最新アルバムの中でもキラーチューンのひとつである[幽玄]も早々に登場。
HARUKAさんのVo.スタイルが新境地に入ったことを感じさせてくれる魅力的な曲ですね。

「配信限定の曲だけど、Epitaphじゃないよ。けっこう前の曲で、久しぶりにプレイします!」とのMCに導かれて始まった曲は‥知らない曲。
配信限定でこんな曲が出ていたとは。(あとから確認したら[Astrea]って曲でしたね)
実にTearsらしいリズム感とテンポを持った曲です。

1stアルバムからの[Euclase]を挟み(この時点で、「セットリスト、すげぇバランスいい!」と驚きました)‥

「ティアーズが持ってる四季の曲を」とのMCが。
春と冬はすぐ思いついたけど、「夏と秋ってなんだっけ」と考えている間に
[Spring Memory]
[Innocnet Gram]
[Fall in The Air]
[It Like Snow...]

を披露。なるほど、そういえばそうでしたね。


続いては数曲のアコースティックセット。
なんと中島美嘉さんのカバーも。
このアコースティックの時間が、実に穏やかで、彼ららしい時間でしたね。

アコースティックのあとは、一転して「これライブでどうするんだ‥」と懸念するほどだった強烈な配信チューン[Eptaph]へ。
サポートドラマーの方の強烈なドラミングは、このライブの中で終始大きなキモになっていましたが、最大の見せ場とも言えたでしょう。

そして後半は圧巻!

大好きな[Blue Lotus]。この曲、アコースティックで披露されるかなと思ってたけど通常バージョンで嬉しかった!
さらにもっと大好きな、一番大好きな[Always]へ。
サビでは目頭が熱くなりました。最高だ。

最新アルバムの中でも存在感を放った疾走チューン[No.5]
同じく最新アルバムの中で、ティアーズ得意のシリアスなチューンである[時に鏡は嘘をつく]
そしてラストは美しく弾むようなメロディが魅力の[クロノメトリー]
[クロノメトリー]はアコースティックセットでの披露に続いて本日二度目ですが、まったくそれを感じさせない異なった魅力がある。

ラストはなにで締めくくるんだろうかと思ってましたが、この曲がこんなに多幸感とともに締めくくってくれるとは‥。
ライブで新たな魅力を感じさせてくれた曲の筆頭かもしれませんね。

アンコール一曲目は、これまた意外なチョイスの[The Arclight of the Sky]
この曲をココでもってくるとは。

そしてオーラス!
HARUKAさんの「アクセプトいくよーーー!」の声に導かれるのはこれまた大好きな[Accept Yourself]!!
シンフォニックなイントロから軽やかに流麗に駆け抜けていく疾走チューン。
私の中でも代表曲の一つだから、高揚感もクライマックスだ。
理想的なエンディングチューンだ。


:
:

トータル2時間55分(!!)の長丁場。
終始幸せに包まれた素晴らしいライブでした。

初期から最新までバランスよく、まさに「集大成」といえるライブでした。

大好きな長尺シリアスチューン、[Prison of Abyss][Curse Bride]あたりも聞きたかったけど、長い曲だから組み込みづらいかなとは思っていたのでそこはある程度想定内。
その他はほぼベストと言っても過言ではないでしょう。


アンコール前には抽選会があったり。
終演後にはセットリストをSpotifyやAppleMusicで公開してそれのQRコードを貼り出したり。
最後にはバンドメンバーがファンと交流する「お見送り会」があったり。

とくにセットリストは帰路の余韻にピッタリでとても嬉しく思いました。
これだけ長いセット、全部覚えられないからこの記事を書くのにも助かりましたね。




いままでのライブでは経験したことのない新しい試みがたくさん。
(ティアーズのライブでは普通なのかもしれませんが‥)

ライブの途中では
・いまアップしてるスタジオライブ、これからも何曲かアップするよ!
・夏の東京公演、来年早々に映像化するよ!
・ニューアルバム作ってるよ!来年発売を目指すよ!

といった明るいニュースもたくさん。

アルバム製作にとりかかると、しばらくライブは難しいですかね。

けど、アルバムリリース後にはまたツアーしてくれることでしょう。
そのときにはコロナ禍も落ち着いて、バンドやファンの方々と大声で歌い、叫びたい。
その日が楽しみです。


TEARS OF TRAGEDY - クロノメトリー (OFFICIAL VIDEO)



TEARS OF TRAGEDY - Epitaph (OFFICIAL VIDEO)








  

Posted by テン at 07:48Comments(0)最近の記事

2022年11月11日

新たな80's

北欧メロディックロックが隆盛の兆しを見せていますね。
そんな中で突出した存在感を示すのはなかなかハードルが高くなっています。

そして、意外なバンドが意外な方向性を見せてくれました。

RECKLESS LOVE [TURBORIDER]




フィンランド出身。
2022年リリースの5thアルバムになります。

私がこのバンドに出会ったのはLOUDPARK10でのラインナップアナウンス。
たしかラインナップの発表の中でも最後のほうだったように記憶しています。

で‥

「聞いたことないバンドだな」

「YOUTUBEで聞いてみるか」

「!」

即アルバム購入

大好き!

LOUDPARKで大興奮

という流れでした。

1stアルバムではグラマラスでキャッチーで若々しいエナジーに満ちていて‥と、とにかく輝いていました。
ビッカビカに輝いていました。

その後も良質なアルバムをリリースし、徐々に落ち着きとアリーナロック的スケールの大きさを纏うように。
2016年リリースの4th [InVader]では、アルバムの内容もジャケットも、確固たる意志を示すアルバムになりました。
「生きていく方向性と、その自信を手に入れたな」となんだか誇らしくなりました。

そして今作。

一気に方向性を転換し、新たな音楽性へと舵をきりました。
いや。全く新しいというわけではない。
前作でもそういった曲が存在していた。あのアルバムの中では異色な存在でしたが。

近未来的デジタルサウンド。
CCB(古い)を思われるドゥンドゥンとしたドラムの音色。
初期ファミコンのビット時代を思わせるようなピコピコとした装飾。
MVを見ると、ファミコンというよりメガドライブ的か‥。

新しいようで古いようで。
新鮮さと懐かしさが一体となったサウンドに、彼らの魅力であるキャッチーなメロディが乗る。
今までと異なる世界観でありながら、不可思議な魅力で違和感を飲み込んでいく。

オープニングを飾るタイトルトラック[Turborider]
強烈なシャウトで切り裂いたあとは、囁くようなメロディ。そして徐々に再加速し、心地よいスピード感で駆け抜ける。
ところどころに漂うオールドスタイルな味付けが魅力を相乗させてくれます。
初めて聞いたときは戸惑いと驚きが渦巻きましたが、このアルバムの全体像を掴んでからは「開幕からその魅力全開だな」と感じるから不思議なものです。

その余韻と残音を引きずったまま[Eyes of a Maniac]
ややダンサブルな曲調、80's的なメロディが強い印象を残します。
「ポコポコポコポーン」的なドラム音も、このあたりで慣れてきますね。

哀愁漂うメロハーチューン[Outrun]
MTV時代に聞いていたようなメロディは無条件に身体が反応し、アドレナリンが湧き出てくるかのようです。

中盤に突如として現れる聞き慣れたリフ。まさかの[Bark at the Moon]!!
ボーナストラックじゃなく、アルバムのド真ん中ですよ。
「え、ここで!? しかもこの曲!?」という驚き、戸惑い。
このカバーでもドラムの音は相変わらずですが、その他はわりと忠実。
ヴォーカルもポイントポイントでオジーに寄せていて微笑ましい。

[Like a Cobra]は、もう完全に80's。
ハードロックという括りも不要。「あの頃」のサウンド、メロディ、装飾。
「ハッハッ・・」というコーラス? 囁き? もニンマリしてしまいます。
我々世代にはたまりませんね。
今の世代がどう感じるのか聞いてみたい。

