LOUDPARK12で来日予定の
SONATA ARCTICA。
大好きだった(なぜか過去形)から、けっこう楽しみにしてるんですが、そういやあんまりブログに書いた記憶がないな。
・・と思って遡ってみたら、やっぱり初期のアルバムのことを書いてないじゃんか!
そんなわけで、温故知新。
SONATA ARCTICA [ECLIPTICA]
フィンランド出身。これが1stアルバムですね。
1999年リリースですから、もう
13年前ですか。
当時の喧騒が記憶に残っている人は、そのスジの人でしょう。
さらに、
「あー、STRATOVARIUSのHANS OF TIMEの時の盛り上がりに似てるなー」って感じた人は筋金入りのそのスジの人でしょう。仲良くしましょう。
・・ってなことはさておき。
北欧の透明感、北欧メロスピの象徴とも言えるキラキラとしたキーボード、パタパタと走り抜けるB級の疾走感、今にも崩れそうな青臭い緊張感。
メロディックスピードメタルファンが期待するもの全てを網羅した
「いかにも北欧メロスピ!」なデビューアルバムは、驚きと称賛と喜びと皮肉と嘲笑とが混ざり合った喧騒の中で迎えられました。
結局のところ、こういった音楽が好きかどうかに尽きるわけですがね。
個人的には
「スゲー新人が出てきた!」と衝撃を受けましたね。
今にして思えば(いや、発売当時でも)、B級臭は強かったし、歌詞はチープなトコがあるし、ヴォーカルラインは微妙だし・・
と気になった点もあるのですが、それを全て覆い隠すほどの勢いとフレッシュさと煌きがあった。
仄暗く幻想的なジャケットも印象的です。
そんなわけで、冷静に第三者的に書いてみたりしましたが、そんな理屈抜きでかなり好きです。
SONATA ARCTICAのアルバムで
「やっぱコレだろ!」って人、多いのではないでしょうか。
アルバム全体が透明感とスピード感で包まれており、さらにその曲のメロディが単なる
「B級」で括れないほどのクオリティを持ち合わせています。
オープニングを飾る
[Blank File]のインパクト。
序盤で訪れる最初のハイライト
[8th Commandment]は今でもSONATA ARCTICAの代名詞として語られることも多い曲ですね。
圧倒的疾走感、キーボードとギターのせめぎ合い、力強く美しいサビ・・・これですね、北欧メロスピは。
[Fullmoon]は、現在でもライブで披露される数少ない初期の曲の一つ。
「ラナウェーラナウェーラナウェー」のコーラスは、SONATA ARCTICAにあまり興味のない人でも
「あー、あのラナウェーのバンドね」と想起させるほどのインパクトを残しています。
[Unopend]のイントロのキーボードの音色の美しさは、このアルバムの象徴的パートであるなぁと個人的には思います。
そしてハイライト
[Destruction Preventer]を迎えます。
個人的にSONATA ARCTICAの歴史の中で一番好きな曲ですね。
8分近い曲ですが、もともと大作好きの傾向があるので。
これもまた歌詞がやや「・・・」ではあるのですが、緩急とフックで全く飽きさせることなくエンディングを迎えます。
途中の
「オーオオーオーオオオー」というコーラスは一緒にシンガロングする衝動を押さえきれません。
こういった典型的なメロスピってのは、正統派メタルファンから
「ピロピロ(笑)」とかって叩かれることも多い。
たしかにそういった一面もあったとは思うけど、わりと幅広く受け入れられたように記憶している。
上述した通り、曲のクオリティ、アレンジのセンスがB級で括れないものを持っていたと思う。
「典型的北欧メロディックスピードメタル」と聞けば、何人かがこのアルバムを挙げるのではないでしょうか。
この後の数枚を経て、今では
「俺たちがまだメロスピバンドだと思ってる人がいるとしたら、それは大きな勘違いだぜ」的に、一気にスピード感を減退させてプログレ路線というかシンフォ路線というか、そういった穏やかでメロディックな方向を志しているようです。
これが冒頭の「好きだった」と過去形になってしまっている所以なんですがね。
それでも初期に魅せてくれた輝きは全く褪せることはありません。
逆に、こういった方向転換は初期に輝きすぎたバンドの宿命とも言えるのかもしれません。
ワタシ自身も、その後のアルバムを聞くたびに
「やっぱ1stだよな」と思ってしまいましたし、その呪縛から逃れるためには仕方なかったのかなと思います。
8th Commandment
・・この曲をラウドパークで演奏してくれたら、悶え狂うことでしょう。最近やってないみたいなんだけどね。