2020年1月10日。新木場スタジオコースト。
コロナ禍になり、私のGALNERYUSライブ参戦はこの日で止まってしまっています。
映像化され、現地での感動はまだ強く刻まれています。
その映像の中で最も印象的だったのは、
[DESTINY]での小野さんとFUMIYAが笑顔で見つめ合うシーンでした。
まさかそのライブのあと、FUMIYAが脱退ということになるとは。
その後任として
LEAが加入。
ミニアルバムとはいえ、加入後初リリースということで注目が集まりました。
GALNERYUS [UNION GIVES STRENGTH]
2021年リリース。
ミニアルバムとはいえ、6曲+リレコーディング2曲ということでそこそこのボリュームになります。
直訳すると
「団結は、力を与える」といった感じでしょうか。
タイトルからして、この時期だからこそのメッセージを感じさせます。
なんといっても注目はLEAのプレイ。
そして、このコロナ禍を経ての方向性がどうなるのか。
アルバム発売前にリリースされたMV
[WHATEVER IT TAKES (Raise Our Hands!)]は、勇気や希望を強く抱かせつつポジティブに飛翔する感動的なナンバーでした。
これを聞いて、
「もしかして[VETELGYUS]の路線なのか!」とワクワクした人も多いことでしょう(私です)
そしてリリースされた今作。
LEAのお披露目ということもあり、もともと強いリズム隊の主張がさらに強くなっている印象がありますね。
SYU「LEAくん初だし、ちょっと前面に出しとくから」
TAKA「じゃ俺も」
YUHKI「じゃ俺も」
SYU「どうぞどうぞ(俺も)
」
小野さん「俺は別に‥」
SYU「わかりました!(いつも以上のハイトーンメロディとヘドバン必至リフを用意)
」
といったやりとりが見えてきそうな。(←イメージです)
1分近い静けさからヘヴィかつドゥーミーとすらいえるイントロダクションで
「!?」と意表を突かれる
[THE HOWLING DARKNESS]で幕を開けます。
続いて刻まれていくリフも重く、ダークな印象で蹂躙していくかのよう。
ときにブラストビートのような刻み方も織りまぜる。
その世界観を小野さんのVo.が中和していく。
サビでようやく扉が開いて光が射すかのようなメロディを顔を出しますが、基本的にはその重厚さをベースにしています。
実にSYUらしい。実に挑戦的。
事前に公開されたMVのチョイスすら、この曲からスタートさせるための策略かと思ってしまいます。
そういえば、ガルネリウスが得意なポジティブ飛翔系のMVって意外と少なかったりするんですよね。
続く
[FLAMES OF RAGE]は配信ライブで初披露された曲ですね。
ややスラッシーとも言えるスピード感は、配信ライブ見ながら
「小野さんの首がもげちゃうんやん‥」と思うほど。
そのときは今までにない印象のヘヴィーさを感じましたが、この位置に配置されると印象が全く違う。
静かに語るかのようなAメロから、センチメタリズム溢れるBメロ。ガッツに満ちたサビ。
目眩く展開が耳を捉えて離しません。
J-POP的‥いや、歌謡曲的とも言える
[HOLD ON]。
こういう
「小野さんだからこそ」の曲を聞くと、SYUの器用さ、小野さんへの経緯、そして小野さんの魅力を感じることができます。
ここ数作のコンセプトアルバム(?)では聞けなかった曲ですね。
イントロのメロディライン、加速具合、リフ。
そしてサビの展開。
まさにガルネリ王道チューンである
[SEE THE LIGHT OF FREEDOM]。
全てが
「これ、FLAGシリーズでもよかったんじゃないの?」と思わせてくれる曲。
本編ラストを飾るのはMVとなった
[WHATEVER IT TAKES (Raise Our Hands!)]。
♪これがただのまぼろしで、夢からさめてかつてのように
手を取り合い笑いあえたら、もうなにもいらない。
♪これがただのまやかしで、夢からさめてかつてのように
抱きしめあい笑いあえたら、もうなにもいらない。
♪未来へ向かって、祈りはいま輝きはじめている
決して奪わせない、僕らの生きる時代への自由を
GALNERYUSの最大の魅力であり武器である、光が燦然と輝く天空へと翔けぬけていくようなメロディを小野さんのハイトーンが彩る。
そしてコロナ禍の今だからこそ胸を打つ歌詞。
強いメッセージ性は新たなアンセムとなることでしょう。
そして今回、もう一つの大きなサプライズとなったのが
[DEEP AFFECTION][EVERLASTING]のリレコーディング。
ブックレットに
[Lyrics:YAMA-B]の文字を見たとき、オールドファンは感慨深くなったことでしょう。
過去の曲は歌詞を変えてリレコーディング。
インタビューなどでは
「前任ボーカルは‥」と話すよそよそしさ。
YAMA-B脱退後、そんな経緯を経て、今回のリレコーディングは実に原曲に忠実。その忠実さにも驚きました。
これはなにかの雪解けが始まっているのかもしれませんね。
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ということで、聞きどころ満載ではありますが、
「そうきたか‥」と意表をつかれたというのがファーストインプレッション。
聞けば聞くほど深いという点はいつもの
「らしさ」ではありますが、さきほど書いたように
「挑戦的なアルバムだな」という印象が強い。
次作への展開も全く読めません。
王道の曲、魅力爆発の曲、新機軸の曲。
こういった様々な品揃えも含めて、まさにLEAくんの
「お披露目」であり、生まれ変わったバンドの名刺がわりのようなものでしょう。
次のフルアルバム、どういった方向性へと導くのか。
読めないからこそウキウキします。
きっとこれもSYUの策略。
GALNERYUS WHATEVER IT TAKES (Raise Our Hands!)