‥と、この先も「80's」というワードばかり出てきそうなので、このへんにしておきましょうか。


想定外のアルバム、想定外の音楽性の変移となりましたが、MTV世代なら終始笑顔になるサウンド。

前作で「これだな」というスピリットを提示し、ファンも「これなんだな」と確信を持った次作だけに、驚きました。
が、様々なバンドが個性を確立しつつある中で、埋もれるどころか大きな変化球で存在を示す強烈な作品となりました。

前作からの変化という点では驚きながらも、私が大好きだった1stと比べると「あぁ、なんとなくリンクする」と思わせる不思議なアルバム。
ここ数作のアルバムが「悪くないんだけど、ちょっと落ち着いちゃったよね」と感じていた方々がいらっしゃるのであれば、是非聞いて頂きたい。

驚きと戸惑いから始まり、やがてクセになる。
この感覚、分かっていただけると思います。


RECKLESS LOVE - Turborider (2022) // Official Music Video // AFM Records



RECKLESS LOVE - Outrun (2021) // Official Music Video // AFM Records
  

Posted by テン at 07:39Comments(0)最近の記事

2022年10月19日

超新星、現る

凄いバンドが現れた。
いや、世間一般的に凄いかどうかは分からないから、私にとって鮮烈なインパクトを残すバンドが現れた、というべきでしょうか。

Fellowship [Saberlight Chronicles]




イギリス出身。
2022年リリースの1stアルバム、つまりデビュー作ですね。

ノーマークだった‥というか、全く名前も知りませんでした。
フとtwitterのタイムラインに流れてきたMVで即KOでしたね。

大まかなジャンルとしてはメロディックパワーメタルということになるでしょうか。
そしてファンタジックな世界観。

こういったバンドがイギリスから登場するのは珍しいのではないでしょうか。

ファンタジックなメタルといえば、RHAPSODYを始祖としての流れの印象が強い。
ドラゴン。
剣。
魔法。
王。

祖国のために剣を持て。
王のために戦え。


そこからさらにロールプレイングゲーム的なエレメントを濾過し具現化するとGloryHammerTwilightForceといったバンドを思い浮かべることでしょう。
そう、音楽性としてはそういったバンド(とくにTwilightForceが近いでしょうか)に通じるものがあります。

だけど、このバンドはそこまで露骨に「音楽のコスプレ」的ではない。
サウンドはファンタジックでありながら、アルバム全体の彩りはそこまで傾倒していない。
良くも悪くも‥になるかもしれませんが、そこまで飾ってないのだ。
まぁ、MVでのフォルムはそれに近いものがあるので、あくまで「音楽性」の話ですがね。

この新人バンドが契約したのが、イタリアのSCARLET RECORDS
DarkMoor、Labyrinth、DGM、Secret Sphere、Wuthering Heights‥おぉ‥ってなりますよね。


夜明けのような鍵盤打楽器に導かれて、広大な草原の視界が開けていくような解放感と快感に包まれ始まる[UNTIL THE FIRES DIE]
私がイッパツKOされたのはこの曲だ。
徹頭徹尾ポジティブなメロディ、サビ前の心地よい疾走感、勇気が満ちあふれるサビ。

いわゆるパワーメタル/メロスピタイプのヴォーカルでないのもその個性として光る。
クセのない、ナチュラルな、それでいて安定した透明感でサウンドを彩る。

そしてなんといっても中盤~後半のインストパートがたまらない。
飛翔系ギター、鐘の音。
これからの旅(アルバム)への旅立ちを明示するかのようなメロディの洪水。
完璧だ。完璧なのです。


中世的イントロダクションから徐々に王道HM的に変化していく[ATLAS]
中期STRATOVARIUSを想起するようなリズムの刻み方は、「お、こういう路線もイケるのか」と思わせます。

[UNTIL THE FIRES DIE]と並ぶキラーチューンと言えるであろう[GLORY DAYS]
戦いの凱歌を掲げるかのような勇壮な幕開け、決意に満ちているようなシリアスなAメロから徐々に高揚感を高めていき、キーボードに彩られたスピーディーなサビへ。
HELLOWEEN[EAGLE FLY FREE]的展開と言えるかもしれません。
そしてインストパート後の語りパート的なところで聞かせるヴォーカルのオペラ的低音パート。
これも実に魅力的。

イントロから「‥DragonForce!?」と思わせておいて、そこから意表をつくことなくそのままDragonForce的に駆け抜ける[OAK AND ASH]
Aメロでブレイクを入れるのも実にDragonForce。
サビからインストパートでギアをあげるのも実にDragonForce。

ちょっぴりMANOWAR的な勇壮さを感じる[HEARTS UPON THE HILL]
それでもこのヴォーカルのおかげで、濃くなりすぎることなくマイルドなミディアムチューンとなっています。

[UNTIL THE FIRES DIE]的ポジティブな世界が再び繰り広げられる[SCARS AND SHRAPNEL WOUNDS]
ややマイルドな仕上がりではありますが、中盤にこの曲が配置されることでアルバム全体像がクッキリしてきますね。

SONATA ARCTICA的、ややスペイシーな疾走感を見せる[THE HOURS OF WINTERTIME]
再びファンタジックな世界を描く[GLINT]
旅の途中の景色が浮かぶかのような[THE SAINT BEYOND THE RIVER]
旅路の最後を力強く駆け抜けるかのようなドラマティックな[AVALON]


目眩くような世界を描ききり、強烈なインパクトを残す作品となりました。
GloryHammerやTwilightForceのように確固たるイメージを確立しなかったのがプラスに作用しているように思います。
見た目はそういった雰囲気ではありつつ、その「音」をどう受け止めるかは聞き手に委ねられている。
先人たちのエッセンスを吸収し、Fellowship流に広いベクトルで放出しているかのよう。

Fellowshipとは仲間意識、連帯感、協力といった意味があるそうだ。
まさにそのバンド名が示すようなポジティブさと一体感が溢れている。

何度でも繰り返す。
凄いバンドが現れた。

復活したEvokenさんが招聘してくれるのを待つばかりだ。

♪ Fellowship will grow!



FELLOWSHIP - Until the Fires Die (Official Video)

  

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2022年09月28日

白いあんきも

彼女たち&彼らたちはどの高みまで進むのか。
これでまだメジャーデビューしていないというのはある意味挑戦とも言えるでしょう。

Unlucky Morpheus [evolution]




日本が誇る歌姫Fuki嬢を擁するジャパニーズメロディックメタルバンドの急先鋒。
2022年リリース。
今作が‥何作目でしょうか。同人音楽時代からのたたき上げですからね。
東方アレンジアルバムを除いたオリジナルアルバムとしては7枚目くらいでしょうか(違ったらごめんなさい)

通称「白あんきも」アルバム。(勝手に命名)

Fukiちゃんが絡むバンドは、まず略称から決まり、そこからバンド名を決めていく‥と聞いたことがあります。
LightBringer「らぶりー」
Gacharic Spin「がちゃぴん」
DOLL$BOXX「ドル箱」
そしてUnlucky Morpheus「あんきも」
「あんきも」という愛称で呼ばれるためのバンド名を産み出すのは苦労しただろうな‥と。

強烈な個性を放つヴォーカリストであるFukiちゃんが前面に推されている感がありますが、実は他のメンバーも凄腕揃い。
とくに、「ヴァイオリン」というメタルバンドでは珍しいパートを担うJillちゃんの存在感はあんきもの個性を唯一無二のものとする最重要パーツ。
そしてGalneryusのメンバーでもあったふーみん(今はFUMIYAで統一しているようですが)のドラミングも聞きどころ。

一段一段ステップアップ‥というよりは、加速度的な進化を見せてくれています。

前作も充実の内容でしたが、そこから2年と経たずにアルバムリリース。
まさに充実期であることを伺わせます。

Fukiちゃんのヴォーカルはさらに鮮烈さを増し、支えるリズム隊の骨太感はさらに力強く。
メロディはさらに充実感を纏い、歌詞も説得力を持っています。
ところどころで見られる彼ら流の遊び心は、メジャーという枠にはめる必要がないからこそでしょうか。

