ポルノの夏

テン

2011年07月01日 07:32

さて。
タイトルで「あのポルノか!」と国産バンドを想起した方。
残念でした・・・が、ちょっと待ってくだせぇ。
バンド名はこのアルバムに倣ったとのことなので、まんざら関係ないわけではないのですよ。

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暖かくなってくると(っつーか、もう暑いけどね)、クルマの窓は全開にしてアメリカンハードの季節ですよね。
今は梅雨時だけど、天気がよければそうなりますよね。
そういう前提でハナシを進めますね。

さて、このアルバムを聴いてて「そういえばまだ書いてないんじゃね?」ということに気付いた。
このテのジャンルのファンからすると「いまさらかよ!」感が漂いますが、ごめんなさいね。
しょせんは思いつきで進行するフリーダムなブログなので、気にせずに進めますね。

EXTREME [PORNOGRAFFITTI]



米国発。1990年発表、2nd。

EXTREMEといえば、「ファンクメタル」などとカテゴライズされています。
実際のサウンドもファンキーなリズムにホーンセクションを多用し・・・と、このクダリを聞いただけでワタシなんぞは「無理です。ヤです。生理的にダメです。」と思ってしまうわけですが、キャッチーなメロディラインは群を抜いていた感があります。

全体的には、そのファンキーな要素による「ユルさ」が感じられるわけですが、これがユルいだけで留まらないのがミソ。
ユルさの中に織りまぜられた適度な緊張感(これはヌーノのギターによるところが多い気がします)、そして耳をとらえるフックのあるメロディライン。
絶妙なバランスが構築されており、13曲という曲数でも最後までダレることなく・・・いや、適度にダレてるんですが、「お!」と思ってる間に最後まで聞いてしまう。
ラストを飾る[HOLE HEARTED]の素晴らしさは、「いいアルバムだね」という余韻を残す大きな要因になっています。
この「心地よい余韻の美しさ」AEROSMITH[GET A GRIP] における [AMAZING] に通じるものがあると思うんだよね。

サウンドの質感では、やや整合性が増してカチッとした感のある次作[III SIDES TO EVERY STORY]の方が好きですが、「らしさ」という点、曲の充実度という点で、やはりEXTREMEといえばこのアルバム!、というところは疑う余地のないところかと。

アルバムの中で一番印象的な曲が、本来ワタシが一番キラいなタイプであろう[GET THE FUNK OUT]というのも、このアルバムとワタシとの関係を如実に表している気がします。
あとはやはりオープニングを飾る[DECADENCE DANCE]。スケールの大きさが印象的ですね。
そして全米№1を飾った[MORE THAN WORDS]。アルバム全体のグルーヴ感の中にポツリと光るバラードの美しさもこのアルバムの魅力ですね。

日本で爆発的(?)に売れたMR.BIGあたりと比べると、ある意味黒人特有のリズムをルーツとしたようなサウンドが好き嫌いが分かれるところかな、と思います。
ワタシも上述したような理由もあって敬遠していたわけですが、友人から「コレ、スゲーぞ」とイヤイヤ聞かされ、徐々に魅力に気付いた一人。
「ファンクメタル」とかって「メタル」という文字が踊ると、それだけでウルサいサウンドを想像してしまうメタルがキラいな人でも、是非聞いてみて頂きたい一枚。

まだロックシーンがチャートを賑わし栄華を誇ったあの時代の、象徴的なアルバムの一つであることは間違いありません。



Extreme - Decadence Dance





Extreme - More Than Words

「ユルさ」

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