【終盤戦】鋼鉄の宴 2011

テン

2011年10月24日 07:16

さて、いよいよ「体力の限界!」という千代の富士の会見が脳裏をよぎる後半戦。

一番の目玉であるUNISONICが終了し、精神的恍惚風前の灯火ボディを抱えつつ、期待のTRIVIUMが始まります。


8. TRIVIUM

UNISONICですべての情熱を放出して脱け殻状態ではあったものの、TRIVIUMも今回の楽しみの一つだ。
前述の知人女性とはここで別れ、気力のみでTRIVIUMステージへ向かいます。
UNISONICのライブ中、ワタシに前列を譲ってくれたHさん。ありがとう!!

実は今回、TRIVIUMのライブに参戦するにあたり、ココロに決めていたことがある。それは
「KIRISUTE GOMEN を演奏してくれたら、サークルピットに飛び込もう」ということだ。

昨年、3INCHES OF BLOODで軽いキモチでピットに突入して簡単に弾き飛ばされ、その後はサークルピットに嫌悪感を抱いていたのは昨年の記事を見て頂ければ分かると思う。
今年も、ことあるごとに発生するピットは「どっか専用のトコ作って回ってろや!」「まわりを押し出したりして迷惑かけんなや!」「でも、ピット周辺は回転風圧で涼しいよね!」という思いがありつつも、「昨年のリベンジをしないと帰れない」という思いもあった。
そう、[KIRISUTE GOMEN]でのサークルピット突入は、今年自分に課した「炎のさだめ」であり、自分が背負った十字架だ。(←おおげさ)

そういうわけで、疲労困憊のカラダを引きずってアリーナ前方へ。
そしてあのイントロから[IN WAVE]がスタート!!
この曲、ネットで公開されて最初に聞いたときは「・・・うーん」と思った。[ANTHEM][KIRISUTE GOMEN]といった直線的メタリックチューンが好きな自分には、重すぎた。
が、何度か聞くうちに、ヘヴィな混沌とそれに混在するメロディがクセになってきた。TRIVIUMの今後の道標を示す曲だなと思う。

ライブでは、その混沌が圧力として観客席に降り注いでくる。
押しつぶされそうな音のカタマリ、その後に導かれる美しいハーモニー。
シビれる。
中心人物であるキイチは、細身のカラダ、シャープな顔つきからは想像できない力強いヴォーカルを披露。クリーンもスクリーモもパワフル!
その存在感は浅尾だ・・・メタル界の浅尾拓也だ・・・と思いながら眺めてました。(ココ、例えが分かるヒトだけついてきてくれればよいです)

すべての体力を消耗していても、何かが漲ってくるような感覚。

TRIVIUMのすべてを知るほど詳しくはないので詳細は避けますが、新しいアルバムからは思ったより少なかったかな。
[Ignition][Down From the Sky]といった分かりやすいチューンを中盤に配していたのも効果的。

さて。
こうなると[KIRISUTE GOMEN]の演奏、そしてどうしても聴きたい[ANTHEM]の演奏がどうなるかが気になってくる時間帯だ。
キイチの「イッショニウタッテクレ!!」的MCで、「これは・・・どちらかが来る!」と確信。

そのMCから導かれたのは・・・KIRISUTE GOMEN!!

イントロが爪弾かれ、アリーナに巨大な台風の目のようにスッポリとカラッポの空間が形成される・・・。
さぁ。もう覚悟を決める時だ。「ポッケのスマホ、大丈夫かな・・・メガネ、折れねーかな(←過去にメタルカラオケで折った苦い記憶あり)と冷静な不安が脳裏をよぎる
そのカラッポの空間はドンドン巨大化し・・・
そして切り込んでくるリフ!同時に全員が空間に向けて走り出す!ワタシも突撃!行ったれやー!!
汗まみれのオトコが衝突する衝撃が心地いい。
モミクチャになりながら、今度はその人の流れが一気に超巨大サークルピットと化す。
走る!走る!「KI-RI-SUTE-GO-ME-NNNN!!」と叫び、拳を振り上げながら走る!
中盤の間奏でいったん流れが止まり、ヘッドバンキング。そして再加速!
・・・走りきったよ。俺、走りきったよ!・・・と「さようならドラえもん」における、のび太の「勝ったよ・・・ぼく・・・」の心境に近い満足感が全身を満たす。

結局[ANTHEM]は演奏されなかったが、昨年のAVENGED SEVENFOLDに抱いたような「こんな素晴らしい若いバンドがいる」ということを嬉しく思った。
もう「新世代の旗手」というよりは中堅どころだが、ヘヴィな音を求める若い世代と、メロディを大事にしたい我々世代、共に満足させてくれたと思います。

個人的には UNITED / UNISONIC と並んで今回ベスト3に入るライブでした!