イントロダクション[evolution]で幕を開け‥

彼らの十八番であるシンフォニックな導入からのメロスピチューン["M" Anthem]へ。
バンドのリーダーであり頭脳である紫煉が麻雀のMリーグ好きであることからシリーズ化している["M"]シリーズ
前作にも[Top of the "M"]が収録されていましたが、完成度が桁違い。
多様に織り込まれた麻雀用語も違和感なく溶け込んでいます。

く[アマリリス]は、アニソンなども歌うFukiちゃんの多様性が光ります。
強靱なメロスピチューンから、軽やかかつキュートなこの曲への転調&変調はこのアルバムのひとつのハイライトでしょう。
妖艶とも言えるヴォーカルスタイルはタイトルとフィットしてその魅力をさらに拡げています。

ややオリエンタルでヘヴィ。そして明朗でヒロイックなサビが脳裏に残る[誰が為に]
歌詞や彩り、ギターメロディの「和」がアルバムの中盤で強いアクセントとなっています。

Jillちゃんのヴァイオリンを軸にダークで疾走感のあるメロディが印象的な[The Black Death Mansion Murders]
これも彼らの得意路線ですね。実に「らしい」曲です。

["M" Revolution]は、これまたMリーグをテーマとした曲。
シリアスかつピュアメロスピ路線の["M" Anthem]よりは、ややキャッチーかつFukiちゃんの歌唱もアニソン寄り。
今後"M"シリーズがさらに加速していくかは不明ですが、この二曲は現段階では彼らのひとつの旗印であると言えるでしょう。

GALNERYUS「FLAG」シリーズのような象徴になっていくのでしょうか。


‥ということで、充実&進化のアルバムとなりました。

キラーチューン(というよりは私が大好きな曲)という意味では前作/前々作のほうが印象深いのですが、今までにない「え!? もう終わり!?」という瞬間風速的な感覚はアルバムの充実を示しています。

この進化はどこまで進むのか。
まだまだ目が離せませんね。


[Official Video] Unlucky Morpheus - 「"M" Anthem」
麻雀わかる人は、歌詞にも全力注目してほしいですね。




  

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2022年08月31日

南瓜の遺伝子

ダサい。
だが、それがいい。

一昔前のB級メロスピを「王道」として進むようなジャケットと音楽性。
だからこそ惹かれるのです。

TRICK OR TREAT [CREEPY SYMPHONIES]




イタリア出身。このアルバムは7作目になるようですね。
リリースは2022年

バンド名からして、もうHALLOWEENHELLOWEENですよ。
いわゆるHELLOWEENフォロワーですよ。
他に言うことないんですよ。

‥というくらい、あの「ジャーマンメタル」百花繚乱時代に雨後の筍ように現れた音ですよ。
イタリアだけどジャーマンですよ。

‥いいのだ。それでもいいのだ。
多くのハロウィンフォロワーがそういった音を発表し、ちょっと注目されると「俺たちは違うんだ」と方向転換してバンドが失速していった姿を何度も見てきた。

彼らは違う。
このバンド名を冠した以上、その道が進むことが宿命であり、それをバンドもファンも分かっているのだ。

変わらないことが美学なのだ。

とはいえ、確実にスケールアップしているのだ。

子ども向け映画のような、ちょっとホラーでちょっとメルヘンチックなイントロダクション[Trick or Treat?]

そこから一気にジャーマン節全開の、(ほぼ)アルバムタイトルトラック[Creepy Symphony]へ。
アニソンのようなわかりやすさと、王道の疾走感。
シンガロング必至のコーラスのサビ。
これだよ、これ。
本能が喜ぶのですよ。細胞が反応するんですよ。

続くミディアムチューン[Have a Nice Judgment Day]
歌いまわしやハイトーンの伸ばし方が完全にマイケル・キスク風。
ちょっと高音でヒネりが入るあたりも微笑ましい。

ちょっとしたパーティーチューンと言えるでしょうか。[Crazy]
Keeperシリーズではなく、[Pink Bubbles Go Ape][Chameleon]の時代を思い出しますね。

アルバム指折りのキラーチューン[Escape From Reality]
彼らの名作である[Rabbits' Hill Pt.2]に収録された[The Great Escape]も素晴らしかったこともあり、「TRICK OR TREATの[Escape]シリーズにハズレなし!」と強く確信します。
(まぁ、なんの繋がりもないとは思いますが)

なんだかIRON MAIDEN風のイントロが印象的な[Queen of Likes]
サビで一気にギアをあげて駆け抜けていくところが心地よく高揚感を誘います。
サビの歌詞の分かりやすい乗せ方もたまんないですね。

ラストを飾る[The Power of Grayskull]は、なんと12分近い大曲。
私は大曲フェチなのです。
長くて複雑に展開していく曲が大好きなのです。
けど長ければいいというものではないのです。
飽きないような大曲に出会えるのはなかなかないのです。
が、素晴らしいのです。
コミカルな曲調は封印し、シリアスにドラマティックに。
緩急をつけ、メロディにもメリハリがあり、サビはヒロイックに。
エンディングはANGRAを思わせるコーラス。

こんな曲を作れるようになったのか‥と感動しましたね。


:
:

ということで、コメントのほとんどが[HELLOWEEN的]で染まってしまいましたが、いいのです。
彼らがそれを探求・追求し、ファンはそれを迎合する。

期待していた通りの音で、期待していたクオリティを越えてくる。
これって実はすごく難しいことだと思うのです。

それができるバンドって稀有だと思うのです。
きっと次のアルバムも「やっぱり(笑)」「けど大好き」が交錯するアルバムになることでしょう。
そしてそのウキウキした期待を越えてくれると思うのです。


TRICK OR TREAT - Creepy Symphony (Official Video)



TRICK OR TREAT - Escape from Reality (Official Video)


  

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2022年08月12日

生きて、スポットライトの下へ

彼女は今も闘っている。
癌サバイバーとして、スポットライトの当たる表舞台に帰ってくるために。

THE UNCROWNED [REVIVE]





国産メロディックハードロックバンドのデビュー作。
2016年発表。

日本国内でも女性ヴォーカルのメタルバンドはずいぶん増えてきた。
その乱立するバンドたちの中で個性と立場を確立するのはなかなかハードルが高い。

そんな中でも、強く原石の輝きを纏っているバンドだと思う。

メロディの質、バリエーション。
そしてなんといってもSHALさんのヴォーカルスタイル。

いわゆる女性ヴォーカルに見られる強烈なハイトーンだったりキュートな歌いまわしだったり、といったスタイルとは異なる。
ちょっと硬質な強さとしなやかさ。
この声がさらにステージを上げてこれば、そして今でも充分魅力的なメロディとが相乗効果を産み出せば。
そう思うと、このバンドの伸び代はまだまだ先が見えないくらい期待しているのです。

そう、Tears of Tragedyを初めて聞いたときのワクワク感に似ている。

強靱なギターリフで幕を開け、一気にSONATA ARCTICA風に疾走する[SHIVER]
刻むリズムは時折ANGRAを思わせます。
そのスピード感に芯のあるSHALさんの声が重なる。
このコンビネーション。
一曲目から彼らの、そして私にとってのひとつの理想が具現化されているのではないでしょうか。

アルバムタイトルトラックになっている[REVIVE]
王道ハードロック然としたメロディとジャパニーズポップス風の彩りが華やかなチューンで、MVに選んだという意図は正解かもしれませんね。

[INIFINITE]LightBringerを思わせるようなアップテンポチューン。
ポジティブなメロディだからこそ、個性的なSHALさんの声がより際立つ。
その声は、サビではかなり柔和な光を放ちます。

ジャジーなリズムが印象的な[RELUME]
バンド、ギタープレイ、ヴォーカル‥と、それぞれが懐の深さを見せます。

穏やかなイントロダクションからややシンフォニックなアレンジ、そして静かに語りかけるようなパートを経て、力強いメッセージ性を持ったサビヘ導いていく[BRAVE MY HEART]
シリアスな世界観も相まって、SHALさんの魅力を詰め込んだ曲といえるでしょう。

そしてラストを飾る[UNWAVERING]
スピードチューンですが、[SHIVER]のメロスピ感とは趣が異なる。
徐々に空が開いていくかのような高揚感。
ジャパニーズメタルらしい、日本人ならではのメロディーラインが本能をくすぐります。
この展開、やっぱり思い出すのはLightBringerでしょうか。


