新しい風

テン

2011年07月28日 07:50

「これは・・・来る!」と直感的に感じることがある。

「来る」ってのは、「来日する」ってことじゃなくて、「波が来る」「追い風が吹く」ことだ。ムーヴメント・・・ってほどでもないけど、これはちょっと賑わしくなりそうだな、ってことだ。
昨年のTURISASの時に、そんな雰囲気があった。
個人的にヒットだったRECKLESS LOVEには、残念ながらそういったムードは無かった・・・いいバンドだったのに・・・いやいや、過去形にしちゃいけないな。

そして、今年はこのバンドが「クル!」という雰囲気を持っている。

AMARANTHE / AMARANTHE



スウェーデン発、これがデビューアルバムになりますね。
このバンド、単なる新人ではありません。メンバーが以前在籍していたバンドを拾ってみると・・・
FALCONER!
DREAM EVIL!

そして DRAGONLAND!
どうですか。音楽性を問う前に垂涎、という方もいらっしゃるのでは。
フレッシュな顔してデビューしてますが、歴戦(っても、B級戦線ですけどね)の猛者たちです。
特にDRAGONLANDが大好きだったワタシとしては「元DRAGONLANDが・・・キタか!」という感慨深いものがあります。

さて。このAMARANTHE。別にそういった経緯で評判を生んでるわけではありません。
当然、その音楽性があってのこと。

基本スタイルは、北欧メロデス+女性ヴォーカル・・・という、ありがちな(失礼)ものです。
その「ありがち」と思われがちな中で突出した個性を感じるのが、耳に残るメロディと、トリプルヴォーカル。
① デスヴォイス担当(男)
② ノーマルヴォイス担当(男)
③ ノーマルヴォイス担当(女) という三連星。

このバランスが新鮮です。
女性ヴォーカルは、キレがよくパワフル。昨年のLOUDPARKでのHALESTROMを思い出しますね。
デスヴォイスも実に効果的。

冒頭に「北欧メロデス」と記載しましたが、デス風味は控えめ。
美しいメロディラインを伴ったスピード感は北欧らしさをアピールしつつ、「正統派」と言っても過言ではない、ジャンルを問わない普遍性を持ち合わせています。

そして、ピコピコという電子音もアクセントになってますね。
この電子音を使ってのアレンジは Luca Turilli[Prophet of the Last Eclipse]を思い出したりしますが、モダンな風味のリフとの相乗効果で、なんだか近未来的なムードを漂わせます。
とはいえ、個人的にはあんまり電子的アレンジは好きじゃないけどね。
ま、このアルバムでは上手く使ってるんじゃないかな、と。

デスヴォーカルや電子音を駆使してはいるものの、全体的に残る印象としては「繊細・華麗」
このあたりはDRAGONLANDにも通じるわけですが、繊細なメロディを軸に、そういったオプションで肉付けしているという感があります。
メロデスの女性ヴォーカルというとゴシカルだったりオペラチックな方向を導入しがちですが、Eliza嬢の声はクセがなく安定感と説得力に満ちている。
このあたりも正統派メタル的魅力に昇華している要因でしょうね。

メロスピファン、メロデスファン、正統派メタルファン・・・HeavyMetalというジャンルに於いて垣根を必要としないバンドだな、と感じます。


デビュー早々に来日し、秋には再びLOUDPARK11で戻ってきてくれます。
ライブでのパフォーマンス、そして次のアルバムがこのバンドの未来を決めることになるでしょうね。

そして、この勢いのままにDRAGONLANDでも初期の輝きを取り戻して表舞台に帰ってきてほしいなぁ・・・というハナシは蛇足ですかね。

Amaranthe - Hunger




オマケ :
Dragonland - Majesty of the Mithril Mountains (コレを機に、少しスポットが当たるとウレシイ)


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