KIRISUTE GOMEN・・・2008年のライブより。やっぱり破壊力ある曲だね。




9. THE DARKNESS

UNISONICの興奮、TRIVIUMでのピット突入で、ホントにHP1。瀕死の状態。
とりあえずビールを補給しないと・・・HP0「ただのしかばねのようだ」と化してしまう。
ビールを求める魂が脱け殻と化したカラダを引きずっていくかのように売店へ。ビール・・・ビール・・・。
で、ビール補給。で、おかわり。そのおかわりを持って、スタンド席からTHE DARKNESSのショウのオープニングを眺める。
一曲目、[BLACK SHUK]
♪ジャージャジャッジャー!ジャージャジャッジャー!というイントロで再びテンションが上がる。
そう、この日ここまで、この「ノリ」がなかったんだ。
ビールを飲み干し、「アリーナ・・・アリーナ・・・」HP5くらいにしか復活していないカラダを引きずってアリーナへ。

ジャスティンのファルセットボイスは全く衰えていない。
そして個性的なファッションも「あのジャスティン」そのものだ。そういや、髭男爵風の「クルリンひげ」してたな。
そのパフォーマンスの一挙手一投足に目を奪われ、グイグイと引き込んでいく。

こういう華やかなブリティッシュハードは、フェスティバル向きだと思う。
観客との掛け合いは、ジャスティンの声が出すぎてて、やや空回りの感はあったけど・・・。

大好きな[One Way Ticket]も盛り上がったし、[I Believe In A Thing Called Love]での「ギッター!!」という叫びも完全再現。

最後の方で、「俺たちの出番はもうすぐ終わるけど、ARCH ENEMY と LIMP BIZKIT と WHITESNAKE がいるから!」と、敢えてリンプと白蛇を逆にしてくれたのは、彼らなりのメッセージ・・・だと思いたい。

楽しいライブでした。

・・・けど、いかんせん体力が・・・実は3割くらい記憶がない。
UNISONIC~TRIVIUMの流れがあって、次がARCH ENEMYってことで、休憩してた人も多かっただろうと思われ、アリーナの人も少なめだったような。


Black Shuck・・・復活後のライブより。そうそう、このヒゲ、このアクションだったよ。これはテンション上がるよね。やっぱり。





10. ARCH ENEMY

さて、このあたりから体力と比例してレポも短くなっていくのではないかと・・・。
THE DARKNESSに満足し、ARCH ENEMY ステージへ。

実は今回、ARCH ENEMYのライブに参戦するにあたり、ココロに決めていたことがある。それは
「ENEMY WITHIN を演奏してくれたら、サークルピットに (以下略)

そういうわけで、疲労困憊のカラダを引きずって(以下略)

・・・とはいえ、その曲をやるなら終盤だろうということで少しづつ、ホントに少しづつ中心へと歩を進めていきました。
[Ravenous][Dead Eyes See No Future]あたりが演奏され、「さあ、盛り上がってきた!!」というムードの中、前方まで進みます。

さすがミスターラウドパークことマイケル・アモット率いるARCH ENEMY。
TRIVIUMの圧力とはまた雰囲気が異なる緊張感が会場を覆っていましたね。
慟哭のメロディは圧巻でした。

アンジェラ嬢の存在感もさすがだった。
ただ、疲労困憊だったから冷静に聞いてたトコもあるんだけど・・・楽器隊の緊張感に対して、アンジェラの歌唱は「個性」を越える何かが足りないような。
なんというか・・・力強さが漲ってるのに、印象が平べったいというか・・・うまく表現できないな。
こんな美女がARCH ENEMYにねぇ・・(苦笑)→強烈なデスヴォイス→スゲー!・・・という加入時のアドバンテージは、既に消失してると思うので、マンネリ化しないといいんだけどなー、と。

そして[We Will Rise]を経てラストを飾った曲は・・・・[NEMESIS]でした。
期待の曲ではなかったけど、これも外せないわな。
とはいえやっぱり、[ENEMY WITHIN]聴きたかった・・・ということで、ピット突入は自重。[NEMESIS]のピットもデカかった!