オープニングの訴求力、心地よく幕を閉じるエンディング。
アルバム全体の印象を底上げしてくれていますね。


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そのSHALさんは、いま子宮頸ガンと闘っている。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/94091?media=frau

いまは余命宣告で年内と言われているそうだ。

彼女のツイッターやNOTEが目に飛び込んでくると、胸が苦しくなる。
頑張ってほしい、などという軽々しいことは言えない。

けど、彼女自身がまたステージに戻ってくるのを諦めていない。

だから、私は待ちたい。

この「まだまだ輝きを秘めているバンド」「まだまだ伸び代があるバンド」「その先」を見たい。聞きたい。

今できることは、彼女を応援することしかない。

最近、サブスクリプションでも公開されたそうだから、そこに手を伸ばすだけでもいい。
少しでも多くの人に、彼女の歌声が届くように。
そしてそのリアクションが彼女に届きますように。


THE UNCROWNED - REVIVE (Official Music Video)





THE UNCROWNED - SHIVER


  

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2022年07月29日

ボウズ、17歳になる

先日ムスメが20歳になったということで記事を書きましたが‥。

そういやボウズもその間に歳を重ねているわけで。
ボウズの誕生日の頃って、なんだかたまたまブログ休んでる時期と重なるんですよ・・

ということで、いまさらですが、2022年2月に巻き戻したつもりで書きますね。
以下読んで下さる方はヒエヒエ豪雪の2022年2月に記憶を戻して読んでくださいませ。

なにをいまさら、と言われてもいいのです。
私の記録・記憶なのですから・・。


:
:

2月某日。
ボウズが17歳の誕生日を迎えました。

高校二年生
もうとっくに私の身長を追い越し、足のサイズは28センチ。

キッチンで料理とか洗い物しているときに隣に立たれると、「‥お‥おぅ‥」という圧迫感を感じます。

ボウズが高校に入学したのは、まさにコロナ禍の始まりの時期。
高校の二年間をコロナ禍とともに過ごしてきたことになりますね。

昼食時間は黙食。昼休みにワイワイとご飯を食べたりふざけあったり‥という当たり前の光景が失われていることに胸が痛みます。

高校一年生のときは、部活と勉強の両立。
私も送迎をしたりして、まだ辛うじて「高校生活」らしい生活が送れていたように思います。

が。
コロナの拡大により部活動が停止。
再開したとしても、通常の練習はできず筋トレのみの日々が続いたり。
「部活が楽しくない。つか、今の練習で部活続けても意味がない」
と言い、二年生になってから部活を辞めました。
小学校一年生から続けてきたことを、ここで辞めるという寂しさはありましたが、ボウズの言うこともわかる。
すごくわかる。

ボウズは何かを決めるとき、何かを答えるときに
「自分にとって意味があるのか」を考えて結論を出す。
奥様が何か聞いても「それ聞いてなんか意味あるの?」などと答えるものだから、奥様とボウズはかみ合わない。

二年生になり、部活を辞め。
そのエネルギーの矛先は勉強へ向かいました。

塾には行かないと言ってるので、自分で学習。図書館や学校や他のところも含めて。

まずはテレビを見る時間を制限しはじめた。楽しみにしていたいくつかの番組も見なくなった。
ゴハンのときにちょっと見るだけ。

そしてゴハンも身近に時計を置き、「○分以内で食べる」ということを意識しているようだ。

スマホも、学校にも持っていかないし外にも持っていかない。
家での勉強中もタイマーでロックがかかるボックスにセットして、寝る前と朝しか見ていないようだ。

とにかく「ストイック」という言葉がピッタリの生活。まるでアスリートのようだ。
そんなボウズを見てると、私の脳内ではときどき「ロッキーのテーマ」が流れる。
そのくらいストイックだ。

そんなボウズを中心に生活が回りだすと、我が家も必然的に生活リズムができる。
朝、ボウズの弁当を作る。
夜は遅い時間に帰ってくるけど、毎日同じ時間だから、帰ったらすぐに食べられるように温かい夕飯を並べる。
そして夕飯後にはお風呂に入れるように私たちは先に済ませておく。

土日も弁当もって勉強にいくから、平日と全く同じルーティーン。
単調な日々と思いきや、これはこれで「こういう地味かつ地道な日々こそ、毎日なにかが蓄積されているんだろうな」という充足感を感じます。

塾にいってないから、参考書も自分で「おとーさん、次はコレ頼むわ」と選んでくる。
親はボウズが望む環境、望むものを揃えてあげるだけだ。

ムスメのときは、塾に通い、オープンキャンパス何度も通い(けっきょく見に行ってない大学だったし)、多額の投資をしたことを思えば、手もかからないしお金もかからない。

そんなボウズを見て奥様は「心配しかない」「ぜんぜんしゃべってくれん」と心配しています。
が。
私は心配していない。ボウズの表情を見ていれば着々と進んでいることが分かる。
ボウズなりの覚悟で、ボウズなりの歩幅で、ボウズなりの目線で、受験に向かっている。


まだ明確な目標はなく、やりたいことがあるわけでもなく、行きたいところがあるわけでもない。
「決まってないからこそ、やれることをやっておけば選択肢が広がる」と言っていた。

♪なんにもないってこと、そりゃぁなんでもありってこと。
♪キミの行きたい場所へどこでも行ける。


受験まで残り一年。回りのことは心配せず駆け抜けろボウズ。

♪新しい星が瞬く世界へ、Sail Away!!


hide with Spread Beaver - ROCKET DIVE


  

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2022年07月22日

ムスメ、20歳になる

このブログを始めたときにはまだ保育園児だったムスメ。
ついに節目の20歳となりました。

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昨年念願の大学生となり、独り暮らしを始めたムスメ。
離ればなれになり、寂しくて毎日のようにライン通話をしていたムスメ。
料理が苦手で「おとさーん、はやくこっちきて作りおきのおかずをたくさん作って」「クッキーたくさん焼いてもってきて」と言っていたムスメ。

そんなムスメも大学2年生となりました。

たまにアパートへ行くと、部屋の汚さは相変わらず。
掃除が苦手で(なんだか苦手ばっかりですね)私が掃除しても「おとーさんの掃除は適当すぎる!ちゃんとやって!」と文句を言いつつ、自分ではできないから渋々見守る感じ。

が、この一年で様々な成長が見られました。

帰省は私の送迎が基本でしたが、「いざというときのために自分で」と公共交通機関での帰省も経験。

バイトは朝早いため、私の目覚ましコールで起きてましたが、二年生になり「自分で起きてみる」とチャレンジ。
今のところノーミス。エラい。

料理もバリエーションは少ないものの、自分でいろいろ作れるようになった。
作った料理を報告してくれる写真を見てもサマになってきた。

一年生のときは私が東京へ出張にいくたびに「私も合流する!メシおごって!一緒に泊まる!」と言っていましたが‥
最近は「東京なー。別に目的もないしなー。別にいいかなー」と。
高校生のときに「東京!東京!」と大騒ぎしてたのがウソのようだ。

断れずにいくつか加入したサークルも、「いややなー。断りづらいなー」と言いつつ、自分がやりたいこと以外はカット。

住民票を移したことで各種書類もアパートに届き、イヤでも自分で市役所へ行って手続きが必要になる。
そのあたりの経験も自信になっているようです。

最近では「年金の書類が届いた‥ついに来てしまった」「手続きメンドい」とブツブツ言いながら、私と一緒に「学生免除」の手続き中。
このあたりは私も初めての経験だ。

友達と温泉にいったり、旅行に行ったり‥とプライベートも充実しているようでなにより。

ラインを送ればすぐに既読になり、逆にしょっちゅうライン通話を求めてきた昨年から一転。
こちらがラインを送っても深夜まで既読にならないこともしょっちゅう。
充実の生活の証ということにしておきましょう。

帰省してきても、会話から自信が見えて、「あー、子供からオトナになっていく階段を登っているなぁ。着実に登っているなぁ」と感じます。
いよいよ私も子離れが必要なようですね。

