ロックって、楽しい。

テン

2019年05月27日 07:30

最近のヘヴィローテーションアルバムだ。
ジャンルとか関係なく、イッパツで惚れ込んだアルバム、バンドは久しぶりかもしれません。

The Struts [ Young & Dangerous ]




イングランド出身。2018年リリースの2ndアルバム。
期待の若武者だ。
今年のサマーソニックにも出演予定ということで、名前だけは知っていましたが‥いやいや‥これほどまでとは。

どこまでがヘヴィメタルか。どんなサウンドがヘヴィメタルか。
どこまでがハードロックか。どんなサウンドがハードロックか。
最近のBonJoviはハードロックなのか。じゃ、エアロスミスはどうのか。
そんなことはどうでもいい。

ロックって、カッコいい。
ロックって、キモチいい。
ロックって、楽しい。

ストレートにぶつかってくる。
アタマとカラダが無条件に反応する。
そんなバンドです。


ということで、それだけで充分魅力的なわけですが、あえてどんなサウンドか表現しようとするとですね‥

キャッチーで、グラマラスで、グルーヴィで。
古いようで、新しくて。
ガレージでジャムっているかのようなラフ感がありつつも、アリーナでオーディエンスを巻き込んでいくようなスケールもある。

‥と、「なんでもあり」の様相ですね。

あまり詳しくない私でも「あ、なんかクイーンっぽい」という印象も残りますね。

最初に聞いたときの、数曲耳に残りつつ「へー、カッコいいな」という余韻。
そこからの「もう一度聞いてみよう」「もっと聞いてみよう」「もっと聞いていたい!」という中毒性が、ここ最近味わったことのない感覚。
気づいたら延々とループしています。


個人的には、なんといっても[FIRE(Part 1)][Ashes(Part 2)]のコンビネーションが胸に刺さる。

圧倒的高揚感をもたらす[FIRE(Part 1)]
両手を掲げて拍手しながら、アリーナが大合唱に包まれる光景が目に浮かびます。
この曲、このアルバムの象徴だと思うのです。
「○○っぽい」という表現すら野暮で、ひたすら楽しく、ひたすらロックしてる。

そして対をなす[Ashes(Part 2)]
一転、穏やかでシリアスでセンチメンタルなオープニングから、ゆるやかに、力強くサビへと盛り上がっていく。
絞り出すように感情的なヴォーカルが印象的。
崇高ともいえる中盤~後半は、まさにクイーン的。


ややモダンな鋭さを見せる[BodyTalk]
パーティロックな華やかさが印象的な[Primadonna Like Me]
THE DARKNESSを想起するグルーヴの[In Love With A Camera]
ミディアムなリズムとコーラスのコンビネーションが美しく心地いい[Tatler Magazine]
ボーナストラックとして収録されている[21st Century Dandy]も素晴らしい。


光の当てかたによって多彩な輝きを放つ宝石箱のようでもあり。
楽しいものを詰め込んだおもちゃ箱のようでもあり。
昔から今までの記憶を詰め込んだモノクロ~カラーと時代が推移するアルバムを眺めるようでもあり。
クルクルと姿を変える万華鏡のようでもあり。

「あぁ、そうだよ。こういう感覚だよ。ロックを楽しむのって。音楽を楽しむのって。」

という、久しく忘れていた感覚が蘇ってくるのは、実に心地いい時間です。

若い人にも、私の世代の人にも。
メタル好きな人にも、ロック好きな人にも、音楽好きな人にも。

きっと誰もがその楽しさを全身で感じられるのではないかと思います。


The Struts - Fire (Part 1)



The Struts - Primadonna Like Me



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