いろいろ思うところはありつつも、会場の一体感はこの日トップクラスだったのではないでしょうか。
改めてARCH ENEMYの日本での人気を再認識しましたね。

これまた充実したパフォーマンスでした。


NEMESIS・・・なんだかんだいっても、今となってはアンジェラあってのARCH ENEMY。





11. WHITESNAKE

ホント、もうダメ・・・動けない・・・でも・・・ダグを見ないと・・・ということで、再びアリーナを移動。
後方の、それほどギュウギュウじゃないスペースに陣取り、登場を待ちます。

そして、デヴィッド・カヴァーデル登場!相変わらずセクシーだ!
マイクスタンドを操り、それを股間に立てて・・・・というパフォーマンスがココまで似合うのは彼しかいないんじゃないかと。
ダグ・アルドリッチはワタシとは逆サイド。すっかり落ち着いた感があるな。
目の前にはレヴ・ビーチ

新譜からの[BEST YEARS]をオープニングに配し・・・
[GIVE ME ALL YOUR LOVE]!
[LOVE AIN'T NO STRANGER]!

そして待望の[IS THIS LOVE]はサラリとこの位置で演奏。

で、徐々に違和感を感じ始める。

かなりキーを変えているようだ。ほとんどの曲で。
「HELLO!! TOKYO!!」「YEAHHHHH!!」シャウトは艶っぽくエネルギーもあるのだが、歌メロは原曲キーでは追えない・・・いや、歌えないことはないけど、無理しないようにしている・・・ってとこだろうか。
10年前のカヴァーデルを見ているからこそ、なんだか切なくなってくる。
10年ぶりに聞く[IS THIS LOVE]に抱いていた幻想も、静かに溶けていくような気分だった。
そして[FOREVERMORE]をシットリと歌いあげるカヴァーデルの姿がスクリーンにアップで映しだされると、刻み込まれた皺が「・・・老いたな」という印象を増幅させます。

とはいえ、名曲の数々が色褪せるわけではなく、[HERE I GO AGAIN][STILL OF THE NIGHT]のラストの畳みかけは「歴史を重ねたきたバンドは、やっぱり強いな」と実感。

そして、単独ギターソロで会場の視線を一点に集めたダグ・アルドリッチを見て、「あぁ・・・BAD MOON RISINGをボトムラインで見た人の誰がこの姿を想像しただろうか」と感慨ひとしお。
カヴァーデルがメンバー紹介したときも、ダグのときだけ特別扱いに見えたし、ホントに必要とされてWHITESNAKEにいるんだなぁと。
そして「なのにカル・スワンは・・・」と思ってしまったのは、ワタシ自身がダグよりもカル派だったからですね。きっと。

感傷と現実が複雑に交差したライブでしたね。そういや[BAD BOYS]やらなかったな・・・。


HERE I GO AGAIN ・・・この溢れんばかりのセクシーさ・・・これこそカヴァーデル。





12. LIMP BIZKIT

リンプが好き、嫌い、ってことは抜きにして、オープニングの数曲を見てから肌に合わなかったら帰ろう。と思っていました。せっかくの機会だし。
が、ホントにもう限界ですありがとうございましたありがとうございましたごめんなさい。
ということで、リンプは見ずに撤収。



最後のまとめで改めて書こうとは思うけど、「中堅どころばかりで目玉がない」と酷評されていたわけですが、フタを開けてみればハズレ全くなし、どのバンドも素晴らしく、休憩ポイントに悩まされるほどのフェスでした。
昨年のほうが、いろいろ休んでペース配分できたもんなー。
今年は一気に駆け抜けた感がありました。

全体の所感的なものは、また次回の「編集後記」的なモノで。
・・・あ、明日から出張だった。続きは来週だな。

ありがとう、LOUDPARK!!!



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