まさに
「夢」だった初来日が叶った
EvokenFest2017。
そしてこの春、まさかの単独来日が予定されていました。
‥が、このコロナ禍で延期に。
そういえばこのアルバムにまだ触れていない気がするので、こんなときこそ、ポジティブなバンド、ポジティブな音で。
FREEDOM CALL [ Master Of Light ]
2016年リリース。これが9枚目のアルバムになります。
なんだか
「永遠の中堅」といった印象がありますが、1999年デビューだから20年経ってるんですね。
「まだ来日していないけど、来日してほしいバンド3つ」みたいな会話のときには
「まずFreecomCall。そしてHeavenly。そしてThe Poodles」と言っていたのですが、そのくらい私にとっては大切なバンドなのです。
ドコドコドコドコという疾走感。
チンチンチンチンチンと織りまぜられるスネア(?)の音。
プァープァパーと被せられてくるオーケストラというかファンファーレというか。
ウォーウォオォーーと重ねられてくるコーラス。
若干小馬鹿にしているように聞こえてしまうかもしれないのですが、全てが愛おしいのです。
こういった憎めないところがいいわけですが、こういうのが苦手な人がいるであろうこともよく分かるのです。
キャッチーに明朗に疾走するサウンドは純然な
「ジャーマンメタル」に属する存在として認知されていたように思います。
今となっては「ジャーマンメタル」という定義自体も人それぞれ、狭義な人もいれば広域的に捉える人もいる。
とはいえ、一つの象徴的な存在であるこは間違いないでしょう。
‥と言えるほど知名度がないところが複雑なところですが。
キラキラと煌き、幻想的な世界観とともに輝いていた1st~2nd。
一気に「躁」系メタルへと存在感を見いだした3rd~5th。
そして、個人的にちょっと
「あれ‥」という時期となっていたその後の数年。
そしてこのアルバムは、再び彼らが自らの
「フリコ印」を強く印象づけるアルバムとなりました。
やや押し売り&押しつけとも思えるくらいにフリコ印。
その刻印の中には
「俺たちはこれで生きていく」という強い信念を感じます。
徹頭徹尾、メタル。
徹頭徹尾、ポジティブ。
ある意味、
「キャラ作り」と言えるくらいの徹底っぷり。
このアルバムに於けるジャケットのダサさも秀逸。
こういったところもこのアルバムへの自信なのかもしれません (と言っておいて、何もフォローになっていないことに気づくわけですが)
ちなみにEvokenFestではこのジャケットを大きくプリントされたTシャツが販売されていましたが、私は手を伸ばすことができなかった。
これは踏み絵である。
ファン失格である。
アルバムの内容はといえば、もうフリコ節である。それ一色である。
以下余白はフリーダムコールに捧げるよ。
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と、マサ伊藤氏のように書いてしまいたいところですがそういうわけにもいきませんね。
冒頭を飾る
[Metal Is For Everyone]。
メタルはみんなのもの。
なんという分かりやすさ。なんという高揚感。なんというダサさ(褒めてる)。
「stronger than the law」ですよ。なんという心強さ。
ライブでも感じましたが、
「これが俺たちだ」「これが俺たちのアンセムだ」「これからは俺たちはメタルの伝道師だ」という強いメッセージ。
違うのだ。
これはFreedomCallのアンセムではなくヘヴィメタルのアンセムとして語られていくのです(おおげさ)
[Hammer of The Gods]のキャッチーに刻まれるリズムも彼らが得意とするところ。
荘厳なイントロ&コーラスに導かれ、
「♪パララ~パララーララー」というファンファーレとともに
「ドコドコドコ」と疾走する
[A World Beyond]。
典型的なフリコの曲展開ですね。
中期のドラマ性と初期のキラキラ感、どちらも美味しく頂ける良曲です。
ストレートなメロパワチューンで、ややスペイシーなアレンジが耳に残る
[Kings Rise And Fall]。
勇壮な語りからの爆裂疾走へとつなげる
[Hail The Legend]。
いかにもジャーマンメタル然としたブリッジ~サビへの飛翔感がたまりません。
シリアスにソリッドに疾走する
[Riders In The Sky]。純然たるヘヴィメタル感が秀逸です。
‥と、まぁ、とにかく彼らから久しく離れている方がいらっしゃれば、このアルバムからまた戻ってきてほしい。
いままで聞いたことのない方には一度聞いて頂きたい。
で、
「これは無理」と思えば、他のアルバムは聞く必要がない。
そのくらい、彼らの
「印籠」となり得るアルバムだなと思います。
アルバムのクオリティ、個人的好き嫌いでいえば、もっと好きなアルバムがある。もっと好きな曲がある。
けど、ここまで開き直って、自らを誇示しているアルバムという意味ではとても大きな意味を持つアルバムになると思うのです。
そしてこの次に発売されたアルバムのタイトルは
「M.E.T.A.L.」。
やはり彼らは強い信念で自らのメタル道を突き進むことを決めたのだ。
その強い意志に幸多からんことを。
そしてそのスピリッツに感化される人が一人でも増えることを。
EvokenFestでの盛り上がりかた、その後のフリコへの評価を思えば、それは決して夢物語でない。はず。
FREEDOM CALL - "Metal is for Everyone" (Official Video)