子供の成長は嬉しいものだ。
そしてちょっぴり寂しいものだ。

ひとつひとつの思い出が宝石のように輝き、ひとつひとつの思い出が涙腺を緩ませる。
そんな思い出を当たり前のように毎日の生活でバラまき散らしてくれたムスメには感謝しかありません。

今年の冬には成人式。
晴れ着も決まり、いよいよ「成人」というステージへ登ります(とはいえ、制度上は18歳で成人ですが)。

幼少期から綴ってきたムスメの成長記もこれで一区切りにしたほうがよさそうですね。

過去の記事を振り返ることはあまりありませんが(なんだか恥ずかしい)、いつかこの記録が私にとってステキなアルバムのような存在なってくれるでしょうか。
そのアルバムを残させてくれたひだっちブログさんにも感謝ですね。

たくさんの思い出をありがとう、ムスメ。
たくさんの感動をありがとう、ムスメ。
たくさんの愛情をありがとう、ムスメ。
一緒に成長させてくれてありがとう、ムスメ。

そしてなにより、産まれてくる前に私が「女の子だったら、こんな子に育ってほしいな」と思い描いた理想の女性になってくれてありがとう、ムスメ。

そして大きく自由に羽ばたいていってほしい。

愛するムスメ、20歳おめでとう!



  

Posted by テン at 07:30Comments(0)子供たち棚

2022年07月15日

失った時間

コロナ禍。
日常生活が「新しい生活様式」に染まる中、その日常生活の一部とも言えるライブに行けなくなって2年以上。
当たり前だった空間、当たり前だった時間が失われてしまった期間でした。

フェスのアナウンスが活気づき。
海外アーティストの来日の報が続き。
徐々に「音楽」が戻りつつある感があります。

そんな中。
コロナ禍になって初めてのライブに行ってきました。

THE 冠 - 超頭振狂想曲TOUR2022 FINAL。





会場は新宿の「Zirco Tokyo」
HPを見るとキャパは250人

コロナ禍になってからのライブについては、たくさんの制限があると聞いていました。
・キャパ縮小
・マスク必須
・声出し禁止
・フロアに仕切を引いて、そのスペース内での参戦

‥などなど。

そんな制限がある中で、どの程度楽しめるんだろうか。
そもそも声を出さないライブなんて楽しいんだろうか。

さまざまな不安を胸にしての参戦となりました。

ギリギリでのチケット購入だったので、当然入場は後半。
まぁ、開演に間に合えばいいか‥という程度で、入場開始からずいぶん経ってから現地へ。

‥まだ番号順の呼出しをしていますね。
そしてちょうど私の番号が呼ばれました。

会場に入る通路(階段)は長蛇の列。
この段階ですでに開演10分前くらい。

これは開演に間に合わない人がたくさんいるんだろな‥もしくは開演遅らせてくれるかな。
なぜこんなに進まないんだ。

チケット引換を前にして、「ドリンクチケット代をご用意ください」というアナウンスが聞こえてくる。
‥そうか。ドリンクチケット。すっかり忘れてた。
いつもはドリンクチケット用の小銭を持ってきてたのに、そのシステムすら忘れてた。
たまたまサイフに600円あったので助かりました。

チケットチェックとドリンクチケット購入を経て、ようやく入場。
‥と言いたいところですが、各自が名前や連絡先などを記入する必要があるようです。
これもコロナ禍ならでは。クラスター対策ですね。
ココがどうやら会場入場に時間がかかっている原因のようです。

入場すると、ほぼフルハウス!
最後方の位置を確保し、開始を待ちます。やはり入場の遅れがある分、開始も遅延したようですね。
全体を見渡すと、コロナ前のライブと雰囲気は全く同じ。
全員がマスクしている、という点以外は。
開演前にみんながワイワイザワザワと会話している空気感も同じ。

けど、全フロアが埋まっているとはいえ密度は若干低そうな感があるのは、やはり少しキャパを抑えているからでしょうか。

耳栓を装着し(これも久しぶり!)‥そして開演!

今回のツアー名の通り、ヘドバン必至なヘヴィメタルチューンが連発される。
首を振る。
拳を振り上げる。
これだ。これだよ。これだったんだよ。ライブに帰ってきたよ。

大合唱パートでは、声が出そうになる。
というか、声を出さないようにクチだけ動かしてるつもりでも、どうしても小声で歌ってしまう。

そういう人が密集しているからか、実際に声が出ている人がいるからか、それとも耳の錯覚か‥以前ほどではないにしろ、みんなの声と、その一体感が場内を包んでいるように感じる。

冠さんも
「基本的は声出し禁止な。けど、やむを得ず出しちゃうこともあるよな。そういうときは仕方ないよな。けど禁止な」
「そうは言っても、大阪は声だしてるやつ多かったな(笑)」

と微妙な言い回しでの注意。

けど、冠さんの魅力のひとつであるMCではみんな声だして笑ってたからなぁ。そこまでは制限できないからなぁ。




結果的には「思ったよりも気にすることなく楽しめた!」
全力で歌う、全力で叫ぶことはできないけど、自分の胸の中では大合唱していた(それが若干漏れてたけど)。
翌日首が痛くなるくらい首を振れた。
もう腕があがらないくらい拳を振り上げた。

充分だ。やっぱりライブは最高だ。

これからさらに規制は緩和されていくことでしょう。
ライブでマスク不要になる日がいつか分かりませんが、まずは「マスクしていれば声出しオッケー」の日が来てくれると願いたい。

そしてこれを期に、またたくさんライブに行こう。
空白の2年半、バンドも苦境に立たされていた。
チケットを買い、物販を買うことで少しでもバンドを支える。
バンドは私たちに至福の時間を与えてくれる。

さぁ。私たちの新しい生活様式にライブが戻ってきました。  

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2022年07月08日

道は続く。

こういう時代だからこそ、ポジティブなメッセージを打ち出すバンドは多い。
その強い思いはバンドの方向性にも大きな影響を与えます。

KISSIN' DYNAMITE [ NOT THE END OF THE ROAD ]




北欧アリーナロックのような雰囲気をまといますが、ドイツ出身。
2022年リリースの7作目になります。
もう中堅どころですね。


私がこのバンドに出会ったのは2ndアルバム。
若く爆発力を伴ったエナジー、キャッチーなメロディ。
「これ、ドイツ!?」と驚いた記憶があります。

名作3rd[Money, Sex and Power]
そしてひとつの転換期となった4thの[Megalomania]を経て‥。

その後、「悪くないんだけど、枠にはまってるというか、どこか突き抜けてほしいんだなぁ」という印象。

そして今作。
こういった流れもあり、「そうか、このバンド好きだったなぁ。リリースするのか」という程度でしたが‥。

素晴らしいです。
GOTTHARDの中期のような円熟味と充実感が漲っています。

上述したように「俺たちが今できるメッセージ」「俺たちの進むべき道」を明確に投影し狼煙を再びあげる。
そういった意図でいうと、ANGRA[REBIRTH]を思い出します。

その方向性を見出すことで、彼ら本来のポジティブ&キャッチーなメロディが際立つ。
そしてそのエッセンスに積み重ねてきた余裕と経験が強いオーラとなって覆う。
「おぉ‥歩んできた道はここに繋がるものだったのか」という必然性を感じます。


オープニングトラックでありアルバムタイトルトラックである[Not the End of the Road]
冒頭からアルバムの魅力を強烈に発散し、ポジティブなメッセージを伴うサビとコーラス。
彼ららしいドライヴ感でありながら、今までの彼らとは違う。
新たな道標となるキラーチューンとなりました。

アリーナロック然とした[What Goes Up]
こういったスケールの大きい曲へのアプローチにも余裕を感じますね。

アコースティックな調べから、中期BonJoviを思わせるようなブルージー&カントリーなメロディが印象的な[Good Life]
こういったアメリカンハードロック的なスタイルも今作の特徴のひとつ。
今作が私に刺さるのは、私がこういったスタイルの曲が好きだから、というのもあるでしょうね。

