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2012年05月28日

運命の悪戯

音楽性云々じゃない。とにかく、この事実があることが重い。
そう感じている人も多いのではないでしょうか。

UNISONIC [UNISONIC]

運命の悪戯

バンドとして、アルバムとして見れば「デビュー作」です。

元々、PINKCREAM69のメンバーが、新たなHR/HMバンドを立ち上げ、そこに元HELLOWEENマイケル・キスク「正式なバンドメンバー」として迎えただけでも大きな衝撃でした。
同様のスタンスで生まれていたPLACE VENDOMEでは、メタルバンドという側面は薄かったと思うし。
そもそも「もうメタルはやらない」って断言していたキスケだし。

とはいえ、「まぁ、PLACE VENDOMEの延長かな。そこにPINKCREAM69のエッセンスが強めに入れば、いいメロハーになるんじゃないかな」というのが最初の思いだった。

が、その後このバンドに加わったのが、元HELLOWEEN、現GAMMA RAYカイ・ハンセン
一気に風雲急を告げ、初期HELLOWEEN信者が狂喜乱舞。
いつの間にか「カイとキスケのバンド」という位置づけに変わっていき・・・PINKCREAM69も大好きなワタシとしてはフクザツなトコですが・・・。

いろいろゴタクを並べても、カイとキスケが再び交わる、同じバンドで、同じステージに立つ。
これは我々世代のファンにとっては「運命のイタズラ」では済ませることができない、願い続けた「夢」であり「奇跡」でもあった。

HELLOWEENやGAMMA RAYのような分かりやすい路線にはならんだろな、と理解はしつつ、妄想は膨らんだ。

そして20年以上鬱積してきた思いが、LOUDPARK11で爆発した。

アルバムを出していないにも関わらず、UNISONICのステージにファンは熱狂した。
「もう飽きたな」と思っていた[I WANT OUT][FUTURE WORLD]も、カイがギターを奏で、キスケが歌い上げる。そのシーンを見ただけで涙を流した人も多いと思う。
実際、ワタシもウルウルしていた。


おっと、思い入れが多すぎると良くないな。本題に入ろう。


さて、カイが加入したからといって「HELLOWEENの再来!」と考えた人は少ないと思う。
どの程度、カイの「味付け」が加味されるのか。その点がポイントでしょう。

結論から言うと、PINKCREAM69、PLACE VENDOME、初期HELLOWEEN、GAMMA RAY、それぞれのバンドのファンから見ても「〇〇っぽい」という表現が難しいアルバム。
逆に言えば、UNISONICとしての個性が最初から明確になったアルバム、といったところでしょうか。

そして、とにかく「マイケル・キスクのためのアルバム」といった感が強い。

これを「中途半端」と捉えるか、「新しいバンドの船出」と捉えるかで評価が割れるところでしょう。
ワタシ個人としては、冒頭に書いたように「音楽性云々じゃない。キスケが最前線に帰って来てくれたことが大きい」というアルバムですね。

LOUDPARKでも披露された[UNISONIC]は、バンド名を冠として一度聞いたら忘れないメロディ。まさにこのバンドの象徴でしょう。
続く[SOULS ALIVE]もミッドテンポながらキャッチーな佳曲。
さらに[NEVER TOO LATE]では、GAMMA RAYでカイとキスケが共演した[TIME TO BREAK FREE]を思い出す人も多いのでは。
他にもポップなリズム感が心地よい[NEVER CHANGE ME]、歌詞&曲の解放感が「これだな!」といった感の[WE RISE]など、聞きどころは多い。

けっこうバラエティに富んだ曲の布陣で、その全てを朗らかに歌い上げるマイケル・キスクの素晴らしさが際立っています。

前述した通り、HELLOWEENやGAMMA RAYの幻影(言い方は悪いかもしれませんが・・)を追いかけつつ聞くと、「うーん、なんだかなー」と思うかもしれません。
が、できる限りフラットな状態で聞いてもらえれば、上々でしょう。

このバンドがどの程度続くのか。
さらには秋の来日でのセットリストはどうなるのか。

それぞれに名曲を生み出してきてくれた彼らだけに、それぞれの選曲によってはLOUDPARKを上回る「夢舞台」となるかもしれません。

ユーニーソニーーーーーッッッッ!!!


UNISONIC - UNISONIC - Loud Park 2011 Japan
(この画質の良さ・・・消される予感大なので、消えてたらゴメンナサイ)


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Posted by テン at 07:19│Comments(2)U
この記事へのコメント
ハロウィンでもガンマレイでもPCでもないけど、一度聴いたら忘れ難いキャッチーさで、小難しいこと考えずに楽しく聴ける良いアルバムですよね。
私は確かマンディ作のThe morning afterがお気に入りです。
Posted by 平 at 2012年05月28日 11:32
平さん>
そう、おっしゃる通りですね!
どうしてもファンとしては「●●っぽい音」ってのを期待しがちですが、これはこれで良かったのではないかと。
けど個人的には、もう少しPINKCREAM69っぽさを主張しても良かったんじゃじゃないかなー、と勝手なことを思ったり。
カイ&キスケが目立ちすぎて・・・まぁ、それでも愛されるのが彼らの良さですけどね。
Posted by テン at 2012年06月07日 07:37
 
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