類は友を呼ぶ

テン

2020年07月06日 07:34

類は友を呼ぶ、ということか。
敬愛するアーティストのソロアルバムは、私が愛するミュージシャンで脇を固めた、強力布陣となりました。

SYU [ VORVADOS ]



日本を代表するメロディックヘヴィメタルバンドであるGALNERYUSのキーパーソンであるSYUのソロアルバム。
2019年リリース。

「VORVADOS」とは聞き慣れない単語でありますが、意味としては「クトゥルフ神話に登場する架空の神」とのことで、そこはあまり深く堀下げずにおきましょう(←よくわかっていない)。

コンスタントにクオリティの高い作品を提示し続けているGALNERYUSですが、さらにソロアルバムをリリースとは‥SYUの創作意欲は底無しですね。

ゲストヴォーカルのラインナップは‥

Fuki (Fuki Commune / ex.LightBringer)
(摩天楼オペラ)
HARUKA (TEARS OF TRAGEDY)
団長 (NoGoD)
小野正利 (GALNERYUS)
DOUGEN (THOUSAND EYES)
AKANE LIV (LIV MOON)

どうですかこれ!私の好きなバンドばかり、まさに夢の競演といってもいい。

ギタリストのソロアルバムというと、インストアルバムだったり、自らのルーツを遡って意外性を見せるアルバムだったり、というイメージが強い。
そんな中、ゲストミュージシャンの個性を生かしつつ、SYUのメロディを堪能できるという、実に贅沢なアルバムになっています。

ソロアルバムというよりは、彼が好きなヴォーカリストを集めて、そのヴォーカリストたちに歌ってほしい曲を楽しんでいるかのようです。


オープニングのインストナンバー&タイトルトラックの[VORVADOS]
その緊張感と昂りに導かれ、アルバムの幕が落ちる。

そして劇的に幕を開けるのはFUKIちゃんによる[REASON]
GALNERYUSでも聞くことができる正統派ヘヴィメタルチューンのメロディと疾走感に、強靱なFUKIちゃんの声が重なる。
個性のせめぎ合い。
そしてそのせめぎ合いが生み出す相乗効果。
鮮烈なインパクトです。

続いては摩天楼オペラ苑さんによる[ここで区切れと天使は歌う]
もうね、このタイトルからして摩天楼オペラを意識して作ってくれてるなぁと思いますよね。
曲としては、やや変拍子を交えてのメロディとなっており、私が期待する「摩天楼オペラ的、シンフォメロスピ」とは一線を画す。
とはいえ、やはり苑さんの個性的なヴォーカルが生きる曲になっています。

TEARS OF TRAGEDYのHARUKAさんによる「暁」
ややミディアム&ヘヴィなメロディとHARUKAさんの澄んだ声のコンビネーション。
HARUKAさんはもう一曲参加していますが、その「もう一曲」の方が「らしい」かなと思いますが。

NoGoDの団長による[EUPHORIA]
団長の囁き的な声からのハイトーンシャウトで始まり、メロディアスなスピード感で駆け抜けてゆく。
歌詞も含め、なんともNoGoD的なのが嬉しい。
団長がメロディを歌うときは団長の魅力が際立ち、ギターパートではSYUの圧倒的存在感が姿を現す。

DOUGENの慟哭の咆哮とAKANE LIVのオペラティックな美声のコントラストが際立つ[Chaotic Reality]

それに続く[CACOTOPIA]
ややマイルドでありながらも芯の通った魅力的な声、ときおり聞こえる歌いまわしはGACKT風だな‥誰だこれ‥と思っていたら、なんとSYU本人。
個人的には大好きな声質で驚きました。
今回のような豪華ゲストのアルバムもいいけど、自分で歌ったアルバムでもイケるじゃないか!という期待が沸いてきます。

FUKIちゃんによるもう一曲は、ややメランコリックに舞うような[AndroiDedication]
実にキャッチー。
[REASON]のように強靱なヴォーカルもいいけど、こういったアニソン的&J-POP的な曲を歌うFUKIちゃんも魅力的なのだ。

小野さんの、小野さんによる、小野さんのために書かれたようなバラード「哀傷」
何も言うことはありません。
GALNERYUSで小野さんの魅力を知り尽くしたSYUだからこそのバラード。
自然体の小野さんのヴォーカルが堪能できます。

実質ラストを飾る[未完成の翼]
大好きなHARUKAさんの魅力全開です。
解放感を伴い、天空を舞うかのようなメロディ。自らの翼を広げ、そのメロディの中を優しく滑空するかのように舞い上がるHARUKAさんの歌声。
TEARS OF TRAGEDYの魅力でもある勇気と希望に満ちた歌詞。
この二人の組み合わせならこんな曲だろうな‥という期待通り、いや、期待以上の魅力的なコンビネーションとなっています。

‥と、立て続けに書いてしまいましたが、一言で言うと「どの組み合わせも魅力的すぎる」のです。
よくもまぁ、これだけヴォーカリストを引き立てる曲を書けたものだな‥と。

「マイホーム」であるGALNERYUSの充実に加えて、このソロでの充実っぷりは尋常じゃない。

基本的にはGALNERYUSのアルバムが素晴らしいだけで大満足なのですが、これだけのクオリティを見せてくれると次も期待してしまいますね。
そして次があるなら、SYUのヴォーカルで‥いや‥今回のメンバーも捨てがたいし‥悩ましいところですね。


SYU from GALNERYUS(GUEST VOCAL:Fuki)「REASON」






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