ここ数作で見られた、ちょっと遊び心を織り込んだキャッチーなメロディの[Yoko Ono]
ちょっとタイトルに驚きますが、[Hashtag Your Life]あたりの雰囲気を残しています。
もしかすると、この曲が一番今までの彼ららしいのかもしれません。

大地の風と土埃が舞うかのようなダイナミズムに満ちた[Coming Home]
この曲もいわゆるアメリカンロック系ですが、憂いと哀愁を孕んだメロディは今作のハイライトのひとつと言えるでしょう。

やや派手めなパーティーロック感の漂う[All for Halleluja]
胸締めつける、美しく力強いバラード[Gone for Good]
美しくエンディングを飾る[Scars]

‥と、オープニングからエンディングの構成までパーフェクト。
掴みも余韻も計算され、何度も聞いてみたくなるアルバムとなっています。


タイトル通り、自分たちの今まで歩んできた「道」、終わらないこれからの「道」を示す。
アルバムジャケット通り、強い轍となりました。


KISSIN' DYNAMITE - Not The End Of The Road (Official Video)




KISSIN' DYNAMITE - Coming Home (Official Video)


  

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2021年10月11日

Dramatic for You

7年の時を経て、約束の旋律が帰ってきました。

MinstreliX [11 Trajectories]



2021年リリース。
関西の鋼鉄吟遊詩人こと劇的激臭魔神(勝手に命名)こと、MinstreliX。
このアルバムが5枚目になりますか。

B級XaMetalを愛する界隈で話題になった[Thirst For..]の衝撃からもうすぐ20年くらいになるでしょうか。
その後も「約束の旋律」「Dramatic for You」を旗頭にその路線を踏襲しつづけています。

ヴォーカルであるリオウ・フィガロ(日本人です)(今までレオだと思ってましたがリオウが正解らしいです)の声質や歌いまわしのクセもあり、マイナー感の殻を飛び出せない感がある彼らですが‥
いいのです。
この適度なB級感と、徹頭徹尾貫くメロディのクサさ。
これこそが約束の旋律だから。

このコロナ禍という状況もあり、ずいぶんリリースまでの期間が空いてしまいましたね。

前作[CHRONOSTRINGS]での[叡智の華]は、MinstreliXのひとつの到達点だなと感じていました。
GALNERYUSにおける[ANGEL OF SALVATION]のような。
そこから7年も経っているとは‥。

まず目を惹くのがジャケットの美しさ。
もともと彼らのロゴは大好きなのですが、彼らの象徴である吟遊詩人を中心に描かれるファンタジックなアートワーク。
名盤の予感が伝わってきます。

オープニングを飾る[To The Distant Skies]
壮大でメランコリック、ガルネリウスを思わせるギターのメロディ。
イントロダクションからこのアルバムの世界観が伝わってきます。

そしてリフを開始1秒聞いただけで「ミンストだ!」と思わせる開幕チューン[Memento Mori~The Goddess Pt.2~]へ。
流麗なスピード感、きらびやかなキーボード。
煌きと輝きを惜しげもなく撒き散らしながら疾走していきます。
美しさと儚さが駆け抜けていくその様は、初期DragonLand的。

発売前にMVで先行公開された[The Eternal Journey]
GALNERYUSからYUHKIが参加するチューン。
これも実にミンスト的(まぁ、全編ミンスト的なんですけどね)。
メロディや展開が[叡智の華]の続編のような印象。
希望を抱いて心地よい飛翔感で駆け抜けていく。
MinstreriXはこの飛翔感が軽やかで繊細なのだ。
このバランスがミンストなのだ。

そしてこのあたりで気づく。
リオウの声がずいぶん落ち着きがあるな、と。

一音一音が明瞭でしっかりと耳に刺さる。
ハイトーンがウリのヴォーカリストではありますが、その特徴でもあった「線が細いハイトーン」「オペラティックな歌唱」は今回は控えめ。
「歌う」ということを強く意識しているように感じます。

そのおかげで、疾走感の中にもメロディがクッキリと鮮明になっている気がしますね。
[Invisible World]のサビでのリオウのスタイルは、一音一音踏みしめて階段を登っていくかのようです。

インストチューン[Cataclysm]は、インストにしておくがもったいないクオリティ。
すぐにでもリオウの声が飛び込んできそうなメロディライン。

初期SONATA ARCTICAのような直線的疾走感が心地いい[Frozen Promise]

リオウのシャウトから、ややブルータル気味なリフ、そしてやはりミンストらしいドラマティックな展開へなだれ込んでいく[Dracurious]
[Rose Funeral of Tragedy]の頃の世界観を想起しますね。

まさに吟遊詩人的メロディが舞う[Alkaloid]
リフは強靱ながらもメルヘンチック&ファンタジックなメロディが印象的。

そしてラストは新たな彼らのアンセムになっていくであろう[Twilight Recollection]
イェンス・ヨハンソンのキーボードを思わせるイントロ。
ANGRAを思わせる音の装飾。
今までありそうでなかった徹底的にポジティブかつ暖かく澄んだメロディライン。
全盛期のSTRATOVARIUSのようですね。

こういった曲をラストに配置するのは、やはりコロナ禍の今だからこその「希望」「願い」でしょうか。
聞き終わったあとの多幸感を演出してくれます。

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ということで、過去のミンストが好きな人であれば期待通り。
というか、今までのミンストを聞いてきた方であれば「約束の旋律」ですから当然ですよね。

そして、今まで「ミンストかぁ‥あの声がなぁ‥」と思っていた人。
今回は一味違います。
‥といっても、いつもの声ですが。でも一味違います。

個人的ミンスト三本柱は
[Thirst For..]
[Erzsebet]
[叡智の華]

なのですが、そういった曲を凌駕するようなキラーチューンは無いかもしれません。
それでもアルバム単位で言えば最高傑作となったのではないでしょうか。

「Dramatic for You」。ドラマティックをあなたに。
一度はその世界を覗いてみてはいかがでしょうか。


MinstreliX "The Eternal Journey" MV from 5th Album "11 Trajectories"




ついでに伝説のこの曲も。

minstrelix Thirst For..



  

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2021年09月13日

おかえり。

「おかえり!」
まずはこれが第一声になるでしょうね。
私が愛したあの声が帰ってきてくれました。

CoExist / JAKOB SAMUEL



2021年リリース。

私のブログを時々のぞいて下さる方であれば、一時期私が熱狂的に推していたTHE POODLESという名前は見たことがあるのではないでしょうか。

2018年4月
念願の、悲願の、初来日。

それから間もなく2019年
バンドは解散を発表しました。

悲しさというよりは、ポッカリとココロに穴があいてしまったような。
寂しさというよりは、まだ信じたくなくてココロが彷徨っているような。

そんな状況は今も続いているように思います。

解散といっても、また戻ってきてくれる。
あくまで今は休止しているだけ。
休んでいるだけ。

そんな思いで待ち続けています。

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そして2021年

バンドとしてではありませんが、ヴォーカルであるヤコブが自身のソロアルバムで帰ってきてくれました。
他のメンバーもそれぞれの活躍をしていますが、やはりバンドの「声」が帰ってきてくれた意味は大きい。

そしてヤコブは変わらない。
一気に時計の針を巻き戻すかのようなマジカルな魅力がある。
止まっていた数年が一気に動き出したかのような錯覚に陥ります。


若干ヘヴィ&モダンなリフが力強く開幕を告げる[EVERY MINUTE EVERY HOUR]
サビのメロディの展開はまさにTHE POODLES時代を想起させます。
が、曲の全体像で言えば「幹の強さ」がより強靱になったような印象ですね。

穏やかに語りかけるような歌いだしが痺れる[STAND BY YOU]
少し甘めにメロディを撫でるサビがココロを揺らします。

ファンキーなグルーヴが耳に残る[HEY BROTHER]
新しい機軸のようで、そういえばこういうエッセンスはTHE POODLES時代にも見え隠れしてたな‥と思うと、ホントに多彩なバンドだったんだなと再認識します。

1st~3rdの頃のファンであれば「これだよなぁ」と思ってくれるであろう[FAST LANE]
歌詞といいドライヴ感といい、あの頃の躍動感を感じることができます。


