溢れるエナジー

テン

2015年01月21日 07:18

バッドボーイズ的風貌なのに、もしくはケバいグラム風の衣装なのに、それを隠れ蓑にするかのように音楽性は正統的。
・・といったバンド、最近いますよね。

このバンドもそんな空気を感じます。
そして、そういうバンド、大好きです。

KISSIN' DYNAMITE [ADDICTED TO METAL]



今さらながらwiki見てたらドイツ出身なんですね。
なんとなく、この風貌やら音楽性で北欧かと思ってたよ。
これが1stアルバムになりますね。

このバンド、東京出張時にメタルバーGODZで流れてて知ったんですがね。
一発で「これは!」と気に入りましたよ。

ジャケットだけ見て「あー、こういうのね。ちょっと苦手なんだよね」と思った人。ちょっと待ってほしい。

見た目のインパクトと異なってキャッチーな音楽性という意味では真っ先にWigWamあたりを思い出すわけですが・・
KISSIN' DYNAMITEの魅力は、そのキャッチーな中でも「骨太」感が漂うところ。
そして、若さゆえの無尽蔵に埋もれているエネルギー。

そのエネルギー、骨太感、さらにキャッチーなサウンド。
この三つ巴のバランスが素晴らしいのです。

ゲストにウド・ダークシュナイダーがいるところもその骨太感を増幅させてくれますね。
「なぜウド?」と思っていたのですが、ドイツ出身と聞けば納得ですね。

そして見た目の風貌と異なり、「コイツら、すんげぇマジメなんじゃないの?」「すごくピュアなメタルファンなんだろうなー」というのが見れ隠れするのも微笑ましい。(まぁ、個人的感想ではありますが)
なんというか、音楽に向かう姿勢に真摯さを感じるのだ。

真っ先に比較対象として挙げられるであろうバンドとしてはSTEEL PANTHERが浮かぶわけですが、彼らの「全力のハッチャケ感」とは一線を画しているのだ。
ハッチャケてるけど、根の生真面目さがで出てるというか。

DAMN YANKEES[HIGH ENOUGH]をカバーしているあたりでも「・・やっぱり。そういうの好きなんじゃんか」とニヤニヤしてしまいますね。

全体的にはキャッチーなハードロックあり、ガッツ溢れるヘヴィメタルチューンあり、グラムっぽい要素もあり・・と、カテゴライズするのは難しい感がありますが、逆に言うと各ジャンルそれぞれのファンにアピールできる出来ばえ。

オープニングを飾る[Addicted To Metal]
ウド・ダークシュナイダーの存在感は当然際立ってますが、それに負けない個性を発散してKISSIN' DYNAMITEの力強さが漲っています。

[RUN FOR YOUR LIFE]は、これまたワタシの大好きなTHE POODLESを思わせるキャッチーなメロディライン。
実に器用なバンドなのだなと思います。

続く[SUPERSONIC KILLER]は、このアルバムを象徴する、まさにキラーなチューン。
ヘヴィなリフ、心地よいドライヴ感、そしてキャッチーなサビとコーラス。
こういうの大好きです。

そして先程触れたDAMN YANKEESの[HIGH ENOUGH]に続き・・
[ALL AGAINST ALL]では「○曜サスペンス!?」と思わせるオープニングから、ヘヴィながらも魅力的なコーラス。

そういえば[HYSTERIA]なんて曲もあって、DAMN YANKEESのこともあって「まさかあの曲!?」と思いましたが、これは違いましたね。
が、この[HYSTERIA]もシリアスでありながらメロディアスな良曲。

・・ということで、全曲を触れることはできないけど、全編にわたってスキがない。
素晴らしいクオリティです。

80年代のHR/HMが好きな人にとっては「おー、わかるわかる!」という連体感を感じるかもしれません。
WIG WAMRECKLESS LOVEといったバンドが好きな人にも聞いてみてほしい。
THE POODLESが好きな人でも気に入ると思います。
もちろんSTEEL PANTHERが好きな人にもオススメ。

まだまだ知らないバンドってのは埋もれているもんだなーと感じますね。
いろいろなところで、いろいろな出会いに触れないといけないなーと感じますね。

きっとライブは楽しいはず。見てみたいものです。

Kissin' Dynamite - Supersonic Killer



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