個人的なハイライトは後半に畳みかける[FREAK][GHOST][HOME]の連続性。
やや陰影を孕みながらも希望が見えるようなメロディ。
時折シリアスなそのメロディをソウルフルに歌いあげるヤコブ。

とくに[HOME]での穏やかでありながら慟哭するかのようなメッセージ性は唯一無二。


トータルで聞き終えると、THE POODLESに私が求めていたものとは違う。
違うんだけど、すべての曲にそのエレメントが散りばめられている。

私はTHE POODLESを求めてこのアルバムを手にしたわけではない。
だから、私のココロに響くのは「THE POODLESらしさ」ではなく「今のヤコブ」の姿で、その姿にこそ胸を打たれる。
過去を投影しながらも今を力強く描いていると思います。

様々な思いが振り子のように揺れ動く。
その感覚がとても心地いい。
その心地よさをヤコブの声が後押ししてくれる。
そしてその心地よさは、やはり私がTHE POODLESで感じていたものであることを思い出すのです。

タイトルの「CoExist」「共存」を意味するらしい。
今だからこそのタイトルでもあり、これからもTHE POODLESやファンと歩んでいく轍でもある‥と思いたいですね。



JAKOB SAMUEL / Home




  

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2021年08月23日

仕返しか恩返しか

プロ野球選手がトレードや人的補償で移籍すると「活躍して恩返ししたい」という思いを語る人がいる。
全然シチュエーションは違うのですが、このアルバムを聞いてそんなシーンが脳裏をよぎりました。

Edu Falaschi [VERA CURZ]




ブラジル出身。
ブラジルの至宝と呼ばれたANGRA
そのANGRAの前ヴォーカリストであるエドゥ・ファラスキによる初のフルアルバム。
ソロというよりはバンドに自分の名前を冠したというスタイルのようですね。
2021年リリース。

アンドレ・マトス脱退後、「もうANGRAは終わった」というファン(そして私)の絶望を救ってくれたのがエドゥであり、[REBIRTH]でした。
「ANGRAらしさ」という原点に戻り、その世界観を産み出すために加入したエドゥ。
そしてまさに「エドゥのANGRA」として[REBIRTH]してくれました。

加入後のライブでも、ライブ終盤に配された名曲[CARRY ON]をノーフェイクで伸びやかに歌う姿をみて「ANGRAの未来は約束された!」と思ったものです。

が。冒頭の通り、ANGRA在籍時の晩年は見ていて辛いものがありました。
全盛期のパフォーマンスを知っているから、なおさら。

だから脱退の報を聞いたときも「だよなぁ‥しかたない。ゆっくり休んでほしい」と冷静に受け止めることができました。


その後。
いったん舞台から退き、その後過去の曲をアコースティックアレンジしたアルバムを出したり、ANGRA時代の曲を披露するライブを行ったり‥と、徐々に表舞台に帰ってくる気配を見せていました。
その後リリースされたミニアルバム[THE GLORY OF THE SACRED TRUTH]では、「完全にANGRA風味」という曲をリリースして驚かせてくれました。

そして今作。
以前のインタビューで「新しいANGRAになりたいのではなく、ANGRA時代のエドゥ・ファラスキを甦らせたい」といった発言をしていましたが、その宣言通りになりました。


アルバムタイトルは「真の十字架」を意味するそうだ。
ジャケットの雰囲気&世界観ともども、[Temple of the Shadows]の雰囲気が漂います。

荘厳かつシンフォニックなイントロダクション[Burden]。
戦火の中のドラマを勇壮に描く緊張感はアルバムの世界を象徴するかのようです。

続く実質的オープニングチューン[The Ancestry]
[Nova Era]を筆頭に、エドゥ在籍時の強力オープニングチューンの魅力を凝縮したかのような強烈な疾走感。
そんな曲を甦ったエドゥの声が歌いあげるのだから、カラダは無条件に反応してしまいます。
流麗なギターソロ、重厚なコーラス。
もうね。「完全にANGRA」ですよ。

懸念されたエドゥのパフォーマンスですが、ひとつの魅力であった中音域は完全に戻っている。
そしてANGRAの武器でもあり、彼が脱退する要因となったであろうハイトーンについては「違和感はないけど、マイルドになった」という印象。
全力で太く伸びていくというよりは、やや細めにメロディを撫でていくような。
それでも彼の魅力は充分に堪能できます。

LOUDPARK10での彼の痛々しいパフォーマンスは今も記憶に新しい。
そのパフォーマンスから11年。
よくここまで戻ってきてくれたものです。

[HOLY LAND]時代のようなアレンジで穏やかさを湛えた[Skies In Your Eyes]
ナチュラルなエドゥのヴォーカルは彼の魅力の一面をクローズアップしてくれます。

ストレートな疾走感からクラシカルなコーラスを伴いポジティブに舞い上がる[Crosses]もANGRAが得意としたスタイル。
「GO!!」のシャウトも「あー、エドゥだなぁ」と嬉しくなります。

トライバルな魅力が美しい[Land Ahoy]
これはアンドレ・マトスが歌っても映えそうだなぁ・・という感慨が沸き上がります。

[Fire With Fire]は、いい意味で軽やかな疾走感。これは[Fireworks]時代を思い出します。

まるで祈りを捧げるかのようなエンディング[Rainha do Luar]
重く心を刺すかのようでもあり、心を解放するかのようでもある。
幕開けの重厚さとの対比が心地よくフィナーレへと導いてくれます。


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ということで、「ANGRAのエドゥ」に思い入れがある人であれば必聴でしょう。
自分が在籍していた時代、そして加入前のアンドレ・マトス時代も含めて、ANGRAという存在に対してのリスペクトが強く感じられます。

ただ、「脱退したのにここまで露骨にやらなくても‥」という思いを抱くかもしれません。

現在のANGRAはファビオ・リオーネがヴォーカルになっていますが、ファビオの個性とANGRAの個性がぶつかりすぎて、個人的にはまだ慣れないところがあります。
その点、このアルバムは当時を知る人からすれば「今のANGRAよりもANGRAらしい」と感じるかもしれません。

ANGRAメンバーの思い。
エドゥの思い。

双方の思いを慮ると複雑な感情が絡み合います。

「ANGRAそのまんまやん(笑)」と考えるか。
「ANGRAそのまんまやん(驚)」と考えるか。

リスペクトと捉えるかパクりと捉えるか。

脱退した経緯が喧嘩別れではなかったはずだから、怨みはないはず‥と思いたい。
以前加入していたバンドへの仕返しではなく、きっと恩返しなのだ‥と思いたい。
その恩返しは、きっとファンへの恩返しでもあるはずです。


Edu Falaschi - The Ancestry



アルバムには入っていませんが、こちらも必聴。
EDU FALASCHI | The Glory Of The Sacred Truth | Official Music Video


  

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2021年08月10日

ムスメ、19歳になる

7月某日。
ムスメが19歳の誕生日を迎えました。

早いなぁ。
このブログを始めた頃は年中さんくらいだったのになぁ。

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春から大学生になったムスメ。
第一志望の大学ではなかったけど、まさかここに受かるとは‥というところに合格。
積み重ねてきたものが、意外なところで発揮されたのであるなぁ、と感じました。

そしてひとり暮らしがスタート。

そこそこ遠いところなので、私もすぐに飛んで行けるところではない。
アパートの準備をして、いよいよ「明日からひとり暮らし、がんばれ!」と玄関で別れ、その帰路は胸を締めつけられる寂しさでした。
これでしばらく会えないんだなぁ‥と。

が。

時代ってのはすごいですね。
ほぼ毎日のようにLINEでのビデオ通話がかかってきて、長々とダラダラと語り合ってしまう。
高校三年生のときは朝から夜まで塾に行ってて顔を合わせない時間が多かったことを思えば、そのときよりも一緒に過ごしているような感覚になります。

そして「ゴールデンウィークだ」「連休だ」というタイミングで帰省するから、なんだかんだで会いに行く。
そして私が出張になると、その出張先で合流して一緒に泊まったり観光したりゴハン食べたりする。
私もこのコロナ禍でライブに行けないから、ライブのために貯めてる貯金は現在ズブズブとムスメに流出中だ。

二人で過ごす夜は、延々と語り合う。
その時間が愛おしい。


アパートへ迎えにいくときには、「おとーさん、いろいろ作って冷凍しといて」と言われるので、いろいろなものを作り置きして冷凍してくる。
ハンバーグ、きんぴら、トマトソース、ホワイトソース、ドライカレー‥冷凍庫がパンパンになるくらい作ってくる。
最初はそれに頼って生活していたようだ。

けど、最近は少しづつ自分で作るようになったようだ。
「○○買ってきたけど、なに作るといい?」
「○○が▲円って、安い?」
「スープ作りたいけど、調味料なにがあう?」
「○○作りたいけど、簡単に作れる方法ある?」

と、頻繁にLINEが届く。
その都度、LINEノートでレシピを伝える。
作った写真が送られてくる。
メンドくさいながらも頑張っているようです。
現在の得意料理はポトフとのことですが、しょせん私が伝えたレシピなので「野菜やらウインナー入れて、クレイジーソルト+コンソメで煮込むだけ」のヤツ。

ムスメは、私と奥様を上手く使い分けているようだ。
料理、パソコン、各種手続き関係は私。
勉強、サークル、人づきあい関係は奥様。

私と奥様は必然的に「今日なにか連絡あった?」と聞きあう。
コミュニケーションが増える。
ムスメなりの気遣い&策略なのかもしれません。


19歳の誕生日は、初めて一人で迎える誕生日になりました。
その日を迎えるまでは「寂しすぎる。ありえん。」とブツブツ言ってましたが、誕生日のお祝いメッセージを送ったら「夏休みの帰省のときに、改めてお祝いしてな!」と図々しいことを言ってたので、本人なりの思いでその日を迎えたようです。

4月~5月は様々な葛藤があったようだ。
「大学やめたい」「帰りたい」と言っていた日々だった。

けど、徐々にLINEビデオ通話の回数も減り、弱音も少なくなった。
接点が減るのは寂しいけど、たまに話す会話では明るさも戻り安堵しています。

まだまだ大学生活は始まったばかり。
コロナ禍はまだまだ続きますが、たくさんの思い出を作ってほしいと願うばかりです。

おめでとう!ムスメ!
  

Posted by テン at 07:37Comments(0)子供たち棚

2021年07月19日

名刺がわりの挑戦状

2020年1月10日。新木場スタジオコースト。
コロナ禍になり、私のGALNERYUSライブ参戦はこの日で止まってしまっています。

映像化され、現地での感動はまだ強く刻まれています。
その映像の中で最も印象的だったのは、[DESTINY]での小野さんとFUMIYAが笑顔で見つめ合うシーンでした。
まさかそのライブのあと、FUMIYAが脱退ということになるとは。

その後任としてLEAが加入。
ミニアルバムとはいえ、加入後初リリースということで注目が集まりました。

GALNERYUS [UNION GIVES STRENGTH]




2021年リリース。
ミニアルバムとはいえ、6曲+リレコーディング2曲ということでそこそこのボリュームになります。

直訳すると「団結は、力を与える」といった感じでしょうか。
タイトルからして、この時期だからこそのメッセージを感じさせます。

なんといっても注目はLEAのプレイ。
そして、このコロナ禍を経ての方向性がどうなるのか。

アルバム発売前にリリースされたMV[WHATEVER IT TAKES (Raise Our Hands!)]は、勇気や希望を強く抱かせつつポジティブに飛翔する感動的なナンバーでした。
これを聞いて、「もしかして[VETELGYUS]の路線なのか!」とワクワクした人も多いことでしょう(私です)

そしてリリースされた今作。

LEAのお披露目ということもあり、もともと強いリズム隊の主張がさらに強くなっている印象がありますね。

SYU「LEAくん初だし、ちょっと前面に出しとくから」
TAKA「じゃ俺も」
YUHKI「じゃ俺も」
SYU「どうぞどうぞ
(俺も)

小野さん「俺は別に‥」
SYU「わかりました!
(いつも以上のハイトーンメロディとヘドバン必至リフを用意)

といったやりとりが見えてきそうな。(←イメージです)


1分近い静けさからヘヴィかつドゥーミーとすらいえるイントロダクションで「!?」と意表を突かれる[THE HOWLING DARKNESS]で幕を開けます。
続いて刻まれていくリフも重く、ダークな印象で蹂躙していくかのよう。
ときにブラストビートのような刻み方も織りまぜる。
その世界観を小野さんのVo.が中和していく。
サビでようやく扉が開いて光が射すかのようなメロディを顔を出しますが、基本的にはその重厚さをベースにしています。

実にSYUらしい。実に挑戦的。
事前に公開されたMVのチョイスすら、この曲からスタートさせるための策略かと思ってしまいます。
そういえば、ガルネリウスが得意なポジティブ飛翔系のMVって意外と少なかったりするんですよね。

続く[FLAMES OF RAGE]は配信ライブで初披露された曲ですね。
ややスラッシーとも言えるスピード感は、配信ライブ見ながら「小野さんの首がもげちゃうんやん‥」と思うほど。
そのときは今までにない印象のヘヴィーさを感じましたが、この位置に配置されると印象が全く違う。
静かに語るかのようなAメロから、センチメタリズム溢れるBメロ。ガッツに満ちたサビ。
目眩く展開が耳を捉えて離しません。

J-POP的‥いや、歌謡曲的とも言える[HOLD ON]
こういう「小野さんだからこそ」の曲を聞くと、SYUの器用さ、小野さんへの経緯、そして小野さんの魅力を感じることができます。
ここ数作のコンセプトアルバム(?)では聞けなかった曲ですね。

イントロのメロディライン、加速具合、リフ。
そしてサビの展開。
まさにガルネリ王道チューンである[SEE THE LIGHT OF FREEDOM]
全てが「これ、FLAGシリーズでもよかったんじゃないの?」と思わせてくれる曲。

本編ラストを飾るのはMVとなった[WHATEVER IT TAKES (Raise Our Hands!)]

♪これがただのまぼろしで、夢からさめてかつてのように
手を取り合い笑いあえたら、もうなにもいらない。

♪これがただのまやかしで、夢からさめてかつてのように
抱きしめあい笑いあえたら、もうなにもいらない。

♪未来へ向かって、祈りはいま輝きはじめている
決して奪わせない、僕らの生きる時代への自由を


GALNERYUSの最大の魅力であり武器である、光が燦然と輝く天空へと翔けぬけていくようなメロディを小野さんのハイトーンが彩る。
そしてコロナ禍の今だからこそ胸を打つ歌詞。
強いメッセージ性は新たなアンセムとなることでしょう。


そして今回、もう一つの大きなサプライズとなったのが[DEEP AFFECTION][EVERLASTING]のリレコーディング。
ブックレットに[Lyrics:YAMA-B]の文字を見たとき、オールドファンは感慨深くなったことでしょう。

過去の曲は歌詞を変えてリレコーディング。
インタビューなどでは「前任ボーカルは‥」と話すよそよそしさ。

YAMA-B脱退後、そんな経緯を経て、今回のリレコーディングは実に原曲に忠実。その忠実さにも驚きました。
これはなにかの雪解けが始まっているのかもしれませんね。

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ということで、聞きどころ満載ではありますが、「そうきたか‥」と意表をつかれたというのがファーストインプレッション。
聞けば聞くほど深いという点はいつもの「らしさ」ではありますが、さきほど書いたように「挑戦的なアルバムだな」という印象が強い。
次作への展開も全く読めません。

王道の曲、魅力爆発の曲、新機軸の曲。
こういった様々な品揃えも含めて、まさにLEAくんの「お披露目」であり、生まれ変わったバンドの名刺がわりのようなものでしょう。

次のフルアルバム、どういった方向性へと導くのか。
読めないからこそウキウキします。
きっとこれもSYUの策略。

GALNERYUS WHATEVER IT TAKES (Raise Our Hands!)


  

Posted by テン at 07:26Comments(0)国産